金プラチナ短期相場観

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米労働市場好調によるドル高加速が円キャリーに加勢、金は正念場へ

更新日:2014年12月6日(土)

米11月の雇用統計はポジティブ・サプライズ。非農業部門雇用者数(NFP)の伸びは事前予想を大幅に上回り、2年10カ月ぶりの大幅増、年間合計では+265万人に達し、あと1ヶ月分を残した状態で既に過去10年間で最大の増加数に。年間平均でも+24.1万人、6カ月平均では+25.8万人、3カ月平均では+27.8万人と急速な右肩上がりの状況。

その他詳細指標では、
半年以上の失業者の割合を示す、長期失業者比率は30.7%と前月の32%から改善。パートタイム労働を含む、U6失業率(広義の失業率)も前月の11.5%から11.4%へと改善傾向が継続。
平均時給は24.66ドルで前月比+0.37%、前年同月比では+2.11%。好結果ながらも前年比2%前後での推移を続ける状況から脱したとは言えず、あと数ヶ月間の状況を見極める必要あり。
労働参加率の62.8%も相変わらず最低水準での横ばい状態が継続しており、これに対するFRBの判断や見通しが今後の注目点にも。

一部に「たるみ」を残しながらも、全般的には米労働市場が好調に改善傾向を続けていることは間違いなく、次週月曜深夜に発表されるFRBの労働市場情勢指数でも好結果が期待されます。さらに、その翌日に労働省が発表する、月次求人労働異動調査(JOLTS)がそこそこの結果なら、16-17日のFOMCが、フィッシャーFRB副議長の言う「「considerable time(相当の期間)」を削除する時期」に該当することになりそうです。
と同時に、FF金利予想ドットチャートにも変化が見られ、2015年半ばから後半へと後ずれ気味にあった市場の利上げ開始時期予想も、再び前倒し優勢となる可能性が高まります。

円キャリーが加速した11月には底値圏からの反発傾向を強め始めていた金相場にとって、米労働市場回復という背景に支えられての「ドル高の流れ再加速」が加わることにより、再び正念場を迎えることになりそうです。

NY金・週足チャート 2014/7/7 - 12/55日のNY金相場は1.43%の大幅続落。1,230ドル程度を目指した流れは米雇用統計によって遮られ、1,200ドルのサポートラインを割れると1,180ドル台まで急落。短期上昇トレンドが完全に終わった訳ではないものの、下値メド1,180ドル前後まで再度しっかり下げる可能性が高まった。その近辺は重要なサポートラインでもあり、明確に下抜けると今年最安値圏へ再トライの可能性も高まる。上方向には1,210ドルが抵抗線に。
週間ベースでは+15.2ドル(+1.29%)の反発。

NYプラチナ・週足チャート 2014/7/7 - 12/5プラチナ相場は2.12%の大幅反落。上下動を繰り返しながらのゆるやかな上昇トレンドで1,260ドルの上値目標を目指す流れはかろうじて維持。しかし振れ幅はさらに拡大し、1,210ドル台のサポートラインぎりぎりまで下落。ここで持ち堪えられない場合には下値余地が大幅に拡大し、今年最安値更新トライへと向かう可能性も。
週間ベースでは+8.2ドル(+0.68%)の反発。

ドル円・週足チャート 2014/7/7 - 12/5ドル円は1.35%の大幅反発。前日の十字線は反落のサインではなく、上方向への加速のサインだったことに。雇用統計発表前までに120円台半ばまで水準を切り上げていたことにより、もしもの場合には大幅急落も懸念されたものの、そんな杞憂を米国の雇用市場の好調さが完全に打ち消す結果に。2007年7月20日以来、7年4カ月半ぶりの高値水準となる121円60銭台まで上昇、121円40銭付近で週を終え、短期的に想定可能な目標水準121円台前半まで完全に到達。ここから先は、あまりに速過ぎるドル高円安ピッチへのけん制発言などを警戒しながら、2007年6月高値124円10銭台が意識されることに。
週間ベースでは+2.72円(+2.29%)で7週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/5終値とチャート

2014年12月6日(土)時点の相場
国内金4,951 円 12/5(金) ▼17(0.34%)
国内プラチナ5,070 円 12/5(金) ▲33(0.66%)
NY金1,190.4 ドル 12/5(金) ▼17.3(1.43%)
NYプラチナ1,219.5 ドル 12/5(金) ▼26.4(2.12%)
ドル円121.40 円 12/5(金) ▲1.62(1.35%)

12/5(金)のその他主要マーケット指標

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米労働市場好調によるドル高加速が円キャリーに加勢、金は正念場へ 12/6(土)

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