金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

世界の中央銀行も買い支える金価格

更新日:2016年10月7日(金)

世界の中央銀行の金準備保有量 2016年8月8月末時点での世界全体の中央銀行金保有量は32,977.7トンとなり、前月から53.5トン(0.16%)の増加となっています。年間の増加量は、8月までの世界合計で238.5トン。
2015年の年間データでは、世界の金の総需要量4212トンに対し、中央銀行が外貨準備の一部として保有する金の増加分は588トン。総需要の14%に過ぎませんが、2010年から買い転換し、コンスタントに買い続けて買いっぱなしの一部の中央銀行により、安定的な実需の一部として、金価格をサポートします。

今年の夏場までの金価格の上昇の背景として、世界の中銀の金買い増しも地道に貢献してきました。
なかでも中国ロシアの中央銀行は、毎月コンスタントに金準備保有量を増加させ続けており、今後も増加が見込まれます。
今年、年初から8月までの増加量では中国が71.23トンの増加で中銀全体の29.9%を占め、ロシアは133.18トンの増加でシェアは55.8%に達しています。中国とロシアの2カ国で世界全体の中央銀行の金購入量の85%を占めています。

今月の金価格急落により、10月の金購入量も増加するかもしれません。
さらに次週、国慶節の連休明けで戻ってくる中国勢が金価格の急落を好感し、実需の買いが金価格の下支え要因の一つとして加わる可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2016/9/7 - 10/66日のNY金相場は1.23%の大幅安となって5日続落。6月7日(1247.0)以来、4カ月ぶりの安値水準に。5日以上の続落は5月、6月、9月に続いて今年4回め。なお、2015年と2014年は6回づつ記録していた。米新規失業保険申請件数が予想以上に減少し、実数でも4週移動平均でもほぼ42年ぶり低水準まで改善したことを受けて1260ドルを割り込んでの一段安。2月3日以来8カ月ぶりに200日移動平均線(1256.0)をわずかに下抜け、今年の上昇幅に対する38.2%戻し(1256.6)ラインも下抜けての1250ドル台到達で普通なら下げ止まりやすい水準。雇用統計が悪化せず、ドル高基調がさらに進行するなら50%戻し(1219.3)ライン付近、1210ドル台辺りまでが次の下値目安にも。

NYプラチナ・日足チャート 2016/9/7 - 10/6NYプラチナ相場は連日の1%超下落、この日は1.05%の大幅安で5日続落。3カ月半前、ブレグジット前日の6月23日(966.3)と同水準。5日以上の続落は3月と9月につづいて今年3度め。2015年には7回、2014年は6回だった。今年の上げ幅の61.8%戻し(959.7)付近に到達したことにより、こちらも下げ止まるには程良い水準。しかし雇用統計後に金の続落が続けばこれに追随、3-4月の安値940ドル付近がサポート水準候補に。

ドル円・日足チャート 2016/9/7 - 10/6ドル円は0.43%のドル高円安となって8日続伸、9月2日(104.00)以来5週間ぶりの水準。8日続伸は今年初で2014年7月以来2年3カ月ぶり。コンスタントなドル高円安基調が続き、新規失業保険申請件数の好結果には若干勢いを強めてNY市場では一時104円10銭台まで上昇。雇用統計を前に9月高値104円30銭台手前でいったんは失速した状態。雇用統計通過後、10カ月ぶりに上抜けた一目均衡表の雲の上限103円台前半から半ば辺りまででサポートされる状態が続くようなら、2015年高値から今年安値の23.6%戻しとなる105円台前半を目指す堅調推移が続く可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/6終値とチャート

7日の国内金価格は0.71%の反落で前日上昇分を帳消し。5日の4497円をかろうじて下抜け回避もデッド・キャット・バウンス状態で4530円までのレンジで小幅保ち合いを形成。下抜けると4450円近辺が下値目安となり、N計算値では4420円台まで下げ幅拡大の可能性も。なお、確率は低いと思われるものの、NY金が1210ドルまで下落した場合、ドル円が105円程度なら国内金価格は4400円を割れて今年安値付近に到達する計算に。4530円超へと反発の展開となった場合には4600円付近を目指すような展開にも。
週間ベースでは-97円(2.11%)で続落。

プラチナ価格は1.19%の大幅反落で6月28日(3456)以来3カ月半ぶりの安値水準。ズルズルと下値を切り下げる展開が続き、下げ止まりの兆しがなかなか見えない状態。ただし、流れのなかでは下押し圧力は既に枯渇状態にあり、いつ下げ止まってもおかしくはない状況。6月安値3456円との2番底形成か、あるいは1月安値との2番底か。
週間ベースでは-112円(3.12%)の続落。
※参考:金プラチナ国内価格10/7とチャート

2016年10月7日(金)時点の相場
国内金4,498 円 10/7(金) ▼32(0.71%)
国内プラチナ3,475 円 10/7(金) ▼42(1.19%)
NY金1,253.0 ドル 10/6(木) ▼15.6(1.23%)
NYプラチナ966.3 ドル 10/6(木) ▼10.3(1.05%)
ドル円103.94 円 10/6(木) ▲0.44(0.43%)

10/6(木)のその他主要マーケット指標

雇用統計はそれなりの好結果で日米3連休前に材料出尽くし 10/8(土)

世界の中央銀行も買い支える金価格 10/7(金)

ISM非製造業景況指数は急反発、雇用指数も好調、インフレは? 10/6(木)

三角保ち合い下方ブレイクで急落の金、上方ブレイクのドル円 10/5(水)

外貨準備に占めるドルと円のシェアが示すドル安円高地合い 10/4(火)


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