金プラチナ短期相場観

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ユーロ圏製造業PMI、高止まりを支えるのはドイツだけ?

更新日:2021年8月4日(水)

ユーロ圏製造業PMI 2021年7月IHSマークイットが今週発表したユーロ圏の7月製造業PMIは62.8。速報値の62.6から小幅上方修正され、4ヵ月連続で過去最高更新となった6月の63.4からは-0.6ポイントと小幅低下。経済再開に伴う需要増の流れが続く一方で、供給制約によって生産拡大も抑制され、コストも急上昇。PMIの指数伸び悩みにもつながったようです。
それでも過去4番めの高水準となり、歴史的高水準での高止まり状態となっています。これを支えたのはドイツだけ?という状況にもなっています。

<ユーロ圏製造業PMIランキング-2021年7月>
1:オランダ=67.4=3ヵ月連続過去最高の5月から続落。前月比-1.4、3ヵ月ぶり低水準、12ヵ月連続50超。3月から2-1-1-1-1位。
2:ドイツ=65.9=前月比+0.8で3ヵ月ぶり高水準、過去3番めの高水準、13ヵ月連続50超。3月から1-2-3-3-2位。
3:オーストリア=63.9=3ヵ月連続過去最高の6月から-3.1。4ヵ月ぶり低水準。12ヵ月連続50超。3月から3-3-2-2-3位。
4:アイルランド=63.3=2ヵ月連続過去最高の5月から続落、前月比-0.7で3ヵ月ぶり低水準も過去3番めの高水準。14ヵ月連続50以上。3月から6-4-4-4-4位。
5:イタリア=60.3=2ヵ月連続過去最高の5月から続落、前月比-1.9。4ヵ月ぶり低水準、13ヵ月連続50超。3月から4-5-5-5-5位。
6:スペイン=59.0=23年2ヵ月ぶり高水準の6月から-1.4。3ヵ月ぶり低水準、6ヵ月連続50超。3月から7-7-7-6-6位。
7:フランス=58.0=20年8ヵ月ぶり高水準の5月から続落、前月比-1.0。5ヵ月ぶり低水準、8ヵ月連続50超。3月から5-6-6-7-7位。
8:ギリシャ=57.4=21年2ヵ月ぶり高水準の6月から-1.2。3ヵ月ぶり低水準、5ヵ月連続50超。6ヵ月連続、今年6度めの最下位。

調査対象8カ国中、前月から上昇したのはドイツだけ。前月から低下した7カ国中、続落となったのが4カ国。前月から低下した7カ国中、3ヵ月ぶり低水準が4カ国、4ヵ月ぶり低水準が2カ国、5ヵ月ぶり低水準が1カ国。
ドイツを除けば、ピークアウト感も漂い始めています。

NY金・日足チャート 2021/6/29 - 8/33日のNY金相場は-8.1ドル、0.44%の反落で7月28日(1799.7)以来、1週間ぶりの安値。前日NY午後にゆるやかに下落する200日移動平均線(1822.9)に上値を押さえられて反落、軟調な流れはこの日も続いてロンドン時間には1810ドル台前半へ。NY朝には一時1810ドル割れも、ゆるやかに上昇する90日移動平均線(1809.0)に下値を支えられて下げ渋り、株安と長期金利低下の流れが強まる場面では1810ドル台後半まで反発。しかし、200日線手前ではやはり上値も重く1810ドル台前半での小幅揉み合いに収束。雇用統計への警戒感がやや強まる様子もあり、1810ドル台の節目をわずかながらも下抜けの兆しとなり、フライング気味に下値トライへの流れが進行し始めた可能性も。ADP雇用などが想定以上の好結果となり、90日線を割り込むようだと軟調方向へ、週末の雇用統計次第で下値目標1780ドル近辺トライの展開にも。上方向には1820ドル台と200日線が目先の抵抗に、上抜けると反発局面形成へ、1860ドル台が上値目標に。

NYプラチナ・日足チャート 2021/6/29 - 8/3NYプラチナは-9.4ドル、0.89%の反落で6月18日(1041.0)以来、1ヵ月半ぶりの安値。時間外序盤の1055ドルがこの日の高値となって保ち合いながらの軟調な展開に。ロンドン時間にかけては1050ドルをはさんでの保ち合いとなり、NY朝にかけて一時1055ドル付近までの再トライも株安の流れに連れる形でNY午前には一時1030ドル台半ばまで反落。自律反発では1040ドル台後半で上値が重く、NY引け後には1040ドル台前半へと軟調気味に。保ち合い下限1040ドル台半ばの攻防状態となり、このまま1040ドル台を維持できなくなれば二番底形成トライへ、6月安値1020ドル前後が下値目安に。反発方向へは1060ドルが抵抗線、これを超えると7月後半高値1090ドル台までを上値目標に反発局面形成へ。

ドル円・日足チャート 2021/6/30 - 8/3ドル円は29銭のドル安円高、0.27%の続落で5月25日(108.78)以来、2ヵ月ぶりの安値水準。前日NY市場でISM製造業景況指数の下振れをきっかけに保ち合い下限、109円40銭の節目を割り込んだことに伴う下値トライへの流れが継続。109円10銭台で下げ渋る状態が欧州時間まで続いたものの、NY時間には1.20%付近まで上昇していた米10年債利回りが1.17%割れへと急低下した流れにも連れ、一時108円80銭台まで急落。NY終盤にかけては109円台を回復も今朝の東京市場では再び109円割れ。為替としてはドル高円高傾向となり、雇用統計に対する警戒感というよりは、デルタ株などを含めてややリスク回避的な流れを警戒する様子も。いずれにしても短期下値目安108円前後を目指す軟調な流れ継続へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/3終値とチャート

4日の国内金価格は-20円、0.29%安で3日続落。7月1日(6894)以来、1ヵ月ぶりの安値。上昇軌道を維持する90日移動平均線(6943)を下抜け、わずか2日で9-21-90日の3本の移動平均線を下抜け、6940円の節目も下抜けて保ち合い崩れ。金売りと円買いの同時進行により雇用統計前に下押し圧力が強まり、軟調局面入り。目先は雇用指標のネガティブ・サプライズなどがなければ一段安の展開へ、当面の下値目標は6850円近辺まで。

プラチナ価格は-44円、1.09%の続落で6月安値(4034)を下回って二番底崩れ、2月1日(3987)以来半年ぶりの安値。過熱感を高めながらも保ち合い崩れが続いた軟調局面での一段安トライが継続。1月の保ち合い水準半ば、3980円近辺が下値目安。NYプラチナの一段安と円高同時進行なら若干の行き過ぎも警戒されるところ。
※参考:金プラチナ国内価格8/4とチャート

2021年8月4日(水)時点の相場
国内金6,938 円 8/4(水) ▼20(0.29%)
国内プラチナ4,004 円 8/4(水) ▼44(1.09%)
NY金1,814.1 ドル 8/3(火) ▼8.1(0.44%)
NYプラチナ1,046.9 ドル 8/3(火) ▼9.4(0.89%)
ドル円109.03 円 8/3(火) ▼0.29(0.27%)

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