金プラチナ短期相場観
雇用指標の回復傾向は歴史的水準へ、プラチナ相場も歴史的水準へ
更新日:2014年10月4日(土)
若干のプラス傾向は予想されていた米9月分の雇用統計は、かなりポジティブな結果となりました。
失業率は5.9%へと市場予想の6.1%を下回り、さらに6%を割り込んで2008年7月以来6年2カ月ぶりの低水準へ。
非農業部門雇用者数(NFP)も前月比+24.8万人と、市場予想の+21.5万人を上回り6月以来の大幅な伸びを示し、過去2ヶ月分も合計+6.9万人の上方修正。この結果NFPの年間トータルの今年の平均値は+22.7万人へと上昇し、過去10年での最大値をさらに更新。
その他詳細指標では、
労働参加率:62.7%。過去最低の62.8%から0.1ポイント低下。(悪化)
長期失業者の割合:31.9%。前月の31.2%から0.7ポイントの増加(悪化)。
広義の失業率(U6失業率):11.8%。2008年10月以来ほぼ6年ぶりの低水準に低下。(改善)
平均時給:24.53ドル(前年同月比+1.95%)。前月の24.54(前年比+2.12%)からはわずかに低下。しかし前年比+2%近辺での横ばい推移のトレンドを維持する状況。(横ばい)
ペントアップ賃金デフレの状態も継続中。
強弱入り交じる結果とはなったものの、やはり失業率が予想以上に順調な低下となり、雇用者数の伸びが堅調推移状態に戻ったことのインパクトが強く、利上げ前倒し観測も浮上し始めています。
雇用指標のいくつかが、2008年以来となる歴史的水準へと回復傾向を示したことで、ドル円相場も2008年以来のドル高水準を更新し続けています。
その結果、金相場は2010年以来の水準へ、プラチナ相場は2009年以来となる水準へ、いずれも歴史的な安値水準へと安値更新が続きます。
3日のNY市場、金相場は1.83%の大幅安。雇用統計のポジティブ・サプライズを受けて鍋底レンジの底割れ、下値メドとなっていた1,200ドル前後にも完全到達。終値ベースでは昨年安値、12月19日の1,193.6ドルをわずかに下回り、2010年8月以来4年2カ月ぶりの安値水準へ。達成感による下げ止まりの可能性と、ドル高の流れが再び強まることによる下押し圧力とのせめぎあいへ。上方向への抵抗線は1,220ドル台。下方向へは警戒水準として昨年最安値、6月28日安値1,179.4ドル近辺が意識される。
週間ベースでは-22.5ドル(-1.85%)、5週続落。
プラチナ相場は3.4%の大幅下落。昨年6月26日の3.47%下落以来となる大幅下落で、セリング・クライマックスとなり得る急落。水準としては2009年9月以来5年1カ月ぶりとなる1,220ドル台に到達し、リーマンショック後の安値2008年11月の781.5ドルから2011年8月の1,905.7ドルまでの上昇値幅に対する61.8%戻しライン1,210ドル近辺も目前の状態に。1,400をドル割れて以降、値頃感から安易に飛びついた買いポジションが根こそぎストップハンティングに持って行かれたような状況。買い越しポジションがもう少し減少すれば相場に落ち着きも。
週間ベースでは-76ドル(-5.84%)の大幅下落となり、5週続落。
ドル円は1.24%の大幅反発。雇用統計上振れを期待していたかのように発表前までに109円付近へと水準を切り上げると、ポジティブな結果に50銭以上の急騰、その後も堅調推移。ただし上値は109円90銭台までにとどまり、110円の大台には届かず。調整局面の流れが完全に反転したとは言い切れない状況ながら、終値では2008年8月22日以来となる高値水準となり、円安方向へのレジスタンス109円70銭をわずかに突破。行き過ぎによる反落の可能性も残しつつ、ドル高円安方向へと向かうなら、目標水準は110円70銭近辺。当面のサポートラインは108円40銭。
週間ベースでは+0.47円(+0.43%)で8週続伸。長い下ヒゲを残し、ドル高円安再開を示唆するような足型に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/3終値とチャート
- 2014年10月4日(土)時点の相場
-
国内金 : 4,538 円 10/3(金) ▼21(0.46%) 国内プラチナ : 4,711 円 10/3(金) ▼105(2.18%) NY金 : 1,192.9 ドル 10/3(金) ▼22.2(1.83%) NYプラチナ : 1,226.0 ドル 10/3(金) ▼43.1(3.40%) ドル円 : 109.76 円 10/3(金) ▲1.34(1.24%)
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