金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

ISM非製造業景況指数は急反発、雇用指数も好調、インフレは?

更新日:2016年10月6日(木)

ISM非製造業景況指数と製造業PMI 2016年9月米サプライマネジメント協会(ISM)が5日発表した9月のISM非製造業景況指数は57.1となり、市場予想の53.0程度を大きく上回るポジティブ・サプライズとなりました。
8月には2010年2月以来、6年半ぶりの低水準となる51.4まで急落し、半年ぶりに節目の50を割り込んだISM製造業景況指数と合わせてISMショックとなり、9月利上げ見送りの戦犯扱いする向きもあり、今回の9月分の結果はこれまでになく注目されました。
結果は11カ月ぶりの高水準へと急反発。同じく急回復となった製造業とともに、8月の結果が一時的だった可能性も高まり、一転して早期利上げへの思惑も台頭し、形勢逆転の状況です。

ISM雇用指数と価格指数 2016年9月ISM非製造業の雇用指数も同様に11カ月ぶりの高水準となる57.2へと急上昇。製造業の雇用指数も3カ月連続節目50割れは継続中ながらも49.7まで回復しており、雇用統計にあとを託す形で凌いだ状況です。

しかし、雇用に比べて価格指数はパッとしません。非製造業も製造業も今年前半からは低下、足元でも非製造業がわずかに上向き、製造業は横ばい推移の状況です。

9月末の議会証言でイエレンFRB議長が 「インフレに上向きな圧力は見られない」と発言したとおりの状態は続いているようです。
4日にはリッチモンド連銀ラッカー総裁の「インフレ上昇の兆候がある」との発言もありましたが、その確証探しの状態もまだしばらくは続きそうです。

NY金・日足チャート 2016/9/6 - 10/55日のNY金相場は0.09%の小幅安で4日続落。ADP雇用者数がやや低調となったことを受けて1270ドル台前半から後半へと小反発、しかし、その後ISM非製造業景況指数が予想以上に上振れたことで反落すると一時1260ドル台前半まで下落。前日の大幅下落でロングポジションが大幅に解消されたと見られ、ドル高進行の割には下げ幅も限定的。右肩上がりの200日移動平均線(1255.1)が通過し、今年の上昇幅の38.2%戻し(1256.6)となる1250ドル台が目先のサポート水準候補となり、雇用統計がポジティブな結果となった場合には今年の50%戻し(1219.3)付近が次のサポート目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2016/9/6 - 10/5NYプラチナ相場は1.4%の大幅安となって4日続落、6月23日(966.3)以来3カ月半ぶりの安値水準に。4月6日以来、半年ぶりの200日移動平均線(1002.1)割れで年初来の上昇トレンドにも変化、少なくとも上昇基調の角度はより緩やかに。年初来高値となった8月10日を起点とする短期下落トレンドは2カ月経過しようとしており、今年の調整局面としては最長期間を更新中。今年の上げ幅の61.8%戻し(959.7)付近で下げ止まらない場合には3-4月の安値近辺940ドル付近が目安に。

ドル円・日足チャート 2016/9/6 - 10/5ドル円は0.59%のドル高円安で7日続伸、9月2日(104.00)以来1カ月ぶりの水準。7日続伸となるのは3月以来で今年2度め。昨年も2度、2014年には3回、2013年は意外にも0回、2012年と2011年には1回づつ、それ以前は2005年の2回まで空白期間が続く。長期円高トレンドの時には1度もなかった7日続伸が今年は既に2度。今年は長期円高トレンド入りした訳ではない可能性も高まる。
103円台へと水準を切り上げたところからADP雇用下振れには102円80銭台までの下押しで切り返し、ISM非製造業景況指数上振れには103円50銭台へと急騰。102円台前半程度までと見ていたドル高円安の流れがとまらない。2月1日以来、8カ月ぶりに90日移動平均線を上抜け、日足・一目均衡表の雲の上限を終値ベースで上抜けるのは10カ月ぶり。今年の下落トレンドラインを上抜けて大きな流れが変わろうとしている可能性も。9月高値104円30銭がその分岐点に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/5終値とチャート

6日の国内金価格は0.73%の反発。急落後に下げ渋るNY金とドル高円安基調継続の為替に支えられての自律反発。この流れだと、雇用統計がポジティブ・サプライズとなった場合にはドル高円安の流れは更に加速、NY金の下落スピードはそれほど加速しないことも想定され、国内金価格はもう一段の反発も。ただし、4600円ラインが当面の抵抗水準。もし、前日の4497円を下抜けるような展開となった場合には4450円近辺が下値目安に。

プラチナ価格は0.29%の小幅高となり、3日ぶりの反発。下値目安到達後の一服感からの小動き。7月末から続く下落基調も2カ月半、年初から続く、広めのレンジでゆるやかな右肩上がりのチャネルライン下限付近にも到達しており、そろそろ反発してもおかしくはないところだが。
※参考:金プラチナ国内価格10/6とチャート

2016年10月6日(木)時点の相場
国内金4,530 円 10/6(木) ▲33(0.73%)
国内プラチナ3,517 円 10/6(木) ▲10(0.29%)
NY金1,268.6 ドル 10/5(水) ▼1.1(0.09%)
NYプラチナ976.6 ドル 10/5(水) ▼13.9(1.40%)
ドル円103.50 円 10/5(水) ▲0.61(0.59%)

10/5(水)のその他主要マーケット指標

世界の中央銀行も買い支える金価格 10/7(金)

ISM非製造業景況指数は急反発、雇用指数も好調、インフレは? 10/6(木)

三角保ち合い下方ブレイクで急落の金、上方ブレイクのドル円 10/5(水)

外貨準備に占めるドルと円のシェアが示すドル安円高地合い 10/4(火)

日銀短観・想定為替レートと実勢為替レートの推移 10/3(月)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ