金プラチナ短期相場観

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「失業率は雇用状況の完全な指標ではない」byイエレン

更新日:2014年2月12日(水)

注目されたイエレンFRB議長の初となる議会証言では、概ね予想通りの内容となり、バーナンキ路線の継続を明確にした形。米経済は力強さを増しているが、雇用情勢はそれほどでもないとの発言もあり、12月、1月の雇用統計には「驚き」と率直な表現も。
また、「失業率は雇用状況の完全な指標ではない」とし、このところの失業率の低下が労働参加率の低下によるものであることを改めて示し、その指標の重要性にも疑問符を投げかけたようにも。ただ、フォワードガイダンスでの失業率の目安6.5%については現時点ではそのまま。この問題は次回FOMCでも注目されることに。

米国では、求職活動を諦めて労働市場から撤退する人が増えることで失業者数が減少、当然分母となる対象者数からも差し引かれることになります。7/100で7%だったものが、6/99になって6%へと低下する、という現象が米国の現状のようです。
失業率の数値自体は、各国で基準や算出方法が異なるようで、単純比較することはできませんが、欧州などに比べてもその数値は相対的に低く、雇用者数自体も波はあるものの増加し続けており、決して悪い状況ではないことだけは確かです。

昨日発表された、南アフリカの10-12月期の失業率は24.1%。前期の24.5%からは改善していますが、ギリシャなどと並び主要国のなかでは最高水準。
イエレン氏が言うように「完全な指標」ではないものの、4人中1人が失業者、という状況では、なかなか景気回復にもつながりそうにはありません。
南アランド安が継続している理由のひとつにもなっています。
そして、対ドルでの南アランド安が、プラチナ相場が上昇しない原因のひとつとなっています。

NY金・日足チャート 2014/1/14 - 2/11NY市場、金相場は1.18%上昇。5日続伸で11月7日以来となる高値水準に到達。何度も上値トライに失敗していた1,280ドルラインを午前中のうちに突破すると、イエレンFRB議長の議会証言原稿が公表された22時30分には1,270ドル台へと急落。しかし、議会証言開始とともに反発すると1時1,294ドルまで上昇。QE縮小継続は売り、しかし経済状況次第で停止や拡大の可能性も含めてそのペースは変わりうること、当面の低金利継続見込みなどが買い材料となることを確認するような展開。上値目標水準1,300ドルを目指す流れが継続。1,240ドルがサポートライン。

NYプラチナ・日足チャート 2014/1/14 - 2/11プラチナ相場は0.14%の小幅3日続伸。堅調推移が続く金相場に追随し切れず、終値では1,380ドル台後半、高値では1,390ドル台がレジスタンスとなる状況が継続。金との価格差は10月10日以来の2桁となる98ドルに縮小。流れはまだ下方向優勢ながらも、1,380ドル台の節目超えなら1,400ドル台まで上値余地拡大。サポートラインは1,370ドル。

ドル円は0.37%の反発。テーパリング継続の基本方針が変わらないことには好感した形で102円台前半から後半へと水準を切り上げたものの、米経済への不透明感も残り、上値も限定的。アベノミクス期待の剥落もささやかれ、相関関係の強い日経平均の停滞ぶりもドル円のマイナス材料。しかし水曜日だけは年初から負けなし5連勝、12月18日から7連勝中の日経平均の持ち直しにも期待。100.90-103円のレンジ内上限付近に向けて流れも好転間近の可能性。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/11終値とチャート

国内金価格は1.38%の大幅上昇で4営業日続伸。年初来高値を更新し、10月末以来3ヶ月半ぶりの高値水準まで急騰。ただし、この水準は10月後半にも上値を押さえられた鬼門。4,370円の節目を超えたことで目先の上値余地は4,460円近辺まで拡大。鬼門突破で順調に上値を伸ばすことができればもう一段の上昇の可能性も。サポートラインは4,260円。

プラチナは小幅続伸。やはり90日移動平均に上値を押さえられた形で反発力の弱さが目立つ状況。4,660円のサポートラインを底値としてレンジを形成しつつ、下押し圧力の低下を待つ展開か。
※参考:金プラチナ国内価格2/12とチャート

2014年2月12日(水)時点の相場
国内金4,410 円 2/12(水) ▲60(1.38%)
国内プラチナ4,730 円 2/12(水) ▲17(0.36%)
NY金1,289.8 ドル 2/11(火) ▲15.1(1.18%)
NYプラチナ1,387.8 ドル 2/11(火) ▲1.9(0.14%)
ドル円102.63 円 2/11(火) ▲0.37(0.37%)

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