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「ウィンブルドン現象」

門戸開放の結果、外来勢が優勢となり、地元勢が淘汰されてしまうこと。語源はテニスの四大大会(グランドスラム)の一つ、ウィンブルドン選手権。ロンドン南西部のウィンブルドンで行われるこの大会が、かつての国内ローカル大会から、世界の強豪が競う国際大会へと発展したことにより、地元英国勢が優勝できなくなってしまったことを揶揄した表現。しかし、2013年のウィンブルドン選手権でアンディ・マレーが77年ぶりに地元英国勢としての優勝を果たし、面目躍如。

ところが、翌2014年には、英国のウィンブルドン現象継続の可能性が浮上。2014年9月18に行われるスコットランドの独立是非を問う住民投票を前に、一部の世論調査で独立賛成派が反対派を上回るケースもあったことから、スコットランドが英国から分離・独立を果たすのではないか、との懸念が高まったからです。
2013年ウィンブルドン覇者、アンディ・マレーはスコットランド人でした。

なお、スポーツ界でのウィンブルドン現象はよくあることで、日本の相撲界での海外勢の活躍、米国や日本の女子ゴルフ界での韓国勢の活躍などが代表例で、日本男子柔道の弱体化なども、その傾向がありそうです。

また、経済においても、外資系により国内企業が淘汰されることは、往々にしてあることです。
TPP(環太平洋経済連携協定)における関税交渉などがなかなか進まない理由の一つは、このウィンブルドン現象を避けたいからです。アベノミクスの成長戦略と銘打ちながら、外資誘致へ向けた規制緩和などが進まないのも同様のことが言えそうです。
グローバル化が進む時代には、ある程度の、もしくは一時的なウィンブルドン現象には目をつぶる必要があるのかもしれません。

最終更新:2014年09月16日

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