PCEデフレーターはFRBの思惑「中期的に2%」に向けた分岐点へ
更新日:2016年02月02日(火)
原油安の長期化にともない、世界的低インフレが続く状況下では米国のインフレ率低迷もやむを得ないところですが、FRBの思惑としては頑として「中期的に2%」を譲らない態度を維持。声明文や主要メンバの発言にもしばしば「中期的に2%」のキーワードが盛り込まれます。
フィッシャーFRB議長は「低インフレは幾分長く続く可能性」を懸念しながらも「原油安によるインフレへの影響は解消しつつある」との見方を示し、インフレは「中期的に2%」に上昇するだろうと発言しています。
11月末に発表された
10月分のPCEデフレーターでは、上昇見通しなど、とても想像できないような低迷状態が続いていましたが、「中期的に2%」への確たる自信を示すように、半月後に初回利上げを決定しました。
そして1日に発表されたPCEデフレーターの12月分では、FRBの確たる自信を証明するように、上昇の兆しを示し始めているようにも見えます。
PCEは前年比+0.2%の底値から2カ月続伸となって+0.6%まで上昇、コアPCEは11月分が+1.3%から1.4%へと上方修正され、12月も1.4%。2014年前半以降のゆるやかな下落トレンド脱却に向けた分岐点に到達しています。
コアPCEは次月以降、現状維持でも右肩下がりの抵抗線を上抜けることになり、そうなれば、少なくともこれまでの低下ペースは脱却することになり、「中期的に2%」へ向かう流れに望みがつながることにはなりそうです。
1日のNY金相場は1.04%続伸で年初来高値を更新し、11月2日以来3カ月ぶりの高値水準に。原油安に株安ドル安局面では小幅に水準を切り上げる堅調な推移。1120ドル前後の揉み合い状態上抜けの兆しもあり、目先は1140ドル前後までさらに上値を伸ばす可能性も。ただし1110ドル台の節目を割り込むと1090ドル前後までの調整余地。
NYプラチナ相場は0.48%の反落。株高ドル高の流れが一服となるなか、堅調推移を続ける金には追随できず870ドル前後での小康状態に。やや上値が重くなってきた感もあり、860ドル台を割れると反落の流れで840ドル付近が下値目安に。抵抗水準880ドル台を明確に上抜けるような流れへと切り返すことが出来れば上昇トレンド再開も。
ドル円は0.06%の小幅安となり、5日ぶりの反落。円安の勢いは続かず、失速気味。日銀のサプライズがなければ上値メドはせいぜい120円前後だった状態からも行き過ぎ感も。
米ISM製造業景況指数は予想どおりの低調となったもののこれを引きずる気配はなく、週末の急反発水準を維持。国内ではマイナス金利の余波も広がり、銀行の預金金利引き下げの動きも早速見られ始め、不安感の高まりも。いったん調整後にゆるやかな円安基調継続も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/1終値とチャート
2日の国内金価格は0.73%の続伸。年初来高値更新で11月2日以来の高値水準に。1週間前、底値揉み合い状態から脱した時点で想定された
上値の第2目標4670円台も突破。追加目標水準4750円に向けての可能性も高まってきた様子。ただし、過熱感も高まり、円安基調も失速気味、NY金の上値も限定的となりそうな状況からすると、いったん減速も已む無しか。
国内プラチナ価格は0.55%の反落。円安サポートを期待しての大幅上昇見込みを裏切るように円安基調は失速。3800円を目指す流れ継続の可能性は維持、しかし前日の3640円を早々に超えられないようなら反落リスク再燃でシナリオ再考。
※参考:
金プラチナ国内価格2/2とチャート
2016年02月02日(火)時点の相場
国内金:4,697 円 2/2(火)
▲34(
0.73%)
国内プラチナ:3,620 円 2/2(火)
▼20(
0.55%)
NY金:1,128.0 ドル 2/1(月)
▲11.6(
1.04%)
NYプラチナ:870.1 ドル 2/1(月)
▼4.2(
0.48%)
ドル円:120.97 円 2/1(月)
▼0.07(
0.06%)
2/1(月)のその他主要マーケット指標
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