金プラチナ短期相場観

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ユーロ危機から1年、ユーロ圏の格付けにも変動

更新日:2013年11月30日(土)

この週末に、ユーロ圏の国債格付けの見直しが複数行われました。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によりオランダの最上級格付け「AAA」が剥奪。これで格付け主要3社全てから「AAA」相当の最上級格付けを付与されたユーロ圏の国は、フィンランド、ドイツ、ルクセンブルクの3ヶ国のみに。見通しも全て「安定的」とされるのはフィンランドのみ。S&Pは今月8日にもフランスの格付けを「AA+」から「AA」へと引き下げています。

ユーロ圏北部の格付け下方見直しに対して、南欧の債務危機経験国では上方見直しされています。
S&Pはスペインの見通しを「ネガティブ」から「安定的」へ、キプロスの「CCC+」は「B-」へと格上げし、さらにムーディーズもギリシャの「C」を「Caa3」(CCC-相当)へと引き上げました。ムーディーズは8日にもポルトガルの見通しを「ネガティブ」から「安定的」へと引き上げています。
また、フィッチも今月1日にはスペインの見通しを「安定的」へと見直ししています。
ユーロ危機が小康状態となって1年、実質財政破綻を招いた国々の財政再建などが少しづつ進んでいることが評価されたようです。

昨日発表されたユーロ圏の失業率も3年ぶりに改善し、低インフレが懸念されるCPIも前年比0.9%上昇と予想以上の伸びを示しました。
次週のECB理事会では、噂されたマイナス金利やLTRO第3弾などの追加緩和策は見送りの公算大のようです。
しかし、ギリシャやスペインの失業率は依然25%以上の状態が続き、トロイカ(EU,ECB,IMF)が来週のギリシャ訪問を中止とも伝えられます。
トロイカの判断では、ギリシャの財政再建に向けた改革不十分、ということのようです。

NY金・週足チャート 2013/7/15 - 11/25感謝祭翌日の金曜日、NY市場は連休中日の短縮取引で閑散、その隙に金相場は1.03%の反発。しかし1週間上値を押さえられ続ける1,250ドル台がこの日もレジスタンスに。年末商戦がスタートし、消費が活気づく米国では実質4連休明けとなる週明けから金融市場の取引も活発化。月初の重要指標やイベントをきっかけに少々のレジスタンスは軽く突破してしまう可能性も十分。ただし現状では1,200ドル近辺までの下落リスクも残存。
週間ベースでは+6.5ドル(+0.52%)の反発。月間では-73.1ドル(-5.52%)の大幅下落で3ヶ月続落。

NYプラチナ・週足チャート 2013/7/15 - 11/25プラチナ相場も1.19%上昇し、7日ぶりの反発。10月安値圏の1,370ドル台まで上昇してやや押し戻された形。単なる売られ過ぎからの反発、の域を超える為には、まずは1,370-1,400ドルの10月前半の揉み合いレンジまで戻す必要あり。
週間では-13.9ドル(-1.01%)で5週続落。月間では-79.6ドル(-5.5%)の大幅反落。

ドル円は0.12%上昇の3日続伸。堅調推移が続き、水曜日に102円台に到達して以降は小動きながら下値は102円ちょうど付近で支えられ、上値では5月23日以来の高値水準となる102円60銭台まで上昇。やや一方的な上昇が続く印象はあるものの、買われ過ぎ圏には一歩手前、ユーロ円やポンド円などと比較するとオシレータ系指標の数値も高過ぎではない状況。目先の目標水準は102円90銭付近。次週には今年高値5月23日の103円70銭台も意識される展開も。
週間ベースでは+1.17円(+1.16%)で5週続伸。月間では+4.08円(+4.15%)の大幅上昇で4ヶ月続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円11/27 NY市場終値とチャート

2013年11月30日(土)時点の相場
国内金4,257 円 11/29(金) ▲17(0.40%)
国内プラチナ4,640 円 11/29(金) ▲3(0.06%)
NY金1,250.6 ドル 11/29(金) ▲12.8(1.03%)
NYプラチナ1,368.8 ドル 11/29(金) ▲16.1(1.19%)
ドル円102.43 円 11/29(金) ▲0.12(0.12%)

11/29(金)のその他主要マーケット指標

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