金プラチナ短期相場観
イエレン米FRB議長就任の日に米経済失速懸念
更新日:2014年2月4日(火)
ジャネット・イエレン氏が第15代FRB議長として就任宣誓を行った3日の日、株価は大きく下落し、ドルも売られました。
好調だったはずの米経済がやや失速気味なのではないか、という懸念が浮上するような経済指標も飛び出しました。
米供給管理協会(ISM)が発表した1月の製造業景気指数が予想に反する大幅な落ち込みでネガティブ・サプライズに。
昨年11月に57の高値をつけて以降2ヶ月続落で51.3へと急落、昨年上半期以来の低水準となり、その内訳のひとつである雇用指数も52.3とやはり昨年6月以来の低水準。
寒波の影響もあり、減速は一時的との見方もあるようですが、そうなると、今週末の雇用統計への不安も拭えません。
前回の非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の前月比19.7万人増に対して7.4万人増と大きく下振れ。今回の市場予想は18.1万人増となっていますが、寒波の影響を受けるなら、もう少し低い数値となる可能性も高そうです。週間の失業保険申請件数でも1月25日までの2週間連続で増加しており、改善傾向はやや鈍化気味。
本日発表のADP雇用者数だけは、12月まで4ヶ月連続上昇で好調さを維持しており、その結果が注目されます。
週末の雇用統計でのNFP予想18.1万人増という数値は、2013年の月間平均値とほぼ同等であり、年間増減数+200万人達成の為の目安水準。
この水準を維持できれば、失速懸念も払拭できますが、下回るようなら、次月以降のリカバーが必要となります。
イエレン米FRB議長にとっては、前途多難な船出となるのかもしれません。
週明け、NY市場金相場は1.6%の大幅反発。予想外の米ISM製造業景況指数の大幅低下を受けて1,240ドル台から1,260台へと急騰。1,230-1,260ドル台のレンジ下限付近から上限まで上昇し、レジスタンスラインに上値も押さえられた格好。やや下向きかけていた流れを引き戻した形でレンジ内推移継続。上限突破なら1,300ドル手前辺りまでは上昇余地拡大。
プラチナ相場は7日ぶりの上昇となる0.79%反発。下値目標水準1,370ドル近辺到達効果による一服感。下押し圧力のほうが強い状態には変化なく、短期下落トレンド終了の判断は現時点では出来ず、様子見。
ドル円は1.06%の大幅続落。米指標悪化で101円台前半まで急落するとジリジリと円高方向へと推移、安値では100円77銭まで下落し、目標水準100円70銭近辺ちょうどまで、いきなり到達。雇用統計を控えた今週のどこかで目標水準近辺までの下押しがある可能性は高いと見ていたものの、予想外に早くその機会が訪れてしまった形。今朝は101円台前半に戻しており、もう一度100円台後半へと下押しする可能性は残るものの、さらに円高が進む可能性は低いと見る。雇用統計さえ下振れしなければ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/3終値とチャート
国内金価格は0.12%の小幅反発。下向きの流れがやや強まった状態に変化はなく、当面の下値目標水準4,200円を目指す展開。ただしここから4,250円前後までの価格帯は、12月後半に揉み合いを形成した水準でサポートされ易いところ。
プラチナは0.57%下落し、これで8日続落。2011年9月に記録した10日続落以降では最長。NYプラチナはいったん下げ止まったものの、円高進行が予想外に早かったために歯止めが効かず。まだまだ円高が続くような地合いではなく、ドル円とともに下げ一服、となり易いはず・・・。
※参考:金プラチナ国内価格2/4とチャート
- 2014年2月4日(火)時点の相場
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国内金 : 4,271 円 2/4(火) ▲5(0.12%) 国内プラチナ : 4,674 円 2/4(火) ▼27(0.57%) NY金 : 1,259.9 ドル 2/3(月) ▲19.8(1.60%) NYプラチナ : 1,386.6 ドル 2/3(月) ▲10.9(0.79%) ドル円 : 100.97 円 2/3(月) ▼1.08(1.06%)
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イエレン米FRB議長就任の日に米経済失速懸念 2/4(火)
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PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン