金プラチナ短期相場観

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雇用統計上ブレで早期利下げ観測後退、NY金最高値トライも先送り

更新日:2023年5月6日(土)

米雇用統計・賃金上昇率(平均時給)前年比 2023年4月米4月雇用統計は予想外の上ブレ。ポジティブ・サプライズを受けてドル安基調が続いて軟調推移となっていたドル円は急反発。隙あらば最高値トライへ、の可能性もあったNY金は急反落。
NY金にとってのゴールデン・ウィークは、ビッグイベントが直前で突然中止となったような格好にも。

<4月雇用統計での主な好結果>
・雇用者数=前月比+25.3万人。市場予想の+18.5を大幅に上回り、3月(16.5=下方修正で2年3ヵ月ぶり低水準)からも急増。
・賃金上昇率=前年比+4.45%。市場予想+4.2%を上回り、1年9ヵ月ぶり低水準の3月(+4.30%)からも上昇。前月比+0.48%。市場予想+0.3%を上回り、1年1ヵ月ぶりの急騰。
・失業率=3.4%。市場予想3.6%を下回り、1月と並び1969年5月以来、53年8ヵ月ぶり低水準。
・U6失業率=6.6%。過去最低となった1月(6.5)に次ぐ低水準。
・黒人失業率=4.7%。3月(5.0)から一段と低下、2ヵ月連続過去最低更新。

<4月雇用統計で悪化した主な指標>
・雇用者数の伸び・年間平均=+28.5万人。前月時点の+34.5万人から大幅低下。※過去2ヵ月分が大幅下方修正。
・長期失業者の割合=20.5%。2ヵ月連続上昇で10ヵ月ぶり高水準。

雇用者数については4月分の大幅上ブレのインパクトが強かったものの、過去2ヵ月分の大幅下方修正を含めると増加ペースは大きく減速。
賃金上昇率は過去平均を大きく上回る水準での下げ渋りとなり、インフレ圧力高止まりへの警戒感も。
FOMC後には7月利下げスタートを5割以上織り込み始めていた状態から、3割台へと急減し、据え置き予想と逆転。
セントルイス連銀のブラード総裁がこの日、追加利上げの可能性も示唆するなど、目先は「利上げ」と「据え置き」、そして「利下げ」と三つ巴の攻防状態となって市場の思惑も錯綜、波乱要因は続きそうです。
NY金も高値圏での乱高下状態が続く限り、最高値トライの可能性は、先送りされただけ、の状況とも言えそうです。

NY金・日足チャート 2023/3/31 - 5/55日のNY金は-30.9ドル、1.5%安で4日ぶりの反落。下げ幅は今年の絶対値平均14.5ドルの2.1倍、今年5番めの大幅安。過去最高値付近で形成した前日の上ヒゲ長めの十字線が示唆したとおりの展開となり、やや勢い余ったような格好にも。アジア時間での2060ドル付近での小幅揉み合い状態からロンドン・NY朝にかけて2040ドル台へと軟調推移、雇用統計の好結果を受けて米10年債利回り急騰とドル高急進の流れを受けて2020ドル割れへと急落。安値では一時2010ドル割れもNY午後には2020ドル台を回復。横ばい推移の20日移動平均線(2014.7)にもサポートされ、下値サポート候補2020ドル近辺をなんとか維持した格好。目先は1990ドルから2060ドルまでが主要レンジとなり、その半ば付近から方向感模索状態で次週、4月CPI待ちへ。
週間ベースでは+25.7ドル、1.29%の続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2023/3/31 - 5/5NYプラチナは+18.0ドル、1.71%高で3日ぶりの反発。アジア時間には1060ドル手前では上値が重く、ロンドン序盤にかけて1040ドル台前半まで軟調推移。前日安値を下回らず、1060ドルの節目割れに伴う短期下値目安1040ドル近辺再トライを終えて切り返すと、雇用統計を受けてのNY金急落とその後の米株上昇の流れとの板挟みで乱高下もNY午後には1060ドル台後半へと反発。下値トライ一服も、ゆるやかな上昇軌道を維持する20日移動平均線(1073.6)には届かず。短期トレンド反転に向けては20日線上抜けが必須となり、1080ドルの節目も超えると一定の反発局面形成へ、1100ドルの大台回復が短期上値目標に。反落となって1050ドルの節目を維持できなくなると短期下落トレンド継続、1020ドル近辺までが下値目安に。
週間ベースでは-21.8ドル、2.0%の続落。

ドル円・日足チャート 2023/4/3 - 5/5ドル円は56銭のドル高円安、0.42%高となって4日ぶりの反発。134円を挟んでの小幅保ち合い推移から、NY朝には雇用統計のサプライズを受けて134円20銭台から135円10銭台へと1円弱の急騰。しかし135円台では戻り売り圧力も強く、急騰後の高値を超えることなくNY午後には135円割れ。それでも上昇軌道の20日移動平均線(134.42)超えを維持し、短期トレンド逆転は先送り。上昇トレンド維持に向けては135円台回復必須となり、20日線を維持できなくなれば調整局面入り、134円20銭の節目を割れると一定の下落局面形成へ、131円後半辺りまでが下値目安に。
週間ベースでは-145銭、1.06%安で4週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/5終値とチャート

2023年5月6日(土)時点の相場
国内金9,565 円 5/2(火) ▲31(0.33%)
国内プラチナ5,031 円 5/2(火) ▼24(0.47%)
NY金2,024.8 ドル 5/5(金) ▼30.9(1.50%)
NYプラチナ1,068.3 ドル 5/5(金) ▲18.0(1.71%)
ドル円134.83 円 5/5(金) ▲0.56(0.42%)

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