2012年、金は1,600ドル、プラチナは1,400ドル付近からスタート。前年末まで下落が続いていた金もプラチナも序盤は緩やかに上昇を続けます。
米国のゼロ金利政策延長などの緩和策は金やプラチナ価格の押上げに繋がります。量的緩和第3弾(QE3)への期待も高まり続け、FRBバーナンキ議長の発言には常に注目が集まり、QE3への言及がなければ市場は失望売り、株価や金価格もその都度下落。
ギリシャ問題にも相場は大きく揺れ動き続けます。前半の節目はやはりギリシャの総選挙。連立与党の過半数割れで市場の不安は高まり、ユーロ離脱懸念も浮上しました。
同時にスペインやイタリアの国債利回り高騰も大きく報じられ、市場の不安は続きますが、6月29日のEU首脳会合がひとつの分岐点になりつつあります。ユーロ圏の国債購入や銀行監督などの合意を受けて相場も大きく戻します。
それでも事態の進展がなかなか見られない状態が続き、7月末にはECBドラギ総裁の「何でもする」発言などで持ち直します。
米国では8月恒例のジャクソンホールのシンポジウムでのバーナンキ講演が注目され、QE3への期待をつないでいます。
低迷が続いていたプラチナ相場にとっては、皮肉にもバッドニュースがグッドニュースとなりました。8月16日に発生した南アフリカのプラチナ鉱山暴動事件をきっかけに100ドル以上も急上昇しています。
9月に入ると、ECBの国債買い入れ策:OMT、米雇用統計の低調な結果、FRBによる追加緩和策:QE3まで、 金相場にとって追い風となるイベントが続き、1,770ドル台まで上昇します。19日は欧米に歩調を合わせるように日銀による追加緩和も発表されました。
プラチナも金に追随するように上昇を続けますが、鉱山ストに伴う供給懸念による影響も大きく、事態が収束方向へ向かうと同時に急落する場面もありました。
10月4日終値で金は1,796.5ドル、プラチナは1,725.1ドルとそれぞれ年初来高値を更新して以降は下落基調に。5日の米雇用統計で失業率が7.8%へと低下したことなども影響しました。10月は米企業の四半期決算の不調などを背景にNYダウが大幅下落する場面が多々見られ、プラチナもこれに追随するように大きく値を下げました。月末の日銀の2ヶ月連続追加緩和は期待先行であまり材料視されなかった様子です。月末時点では金もプラチナもいったん下げ止まりの兆候も見られます。
11月2日の米10月分の雇用統計で非農業部門雇用者数が上振れしたことで金は1,700ドル割れへと急落。 プラチナも追随しました。その後は緩やかに上昇。米大統領選挙の影響はあまりなく、14日野田首相の解散宣言が円安の流れを加速させたことで、 ドル高の反動でやや金は売られました。11月の金は1,750ドル付近で頭打ち、月末には月初の1,710ドル台まで下落。プラチナは1,600ドル台まで上昇。
12月には米FRB、日銀の追加緩和が決定したものの金、プラチナともに買い材料とはならず、むしろ米国の財政の崖問題へのリスク懸念から売られる展開となりました。