金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

年初のリスク回避から反転、米雇用回復の継続期待高まる流れだが

更新日:2015年1月8日(木)

FOMC議事録の内容にサプライズはなく、4月までの利上げの可能性が極めて低く、6月以降に利上げの可能性が高いことを改めて確認。その前に発表された米12月ADP雇用レポートでは民間雇用の増加数が市場予想の+22.5万人を上回る+24.1万人。過去2カ月分も上方修正される好調ぶり。「10月以降、広範囲に回復が見られる」としたFOMC議事内容を裏付ける内容となっていたことで、週末の雇用統計への期待の高まりとともに株高ドル高の流れが進み始めた様子。
6日の日経平均が3%超の大幅下落となったことが市場のトレンド転換のサインとなった可能性も。

ADP雇用者数と雇用統計の非農業部門雇用者数(NFP)の6カ月移動平均の推移を見ると、2012年後半以降は両方とも着実に上昇傾向。年間平均でもNFPが2012年+18.6万人、2013年+19.4万人、2014年には+24.1万人と増加幅が急速に伸びているのと同様、ADPの年間平均も2012年+16.3万人、2013年+19.0万人、2014年には+21.1万人と大台超え。
ADPとNFPの12ヶ月間の相関係数は0.5583。24ヶ月間では0.5728。比較的同じ方向性となりやすい、正の相関関係を示します。
ADPの数値が2014年の年間平均を上回る水準で上昇傾向を維持したことで、NFPも好結果となる可能性は高まります。11月分まで3カ月連続で2014年の年間平均+24.1を超える水準で推移していることもあり、今回の事前予想+24万人程度を上回る可能性もかなり高そうです。

なお、1年前の状況を見ておくと、1月8日に発表された12月のADP雇用者数は+23.8万人。事前予想の+20万人を上回りました。さらに11月分も10月分も上方修正。(※後に下方修正)今回と同様、米雇用市場の回復傾向が進むとの期待が高まっていました。
しかし、10日に発表された雇用統計の結果は大幅減。
年初の高値再トライへと向かっていたドル円はしっかりとハシゴをはずされ、金は大幅反発へと向かいました。

NY金・日足チャート 2014/12/5 - 1/77日のNY金相場は0.71%安となり4日ぶりの反落。前日までの2日間で30ドル以上の急騰となったことによる反落の流れ。それでもADP雇用の好結果などによる売りは限定的。ギリシャ政局への警戒感などが継続していることもあってか、1,210ドル付近では底堅さも。短期上昇トレンドで1,250ドル付近を目指す流れが継続中。

NYプラチナ・日足チャート 2014/12/5 - 1/7プラチナ相場は0.04%の小幅反落。1,220ドル前後での小動きに終始、1,200-1,220ドルの短期保ち合いレンジをわずかに上抜けたところで加速できない状態。流れは上向いており、きっかけさえあれば1,250ドル台の目標水準を目指す流れが加速する可能性。

ドル円・日足チャート 2014/12/8 - 1/7ドル円は0.73%の反発。118円台ではドル買い優勢の流れに加え、米ADP雇用の上振れや貿易赤字縮小などの好材料にも支えられる反発地合い。現時点では、下値目標117円台半ばを目指して再度118円割れを試す可能性よりも、雇用統計の好結果を期待する向きにサポートされて上値トライへと向かう流れがやや優勢に。結果次第で下値再トライか、120円50銭のレジスタンストライか。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/7終値とチャート

8日の国内金価格は0.22%の小幅高で3日続伸。5,000円の大台方向へと反発傾向は続くも反発の上値メド4,970円付近からは抜け切れず。上値の重さがまだ残り、若干の調整余地も。

プラチナ価格は0.72%の続伸で5,010円のレンジ上限トライへ。ドル円の反発傾向にサポートされ、5,010円の節目を抜けると短期上昇トレンド加速の可能性。その場合には12月高値5,090円台前後が目標水準に。下値サポートラインは4,960円、ここを下抜けると4,900円割れも。
※参考:金プラチナ国内価格1/8とチャート

2015年1月8日(木)時点の相場
国内金4,979 円 1/8(木) ▲11(0.22%)
国内プラチナ5,002 円 1/8(木) ▲36(0.72%)
NY金1,210.7 ドル 1/7(水) ▼8.7(0.71%)
NYプラチナ1,220.9 ドル 1/7(水) ▼0.5(0.04%)
ドル円119.25 円 1/7(水) ▲0.87(0.73%)

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