金プラチナ短期相場観
イエレン証言で緩和縮小ペース変更の可能性なら金相場は一段高
更新日:2014年2月11日(火)
本日深夜に予定されるイエレンFRB議長の議会証言に注目が集まっています。日本時間22時30分には証言原稿が公表され、議会証言は24時開始。
先週末の雇用統計での弱めの内容を受けて、ハト派色の強いイエレン議長はテーパリングペースについても慎重姿勢を示唆しないとも限らない、という見方も一部にはあるようです。
フォワードガイダンスでは、「失業率が6.5%を下回ってもインフレ見通しが2%を下回る限りゼロ金利継続」の方針を示してはいますが、「失業率6.5%」という従来からの指針に対して既に6.6%まで低下した現状、この指針の水準到達は時間の問題。指針の持つ意味も曖昧となり、市場への誤解も招きかねないという懸念から、最適コントロールを標榜するイエレン議長としては、この数値を変更、または表現の変更の可能性は十分に考えられそうです。
緩和縮小ペースが変わらないと仮定すると今年後半には終了見込みとなります。しかし、ゼロ金利はもうしばらく継続見込みであること、「利上げはまだ先」という認識を市場と共有するための、何らかのアクションが見られる可能性はあるのかもしれません。
利上げ時期の先送り観測や、緩和縮小ペース減速観測が浮上するようなら、金相場は短期的には一段高の可能性もありそうです。
週明けのNY市場、金相場は0.93%上昇し4営業日続伸。終値では3ヶ月ぶりの1,270ドル台に到達し、11月15日以来の高値水準。ただし高値では1月27日の1,279.8ドルを超えられず、この水準での上値の重さも気になるところ。とはいえ重要な節目となっていた1,260ドル台を突破したことで上方向への視界が開けた形。90日移動平均線を上抜けるのも10月31日以来3ヶ月ぶり。目先の上値目標水準は1,300ドル近辺。サポートラインは1,240ドル台。
プラチナ相場も0.49%続伸。1月後半の急落局面にようやく区切りをつけ、1,370ドル台に節目を形成、ここから反発か保ち合いか、新たな展開へ。底値圏からの反発を示唆するようなチャート形状となりつつあり、1,380ドル台の軽めのレジスタンスをこなせば1,400ドル超えまで反発継続の可能性。ただし、重要な節目となりつつある1,370ドルのサポートライン割れなら大幅下落のリスクも。
ドル円は0.11%の小幅反落。前週末土曜明け方までのジリ高の流れを継続した月曜朝は円安方向への窓開けスタート。しかし株高の流れに追随するような流れに勢いはなく、朝の102円60銭台がこの日の高値、雇用統計下振れの余波と米経済減速への不透明感などを背景にジリ安の展開、午前中のうちに窓を締めるとNY時間には一瞬102円割れまで下落。しかし、本日深夜のイエレン米FRB議長の議会証言への警戒感もあり102円台前半での小動きに。100.90-103円のレンジ内での様子見相場継続。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/10終値とチャート
- 2014年2月11日(火)時点の相場
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国内金 : 4,350 円 2/10(月) ▲49(1.14%) 国内プラチナ : 4,713 円 2/10(月) ▲35(0.75%) NY金 : 1,274.7 ドル 2/10(月) ▲11.8(0.93%) NYプラチナ : 1,385.9 ドル 2/10(月) ▲6.7(0.49%) ドル円 : 102.26 円 2/10(月) ▼0.11(0.11%)
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