日本では、シャットダウン(Shut-Down)と言うと、一般的にはコンピュータなどのシステムを終了させることを指します。英語では、店や工場などが休業することなどの意味もあります。
2013年10月1日の午前零時以降、米国の連邦政府機関の一部が閉鎖に追い込まれた時にも、その前後でシャットダウン(Shut-Down)という言葉が頻繁に使われました。文字通り、政府機関の運営を休業、閉鎖することを指します。
なお、閉鎖された理由は、10月から始まる新会計年度の暫定予算が議会で成立しなかったことです。上院多数派の与党・民主党と下院多数派の野党・共和党という、ねじれの構図により、しばしば紛糾する連邦議会は、この時も共和党側が暫定予算承認と引替えに、オバマケアと呼ばれる医療保険改革の導入延期を主張。譲らない両者の平行線が続き、期限となる10月1日午前零時を過ぎても予算が成立せず、17年ぶりとなるシャットダウンが決定。
国防総省の軍人や司法省のFBI捜査員、運輸省の公共交通機関関連などの最重要部門を除き、影響が比較的少ない部門は自宅待機となりました。
これにより、NASAのほとんどや国立公園などがその対象となり、自由の女神やなどにも「IMPORTANT Government Shut-Down」と書かれた看板が立てられました。
4日の金曜日には、毎月月初の最大イベントとなる、米労働省発表の雇用統計も延期され、テーパリング(QE3縮小)開始に向けた重要判断材料も先送り、オバマ大統領はシャットダウン解除のメドが立たない為に予定していた5日からの東南アジア訪問を取りやめ、TPP首脳会合も欠席。
シャットダウン状態が1週間続けば、四半期のGDPが年率0.12%削られる、との見方もあります。2週間続けば0.3%押し下げ、3週間なら0.5%などとも言われます。
10月中旬と言われる連邦債務上限引き上げの期限も迫るなか、政府機関の一部閉鎖状態が長引くようなら、米国経済もシャットダウンしかねません。
以上2013年10月4日
以下、2013年10月17日追記
米上下院はNY時間16日深夜、連邦債務上限の引き上げ法案と政府機関再開のための暫定予算案を可決。デフォルトは瀬戸際で回避され、一部閉鎖された政府機関も17日から再開。
最終更新:2013年10月17日