金プラチナ短期相場観

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貿易戦争懸念にも9月ISM非製造業景況指数は21年ぶり高水準

更新日:2018年10月4日(木)

ISM非製造業景況指数と製造業景況指数 2018年9月米9月のISM非製造業景況指数は市場予想の58.0を大幅に上回る61.6。11カ月ぶり低水準となった7月の55.7からは2カ月連続の急騰。公式集計開始の2008年以降では最高水準、それ以前では1997年8月(62.0)以来21年ぶりの高水準。
ポジティブ・サプライズとなって米長期金利上昇とドル高のきっかけとなりました。

内訳では事業活動指数が65.2となり、9年2カ月連続で50超の拡大基調を維持し、2004年1月以来14年8カ月ぶりの高水準。
雇用指数は8月の56.7から9月は62.4へと急騰し、過去最高。なお、雇用指数はISM製造業景況指数でも7カ月ぶり高水準へと上昇しており、9月雇用統計での好結果も予想されます。
新規受注や価格指数なども3-4カ月ぶりの高水準へと上昇し、価格は31カ月連続の値上がり。

キャパシティ、物流、世界貿易の不確実性への懸念は残っているものの、非製造業17業種で9月は景況感低下が見られなかったと報告されています。
アンケートでは、
「鉄鋼、合板、その他の木材の輸入関税は価格を高騰させており、競争圧力により価格転嫁しにくい」、「労働力やトラック不足が業界に影響」などが卸売業で指摘され、
建設業では「新築住宅建設市場は依然として良好、受注残も良好。ただし労働者不足や資材に対する関税は、引き続き損益に負の影響」との声も。
鉱業では「少なくとも2018年の間、関税への懸念は縮小」との回答も。

労働市場の引き締まり状態が続くなか、関税の影響は一部にはあるもののそれほど大きくはなく、むしろ楽観的な見方もあります。
今のところ、貿易戦争激化懸念による米国の実体経済への影響は、極めて限定的にとどまっているようです。

NY金・日足チャート 2018/8/29 - 10/33日のNY金相場は-4.1ドル、0.34%の反落。前日時間外にはイタリア予算問題への警戒感後退から東京午前の時間帯に1210ドル台まで上昇もこれが高値となって反落の流れに。NY市場では米9月ADP雇用者数が予想を大幅に上回り、ISM非製造業景況指数のポジティブ・サプライズ、パウエルFRB議長の「中立金利を超える可能性」発言などもあり、米10年債利回りはおよそ7年ぶりに3.1%台へと急騰し、ドル高の流れも急進。NY金はまたも50日移動平均線(1207.5)に上値を押さえられる形となったものの1200ドル台を維持して下げ渋る様子も。引き続き短期的には1220ドル付近までは上値を伸ばす可能性もあり、1190ドルが重要な下値サポート水準。

NYプラチナ・日足チャート 2018/8/29 - 10/3NYプラチナ相場は+2.2ドル、0.26%の小幅高となり4日続伸。8月3日(836.9)以来、2カ月ぶりの高値水準。NY午前には一時840ドルまで上昇も、金の軟調推移に引っ張られる展開となってNY引け後には830ドル割れ。短期的には860ドル近辺を目標に上値トライ進行の可能性はあるものの、9月高値839.1ドルとこの日の高値でダブルトップ形成の可能性を残して反落気味となっており、この水準を超えられるかどうかが目先の攻防ラインに。

ドル円・日足チャート 2018/8/30 - 10/3ドル円は80銭のドル高円安となって反発。昨年3月14日(114.75)以来、1年7カ月ぶりのドル高円安水準に。113円80銭台での小康状態となっていたNY市場では、ADP雇用の好結果にはそれほど反応はなかったものの、ISM非製造業景況指数の想定外の上振れを受けて急速に買われる展開に。これまで何度も跳ね返されていた114円00銭台を上抜けると堅調な流れが続き、パウエルFRB議長発言を受けて米長期金利急騰とともに114円50銭台まで上昇。今朝の東京市場ではやや一服感も、短期的には昨年11月高値114円70銭台辺りまでもう少しの上昇余地も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/3終値とチャート

4日の国内金価格は-5円、0.11%の小幅安で4日ぶりの反落。4月高値から8月安値までの半値戻し(4724)達成とともに一服感、という状態も上値目標4750円近辺までもう少しの上昇余地は継続。下値は目先、90日移動平均線(4714)にサポートされるかどうか、これを下抜けると9日移動平均線(4672)辺りまでは調整局面進行も。

プラチナ価格は-9円、0.28%安で4日ぶりの反落。下げ止まりつつある90日移動平均線(3196)を上抜けた9日移動平均線(3217)にサポートされる形での堅調推移は続いており、このラインが上昇してくることになる3220円台までの調整なら上昇トレンド維持。上値目標3270円近辺に向けた流れも継続。
※参考:金プラチナ国内価格10/4とチャート

2018年10月4日(木)時点の相場
国内金4,720 円 10/4(木) ▼5(0.11%)
国内プラチナ3,249 円 10/4(木) ▼9(0.28%)
NY金1,202.9 ドル 10/3(水) ▼4.1(0.34%)
NYプラチナ835.7 ドル 10/3(水) ▲2.2(0.26%)
ドル円114.48 円 10/3(水) ▲0.80(0.70%)

10/3(水)のその他主要マーケット指標

米8月製造業受注は前月比+2.3%で11カ月ぶりの伸び率も 10/5(金)

貿易戦争懸念にも9月ISM非製造業景況指数は21年ぶり高水準 10/4(木)

EU対イタリア、ユーロコイン指数とイタコイン 10/3(水)

ユーロ圏製造業PMI、9月の景況感改善はオランダのみ 10/2(火)

台風一過の10月、国内金価格は二役好転、プラチナは三役好転 10/1(月)


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