金プラチナ短期相場観

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トランプ関税効果で輸入急減、米4月貿易赤字は急縮小

更新日:2025年6月6日(金)

米貿易収支 2025年4月3月まで駆け込みで急増が続いていた輸入は4月に急減。
米4月の貿易収支は-616億ドル。赤字額は市場予想の-660億ドルを下回り、過去最大の赤字となっていた3月からは-55.5%。1992年2月(-59.0%)以来、33年2ヵ月ぶり、過去最大レベルの大幅縮小。
赤字額としては2023年9月(-595.7)以来、1年7ヵ月ぶりの低水準。トランプ関税効果が表れ、トランプ政権が意図したとおりの結果か。
輸出は2893.7億ドル。前月から+3.0%、3ヵ月連続で過去最高を更新。+3.0%は2022年4月以来、3年ぶりの大幅増。
報復関税による弊害は4月時点では限定的?
一方、輸入は3509.9億ドル。過去最高となった前月から-16.3%の急減、半年ぶりの低水準。-16.3%は1992年以降のデータで最大の急減。これまでの最大は2020年4月、コロナショック時の-12.3%。

国別のモノの貿易では中国からの輸入が-13.6%で253.8億ドル、輸出は81.9億ドルで28.5%減、いずれも2020年3月のコロナショック時以来、5年1ヵ月ぶりの低水準。
貿易収支は-171.9億ドルで前月から-4.1%、貿易赤字は3ヵ月連続の縮小で13カ月ぶりの水準へと縮小。
対中国に限れば報復関税による弊害のほうが上回った可能性も。

貿易赤字縮小でGDPに貢献、という意味ではトランプ関税の効果は4月時点で明確に表れてはいます。

NY金・日足+20日移動平均線 2025年6月5日5日のNY金は-24.1ドル、0.71%の反落。アジア時間には3400ドル台から3390ドル割れへと下押し後、ドル安基調となったロンドン市場にかけて3420ドル台へと上昇。高値では3420ドル台後半まで上昇し、5月7日(3448.2)以来1ヵ月ぶり高値をつけて失速するとNY市場では軟調推移。米中首脳電話会談による米中対立緩和への思惑が下押し圧力となり、一時3360ドル付近まで急落。しかし3370ドルの節目割れでは下げ渋り、NY午後には3370ドル台へと反発。米労働指標悪化やトランプ大統領とイーロン・マスクとの対立などがサポート材料となった反面、米中関係の動向が重石となり、3370ドルから3400ドルまでのレンジでの保ち合い継続。上抜けると最高値圏トライで3470ドル辺りまでを短期目標に上値トライへ、下抜けると3310ドル近辺までが短期調整目安。

NYプラチナ・日足+20日移動平均線 2025年6月5日NYプラチナは+46.5ドル、4.27%高で4日続伸。上昇率は今年の絶対値平均1.36%の3.1倍、今年3番めの急騰。終値ベースでは2023年高値となった4月21日(1138.7)以来、2年1ヵ月ぶりの高値。1090ドルの節目との攻防をロンドン序盤に抜け出して急騰。1130ドル台へと水準を切り上げて一服後、NY市場では一時1150ドル台まで上昇。高値では2023年最高値を上回り、2022年3月9日(1197.0)以来、3年3ヵ月ぶり高値をつけて一服。NY午後も1130ドル台後半を維持。1050ドルから1090ドルまでの高値保ち合い上方ブレイクに伴う短期上値目標1110ドル程度を突き抜けての一段高となり、短期的な行き過ぎの目安としては1160ドル台辺りまでが意識される可能性も。

USDJPY・日足+20日移動平均線 2025年6月5日ドル円は+86銭、0.60%の反発。米指標悪化で軟調推移となった前日の流れはこの日の東京朝に142円50銭台の安値をつけていったん下げ止まり。自律反発の流れで午後には143円回復トライ、欧州時間には一時143円40銭台まで上昇。NY市場では失業保険申請件数が予想より悪化したことで142円70銭台まで小幅に急落も、米中首脳による電話会談報道により貿易協議進展期待などにもつながってドル高をサポート、NY午後には一時144円手前まで上昇。米指標悪化が続いた状態で迎える雇用統計も、そこそこ低調な結果には耐性がついてしまった可能性も。142円半ばから144円までの保ち合いレンジを上抜けることができればドル安トレンド一服となる可能性、短期上値目標は146円半ば辺りまで。保ち合い下抜けならドル安トレンド継続で140円半ばを目安に一段安トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/5終値とチャート

6日の国内金価格は+20円、0.12%の反発。前日下落分を巻き戻し、1ヵ月ぶり高値圏で膠着状態に。雇用統計と週末を経て次週、少しづつ動き出す可能性も。上方向へと向かえば17000円の大台回復トライへ、下方向へは16870円程度までが浅めの調整目安にも。
週間ベースでは+229円、1.37%高で3週続伸。

プラチナ価格は+245円、4.55%高で3日続伸。2024年7月9日(5650)以来、11ヵ月ぶりの高値。上昇率は今年の絶対値平均1.05%の4.3倍、今年2番めの急騰。強気のパーフェクトオーダー再開後に急加速となり、5420円の節目上抜けに伴う短期上値目標5500円に到達してさらに一段高。短中期的にも5月高値(5418)から6月安値(5253)までの下落幅(165)の200%戻し(5583)を達成し、一服感も。
週間ベースでは+257円、4.78%高で8週続伸。8週続伸は少なくとも2009年以降の16年半では最長。
※参考:金プラチナ国内価格6/6とチャート

2025年6月6日(金)時点の相場
国内金16,958 円 6/6(金) ▲20(0.12%)
国内プラチナ5,631 円 6/6(金) ▲245(4.55%)
NY金3,375.1 ドル 6/5(木) ▼24.1(0.71%)
NYプラチナ1,136.5 ドル 6/5(木) ▲46.5(4.27%)
ドル円143.62 円 6/5(木) ▲0.86(0.60%)

6/5(木)のその他主要マーケット指標

低調なADPに対して雇用統計NFPは上振れ、4月に続いて5月も 6/7(土)

トランプ関税効果で輸入急減、米4月貿易赤字は急縮小 6/6(金)

ADPもISM非製造業も低調、インフレ圧力に利下げ圧力も 6/5(木)

求人件数は予想外に下げ渋り、求人倍率も節目1.0超を維持 6/4(水)

5月ISM製造業景況指数は半年ぶり、輸入は16年ぶり低水準 6/3(火)


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