金プラチナ短期相場観

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失業率は48年ぶり低水準でも賃金上昇率は加速せず

更新日:2018年10月6日(土)

米雇用統計・平均時給と賃金上昇率 2018年9月強弱入り交じる結果(という印象)となった9月の米雇用統計。
非農業部門雇用者数は市場予想を5万人超も下回る前月比+13.4万人。昨年9月(前月比+1.4万人)以来1年ぶりの低水準となり、ネガティブ・サプライズとも言える予想外の下振れ。ただし、ハリケーンの影響などもあった模様で、8月と7月は合わせて8.7万人の上方修正も。その結果、年間平均では前月時点の+20.7万人から+20.8万人とわずかに増加しています。

そして、失業率は8月の3.9%から9月は3.7%へと一段と低下。1969年12月の3.5%以来48年9カ月ぶり、ほぼ半世紀ぶりの低水準。9月FOMCでの2018年末予想中央値に早くも到達しています。2019-20年の3.5%にもいよいよ現実味が帯びてくると同時に、底打ち警戒感も高まり始めます。

U6失業率は17年4カ月ぶり低水準となった8月の7.4%から9月は7.5%へと上昇。労働参加率は62.7%で横ばい推移。
長期失業者の割合は22.9%となり、8月の21.5%からは上昇。5月には19.4%まで低下し、2008年7月(18.9%)以来9年10カ月ぶりの低水準となっていましたが、その後は反発。既に底打ちの可能性も警戒される状況となっています。

注目された平均時給は9月に27.24ドルとなり、前年同月比では+2.75%。切り上げて+2.8%は市場予想どおりの結果も、厳密には4月の+2.64%以来、5カ月ぶりの低水準へと減速しています。ただし3カ月平均で見れば+2.81%で8月の+2.82%からは僅かな低下、9年ぶり高水準でほぼ横ばい推移の状態。
賃金上昇率としては8月に+2.92%と9年3カ月ぶりの高水準となり、3%台に向けて加速の兆しとなっていましたが、この勢いは続かず。
NY連銀のウィリアムズ総裁も「インフレ圧力は見られない」と市場の安心感を誘いますが、失業率が半世紀ぶりの低水準となっても「賃金上昇率が加速しない」謎は解けないまま。

トータル的には今回の雇用統計は好結果と言える内容ですが、米長期金利は上昇基調を維持し、ドル高と株高は調整となり、VIX指数も1カ月ぶりの高水準へとやや警戒感を強める状況となっています。

NY金・日足チャート 2018/8/31 - 10/55日のNY金相場は+4.0ドル、0.33%の反発。1200ドル台前半での揉み合い推移から1200ドル台半ばへと若干水準を切り上げて迎えた米雇用統計では、強弱入り交じる結果に乱高下の反応も1203ドルから1210ドル手前までと限定的。米10年債利回りは7年5カ月ぶり高水準で3.2%台へと一段と上昇も米ドルはやや売り優勢となり、NY金は1200ドル台半ばから後半へとわずかに堅調推移の兆しを残して週末。3日連続で下値は1200ドル、上値は4日連続1210ドル近辺、50日移動平均線(1206.5)に上値を押さえられる状態も続いて値幅も縮小。ドル高調整の動きが続けば上方向への動き出しで1210ドルを超えると上値目標は1220ドル台まで。下方向には1190ドルラインが重要なサポートにもなり、割り込むようだと今年安値圏11160ドル台再トライへ。
週間ベースでは+9.4ドル(0.79%)の反発。騰落値幅が10ドルを下回るのは6週連続。

NYプラチナ・日足チャート 2018/8/31 - 10/5NYプラチナ相場は前日から変わらず。820ドル台後半での保ち合い推移から、米雇用統計には830ドル台半ばまで上昇して820ドル台前半へと反落。2日連続で上方向へ行って来いの展開となり、比較的堅調に推移してきた反発優勢の流れも終盤に差し掛かってきた様子も。9月と10月高値840ドルでダブルトップ形成の可能性もあり、このまま高値更新できずにネックラインとなる810ドルから9月末安値806ドルを割れた場合にはダブルトップ完成で770ドル台が下値目標に。840ドルの高値更新なら上昇トレンド継続で870ドル台までが次の上値目標に。
週間ベースでは+2.1ドル(0.26%)で小反発。

ドル円・日足チャート 2018/9/3 - 10/5ドル円は20銭超のドル安円高となって続落。前日の114円割れから伸び悩み、東京市場朝には五十日の買いで一時114円10銭近辺まで上昇したのがこの日の高値となり、113円台後半での揉み合い推移で欧州時間を経て、米雇用統計には113円90銭台から70銭台へと小幅に急反落後には切り返して114円台へと急反発も一時的。その後はジリ安の展開となって今週安値113円50銭台まで水準を切り下げ、しかしこの水準ではサポートされ、米株の下げ渋りとともに小反発。米長期金利上昇に伴う株安の流れでリスク回避的な流れにもなりつつあり、次週113円台半ばの水準を維持できなくなれば調整局面拡大で112円半ばから前半辺りまでが次の下値目安に。逆に切り返して114円半ばの高値更新となれば上値トライ再開で116円近辺を目指す流れにも。
前週末からはほぼ変わらず、わずかに-0.01円で4週ぶりの小反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/5終値とチャート

2018年10月6日(土)時点の相場
国内金4,702 円 10/5(金) ▼18(0.38%)
国内プラチナ3,236 円 10/5(金) ▼13(0.40%)
NY金1,205.6 ドル 10/5(金) ▲4.0(0.33%)
NYプラチナ824.5 ドル 10/5(金) +-0.0(0.00%)
ドル円113.69 円 10/5(金) ▼0.22(0.19%)

10/5(金)のその他主要マーケット指標

米長期金利上昇で警戒感高まる金市場 10/9(火)

失業率は48年ぶり低水準でも賃金上昇率は加速せず 10/6(土)

米8月製造業受注は前月比+2.3%で11カ月ぶりの伸び率も 10/5(金)

貿易戦争懸念にも9月ISM非製造業景況指数は21年ぶり高水準 10/4(木)

EU対イタリア、ユーロコイン指数とイタコイン 10/3(水)


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