LTRO:Long Term Refinance Operation(長期リファイナンス・オペ)の略。ECB(欧州中央銀行)による長期資金供給オペのことを指す。
銀行が担保(国債や資産担保証券など)を差し出し、ECBが資金を供給をするもので、金融市場の流動性確保や国債の買い支え(国債利回り高騰の沈静化)などが目的。
もともと、定期的に行われていましたが、期間は3ヶ月程度のものが多く、最長でも13ヶ月間でした。
2011年12月に大規模LTROとして、期間3年、供給額も無制限、担保要件も緩和して実施。資金繰りに苦しむイタリアやスペインの銀行を中心に合計4,891億ユーロもの資金を調達。これが、「ECBによる第1回目の3年物LTRO」などと呼ばれ、市場予想の供給額を大幅に上回ったことでリスク懸念は大幅に緩和されました。
2012年2月29日には2回目の3年物LTROが実施(供給額は5,295億ユーロ)され、その後しばらくは欧州の銀行の流動性危機は抑制されることに。
5月末にECBより公表されたデータによると、1~3月に150~230億ユーロ増加していたスペインの銀行の国債保有残高が、4月には7億9,900万ユーロ減少していることが明らかになり、LTROによる効果が低下し始めたことが懸念されています。
また、このLTROに対しては、批判の声もあり、目先のことだけを考えたその場しのぎの策であり、ECBへの依存度を高めた民間銀行の3年後には再び資金繰りの悪化が待っている、との見方もあります。
実体経済の早急な回復が急務ということはどこの国でも同じようです。
最終更新:2012年06月02日