金プラチナ短期相場観

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雇用統計もADPも3月速報値は3年連続で市場予想を下回っていたが

更新日:2016年3月31日(木)

米3月の雇用統計で、非農業部門雇用者数(NFP)の前月比増減数は、発表値(速報値)では事前の市場予想を下回る結果となるケースが目立ちます。
2015年3月分は前月比+24.5万人の予想に対して+12.6万人と予想を大幅に下回る結果に。
2014年3月は事前予想+20万人、結果は+19.2万人と小幅に下振れ。
2013年3月分でも市場予想は+19万人、結果は+8.8万人と大幅下振れ。予想に対する下振れは3年連続中。

この傾向はADP雇用レポートでも同様。
2015年3月は+22.5万人の予想に対して+18.9万人。
2014年3月も予想の+19.5万人に対して、+19.1万人と小幅に下振れ。
2013年3月も+20万人予想に、結果は+15.8万人。

やはり3年連続で予想を下回ってきましたが、今年ようやくこのアノマリーを打ち破り、+19.5万人予想に対して+20万人と小幅ながらも上振れ。
過去3年間では、いずれも20万人程度の予想に対して、20万人には全く届かない状態が続いたのに対し、今回始めて速報値で20万人の大台に達しています。

3月という季節柄、冬場の悪天候などの影響も緩和され、労働市場も回復傾向へと向いやすい時期にあり、市場予想もそれを織り込むものの、結果的にはそこまで回復傾向が追いつかない、というケースがほとんどだったということになります。
雇用統計NFPの過去の月別平均でも、冬場は2月に底をつけて3月から4月にかけて回復傾向が見られます。

今年3月には各地区連銀の製造業景況指数などの底入れ、反発傾向も目立ち、失業保険申請件数も42年ぶり低水準となる好調を維持していることなどの好材料もあります。

今回の雇用統計NFPの事前予想は+20.5万人程度。過去の経験を活かしたように控えめな予想値となっており、ADPと同様に予想を多少上回る程度の好結果となる可能性は十分ありそうです。

NY金・日足チャート 2016/2/29 - 3/3030日のNY金相場は0.72%の反落。前日のイエレン議長のハト派発言を受けての急騰後の堅調推移は東京市場までで失速。欧州時間以降はその流れが逆に加速してイエレン・ラリーとなった欧米株高の流れに金は利益確定売り優勢の展開となって下落、前日の半値戻し。ADP雇用の上振れ、シカゴ連銀エバンス総裁の「年2回の利上げを正当化」発言なども売り材料に。徐々に上値を切り下げる軟調推移が継続中。目先はサポートライン化しつつある1220ドルを割り込むと1190ドル前後までの急落も予想され、上方向には1240ドルが節目となり、超えることが出来たなら1270ドル台までの上値トライも。

NYプラチナ・日足チャート 2016/2/29 - 3/30NYプラチナ相場はわずかに0.09%の小反落。金の反落基調には追随せず、株高の流れに追随する形で1週間ぶり高値となる977ドルまで上値を伸ばした後は、原油の反落に株価も失速、金も一段安となったNY市場序盤にはさすがにプラチナも失速、10ドル超の上げ幅を削る形に。940ドルから1000ドルまでの広めのレンジ内で方向感喪失気味の状態に。やはり上値はやや重く、下方ブレイクで920ドル前後を試す展開も。

ドル円・日足チャート 2016/3/1 - 3/30ドル円は0.23%の小幅ドル安円高で続落。イエレン・ショックを引きずる東京市場では112円ちょうどまでで耐える底堅さも見せてゆるやかな反発基調へ。ADP雇用の好結果には112円60銭台と上値も限定的。2週間前のFOMC直後につけた安値110円60銭台からの反発基調は、その後の方向性のブレをイエレン議長が2週間前の基本方針に立ち返らせたことによって終息してしまった形。円高圧力もやや緩和された状態で方向感なく、素直に雇用統計に反応する展開へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/30終値とチャート

31日の国内金価格は1.23%の大幅反落。NY金の反落と円高が重なる不運で2日間の上げ幅の大半を削り、先週末の水準へと逆戻り。9日移動平均線に上値を押さえられる形で短期下落トレンドが継続。4800円に切り下げた上方向への節目を突破できれば4860円辺りまでの反発も見込まれ、4720円を下回ると下落トレンド続行で4670円台辺りまで下値を切り下げる可能性。
月間ベースでは-40円(0.84%)となって3カ月ぶりの小反落。

国内プラチナ価格は0.27%の小幅安で3日ぶりの反落。21日移動平均線をデッドクロスした9日移動平均線を超えられず、ゆるやかな短期下落基調も継続。わずかながら90日移動平均線は上向き始めており、9日移動平均線が再度21日移動平均線を上抜ける状態となれば地合い好転へ。そのためにはいったん頭打ちとなった3750円の水準を大きく超える必要。
月間ベースでは+150円(4.18%)となり、大幅続伸で堅調を維持。
※参考:金プラチナ国内価格3/31とチャート

2016年3月31日(木)時点の相場
国内金4,742 円 3/31(木) ▼59(1.23%)
国内プラチナ3,739 円 3/31(木) ▼10(0.27%)
NY金1,226.9 ドル 3/30(水) ▼8.9(0.72%)
NYプラチナ964.3 ドル 3/30(水) ▼0.9(0.09%)
ドル円112.42 円 3/30(水) ▼0.26(0.23%)

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