2022年、NY金相場は前年末終値1828.6ドルから1800.1ドルへと急落、プラチナは966.2ドルから954.0ドルへと下落スタート。ドル円は115.09円から115.34円へとドル高円安スタート。
<1月>
5日NY引け後に公表されたFOMC議事要旨はバランスシート縮小早期着手など想定外にタカ派的。6日にNY金は1810ドル台から1800ドル割れへと急落。プラチナも980ドル台から960ドル台へと下落。7日の雇用統計では雇用者数の伸びが低調となってNY金は反発、ドル円は115円台半ばから前半へと軟調推移。12日には米12月CPIが39年ぶり高水準となる前年比+7.0%となり、インフレヘッジでNY金は1820ドル台へ。インフレ高騰への警戒感から株安・円高の流れも続きドル円は翌13日までに114円付近まで下落。
26日のFOMCでは3月利上げの可能性と資産縮小開始も示唆。想定以上にタカ派的と受け止められて25日には今年高値1850ドル台まで上昇していたNY金は28日まで3日続落で1780ドル台へと急反落。ドル円は25日の113円台後半から27日には115円台半ばまで上昇。
<2月>
4日の雇用統計では雇用者数が予想外の大幅増。NY金は1800ドル付近での下げ渋り、ドル円は114円台から115円台へと再上昇。10日の1月CPIは40年ぶり高水準となり、米10年債利回りが2年半ぶりの2.0%台へと上昇し、ドル円は116円台へ、NY金は1830ドル台から1820ドル台へ。翌11日にはウクライナ情勢への警戒感からドル円は115円台へと反落、NY金は1840ドル台へと一段高。翌週にかけても緊張感は徐々に高まり、バイデン米大統領がロシアによるウクライナ侵攻への可能性が「極めて高い」などと発言、NY金は17日に1900ドル台へと上昇。プラチナも1090ドル台へ。
ロシアがウクライナに侵攻した24日、NY金は一時1年5ヵ月ぶり高値となる1970ドル台まで上昇。
<3月>
ロシアによる一方的な軍事侵攻を避難する米欧日などによる様々な経済制裁発動にもウクライナ各地での戦闘状態は継続。4日には欧州最大級のザポロジエ原発占拠などを受けて欧米株安の流れも続き、NY金は終値でも1960ドル台へと上昇。7日にはNY原油が一時13年8ヵ月ぶり高値となる130ドル超へと急騰、翌8日にかけてNY金も急騰、一時過去最高値となった2020年8月以来の高値となる2078ドルまで上昇し、終値でも2040ドル台へ。リスク回避局面でのドル高も進行し、ドル円は11日に5年2ヵ月ぶりに117円台、16日FOMCでは0.25%利上げでゼロ金利を解除、年末までに計7回の利上げも示唆。18日には6年1ヵ月ぶりに119円台、24日には6年3ヵ月ぶりに122円台、28日には6年7ヵ月ぶりに125円台へ。
<4月>
インフレ高止まりが続き、5月FOMCでの0.5%利上げ観測も強まるなかでドル高円安の流れは続き、中旬には126円を超え、20日には一時20年ぶり高値となる129円40銭台まで上昇。28日には日銀の緩和政策維持が確認されて一時131円台まで上昇。
<5月>
4日のFOMCでは22年ぶりとなる0.5%の利上げ。パウエルFRB議長が次回以降の0.75%利上げに否定的な発言、ドル円は130円台から一時128円台まで急落。NY金は1860ドル台から1880ドル台へと上昇。
11日発表の4月CPIはやや鈍化も高止まり、株安基調が続いてリスク回避的なドル高・円高の流れでドル円は12日に一時127円台まで下落。NY金も13日には一時1800ドル割れ。月末にかけてドル円の調整は続き、126円台まで下落。NY金は1850ドル近辺まで反発して保ち合い状態へ。
<6月>
3日の5月雇用統計では雇用の伸びが予想を上回るなどの好結果となり、月末から反発基調となっていたドル円は130円80銭台まで上昇。1870ドル台まで上昇していたNY金は1850ドルまで反落。翌週8日にドル円は20年4ヵ月ぶり高値となる134円台まで上昇。10日の米5月CPIは前年比+8.6%で40年5ヵ月ぶり高水準。株安・円高のリスク回避の流れとなってNY金は1870ドル台へ。
14-15日のFOMCでは27年7ヵ月ぶりとなる0.75%の大幅利上げ。これを直前に織り込む形でドル円は14日には135円40銭台まで上昇。その後131円台までの調整をはさんで月末には23年9ヵ月ぶり高値となる137円まで上昇。
<7月>
月初にはドルインデックスが20年ぶり高値、ユーロドルが20年ぶり安値へとドル高が急速に進行、NY金は1800ドルを割れて1730ドル台まで急落。13日には米6月CPIが予想を上回る前年比+9%超。翌14日にかけてドル円は23年11ヵ月ぶり高値となる138円台へと上昇。NY金は1700ドル近辺へと低下。21日はECBが11年ぶりの利上げ、ドル円は137円台へ、翌22日は米7月PMIが50割れとなったことを受けて136円へ。NY金は1720ドル台へ。
26-27日のFOMCでは市場予想どおりの0.75%利上げ。次回以降の見通しについては明確な言及はなく、ややハト派的にも受け止められてドル安の流れとなってNY金は上昇。翌日の米4-6月期GDP速報値がマイナス成長となったこともあり、週末にかけてドル円は133円台まで調整が進行、NY金は1780ドル台まで上昇。
<8月>
5日の雇用統計はポジティブ・サプライズとなって大幅利上げ観測が再燃、月初には一時130円台まで調整が進行していたドル円は雇用統計後に135円台を回復。1800ドル台を回復していたNY金は1790ドルへと反落。10日発表の7月CPIは予想以上に鈍化、ドル円は132円台へと急反落、NY金は1810ドル台へと反発。第3週にかけてはFRB関係者のタカ派発言も相次ぎ、ドル円は136円台へと反発、NY金は1760ドル台へと反落。26日のジャクソンホール会議で講演したパウエルFRB議長は利上げ継続と高金利をしばらく維持する可能性などについて言及。ドル円は137円台へと上昇し、NY金は1750ドル割れへ。
<9月>
翌週にかけてもドル高円安、株安とともにNY金の売りも続いてドル円は24年ぶりに140円台まで上昇、NY金は1700ドル近辺まで下落。7日にドル円は144円台へ、NY金は1720ドル台での推移。13日発表の米8月CPIは予想ほど鈍化せず、ドル円は142円台から144円台へと再上昇、急反落のNY金は15日には2年5ヵ月ぶり安値となる1670ドル台へ。ドル円も14日には日銀のレートチェックなどから16日にかけて143円割れへ。21日のFOMCでは3会合連続0.75%の利上げ、タカ派見通しも示されて22日の日銀現状維持確認後にドル円は一時145円90銭近辺まで上昇、その直後には円買い介入で140円30銭台まで急落。翌23日には143円台を回復。NY金はFOMC後は軟調推移で23日には2年5ヵ月ぶり安値となる1650ドル台へ。月末にかけては安値で一時1620ドル付近まで下落後、1670ドル近辺まで反発。ドル円は144円台を回復して高止まり。
<10月>
NY金の反発局面は月初の1730ドル台まで続いて失速、米9月雇用統計が好結果となった7日には1700ドル付近まで反落。ドル円は144円台から145円台へ。13日には米9月コアCPIが40年ぶり高水準となったことを受けてドル円は147円台、翌14日には32年ぶりとなる148円台、20日には150円、21日には一時151円台後半まで上昇。その後はFRBの利上げ終息時期検討観測などから失速、介入と思われる動きもあり147円台へと反落。翌週27日には一時145円台まで下げて28日には147円台へ。20日にかけて1630ドル台まで下落していたNY金は翌週には1660ドル台へと反発。
<11月>
2日のFOMCでは4会合連続となる0.75%利上げ。12月以降の利上げペース減速への可能性とともに利上げ終了時期の検討については時期尚早との見方も示され、直後の市場反応は限定的に。しかし、強弱混在となった4日の雇用統計後にはFRB高官からの利上げペース減速示唆発言などもあり、ドル安が進行。ドル円は週末にかけて146円台半ばまで下落、NY金は1670ドル台へと反発。10日発表の10月CPIが市場予想以上に鈍化したことを受けて12月の利上げ幅縮小観測が強まってドル安が急速に進行、ドル円は翌日までの2日間で7円超の急落となって138円台へ。急騰となったNY金は1760ドル台へ。
30日にはパウエルFRB議長が利上げ幅を縮小する可能性などを示唆する発言を受けてドル高の巻き戻しの流れが一段と進行。
<12月>
1日にはPCEインフレの伸びが鈍化傾向となり、11月ISM製造業景況指数が49.0と2年半ぶりの低水準へと落ち込んだことでドル安の流れが加速、2日の雇用統計は予想以上の好結果となったものの一時的な反発にとどまったドル円は134円台へ。NY金は1800ドル台を回復。中旬までに137円台を回復したドル円は13日の11月CPI下振れを受けて135円台へ、翌日のFOMCでは2023年見通しがややタカ派的となり、15日にかけて137円台を回復。NY金は1800ドル近辺で上下動。20日には日銀のYCC修正を受けてドル円は131円台へと急落。
2022年終値はNY金:1826.2ドル(前年比-0.1%)、プラチナ:1082.9ドル(+12.1%)、ドル円:131.11円(+13.9%)。