金プラチナ短期相場観

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インフレ軟化にパウエル議長のタカ派姿勢も軟化、ドルも軟化

更新日:2023年2月2日(木)

FOMCでは市場予想どおり0.25%の利上げを決定。さらに複数回の利上げが適切との認識も示されました。今後の市場予想との乖離は残るものの、一定のタカ派姿勢維持との思惑から一時ドル高が進行。
しかし、パウエル議長はFOMC後の会見で「今年中の利下げは想定していない」ことに改めて言及しながらも、「ディスインフレが現在進行中」であるとの認識も。
ハト派に傾斜する市場予想を牽制してきたパウエル議長の態度にも、従来よりは軟化姿勢が見られたことを好感し、会見後にはドルも軟化、株高とともに金も買われる展開へ。

FRBが利上げペースを減速し、終着点も見え始めてきた状態に対し、ECBではまだタカ派姿勢を崩さない構えが優勢となっていることも背景に、ユーロドルも一段高。ユーロドルは1.10ドル台トライの展開となって昨年4月以来、10ヵ月ぶりのユーロ高ドル安に。

ユーロ圏・独・仏・米製造業PMI 2023年1月速報経済指標でもユーロ圏の回復基調が米国に先行するケースもチラホラ。
ユーロ圏の1月製造業PMIは48.8。前月から+1.0で3ヵ月続伸となり、昨年8月以来5ヵ月ぶりの高水準に。ユーロ圏としては7ヵ月連続の節目50割れも、調査対象8カ国のうち、3カ国が節目50超へと回復。そして8カ国全てが1月は上昇。

<ユーロ圏製造業PMIランキング-2023年1月>
1:フランス=50.5=前月比+1.3、3ヵ月続伸で5ヵ月ぶり高水準、節目50回復。8月から3-8-4-4-1-1位。2年半ぶりの1位キープ。
2:イタリア=50.4=+1.9、3ヵ月続伸で7ヵ月ぶり高水準、50回復。8-6-6-2-4-2位。
3:アイルランド=50.1=2年半ぶり低水準での横ばいから+1.4、3ヵ月ぶりに50回復。2-1-1-1-2-3位。
4:オランダ=49.6=+1.0の続伸で5ヵ月ぶり高水準。5ヵ月連続50割れ。1-3-3-7-3-4位。
5:ギリシャ=49.2=+2.0の反発で4ヵ月ぶり高水準。7ヵ月連続50割れ。6-2-2-3-6-5位。
6:オーストリア=48.4=+1.1の続伸で4ヵ月ぶり高水準。6ヵ月連続50割れ。6-5-5-5-5-6位。
7:スペイン=48.4=+2.0で3ヵ月続伸、4ヵ月ぶり高水準。7ヵ月連続50割れ。4-3-8-8-8-7位。
8:ドイツ=47.3=+0.2で3ヵ月続伸、4ヵ月ぶり高水準。7ヵ月連続50割れ。5-7-7-6-7-8位。

米国は46.9。速報値からは0.1ポイント上方修正され、2年7ヵ月ぶり低水準となった12月の46.2からは0.7ポイントの反発。ただし3ヵ月連続の節目50割れ。ユーロ圏の最下位ドイツを0.4ポイント下回る低水準。

NY金・日足チャート 2022/12/27 - 2/11日のNY金相場は-2.5ドル、0.13%安で3日ぶりの反落。FOMCを控えて時間外からNY市場までほぼ1940ドル台での小幅揉み合い推移、タカ派傾斜を警戒してNY午後には1940ドル割れを試す場面もありながら、NY引け後には想定どおりのFOMCを経てパウエル議長会見でのハト派軟化姿勢を受けて急騰。1960ドル台へと水準を切り上げ、高値では1970ドルにもワンタッチ。昨年4月19日(1985.1)以来9ヵ月半ぶりの高値をつけ、高値保ち合い上限1940ドル台突破に伴う短期上値目標1960ドル台にもしっかり到達してしまった格好。ドル高の流れが続くようならもう一段の行き過ぎ目安として1980ドル台も。当面の下値サポートは1920ドル台。

NYプラチナ・日足チャート 2022/12/27 - 2/1NYプラチナは-19.4ドル、1.9%安で3日ぶりの反落。12月22日(984.6)以来、6週間ぶりの安値。アジア時間に1023.4ドルの高値をつけて反落、前日まで3日連続となった1020ドル台後半の高値に届かず失速するとロンドン・NY朝にかけて1010ドル割れ、NY午後には1000ドルの大台割れを試す場面も。それでも前日安値付近で下げ渋るとNY引け後には金の急騰局面に追随、1010ドル台半ばまで反発。行き過ぎ目安1000ドル近辺を2日連続でトライし、実質下ヒゲ状態の行って来いで大台ライン付近での足場固めもそれなりに。上方向には抵抗感が強まる1020ドル台後半を突破できるかどうかが目先のポイントに。
金との価格差は941.1ドル、昨年4月29日(972.1)以来、9ヵ月ぶりの水準まで急拡大。

ドル円・日足チャート 2022/12/29 - 2/1ドル円は116銭のドル安円高、0.89%の続落で1月19日(128.44)以来、2週間ぶりの安値。130円を挟んでの揉み合い推移から、欧州時間序盤には前日高値付近、5日連続高値水準となった130円半ばまで上昇して失速、NY市場ではADP雇用の大幅下振れなどもあり、129円台後半から前半へと軟調推移。129円20銭近辺では下げ渋る状態で迎えたFOMCでは、市場予想どおりの0.25%利上げを受けて129円80銭台まで反発。しかしパウエル議長会見でのハト派傾斜発言を受けて128円50銭台へと急反落。その後も129円近辺までの自律反発も、今朝の東京市場では一時128円10銭台まで下落。129円半ばの節目割れに伴う短期下値目安は今年安値(127.21)更新、127円割れを試す展開にも。ただし128円付近で下げ渋る現状のまま、雇用統計の好結果などをきっかけに反発となれば、128円前後の安値で二番底をつけて切り返す形にも。反発方向へは130円半ばが当面の抵抗水準。これを突破するようなら20日線も上抜けて短期トレンド転換へと向かう流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/1終値とチャート

2日の国内金価格は-4円、0.05%の小幅反落。8800円の高値圏こそ維持したものの、上昇軌道を維持する9日移動平均線(8811)を下抜けて強気パーフェクトオーダー崩れに。上値トライ一服感と調整局面入りへの警戒感もより強まる状態ながら、NY金の高止まりに下支えされる格好にも。上昇軌道の21日移動平均線(8700)辺りまでが目先のサポート候補、雇用統計などで想定外の結果に高値更新となれば8900円トライの流れとなる可能性も。

プラチナ価格は-68円、1.48%の下落、横ばい推移を挟んで5日続落。5日続落は昨年12月後半以来、1ヵ月半ぶり。水準としては昨年10月13日(4496)以来、3ヵ月半ぶりの安値となり、4630円台の節目割れに伴う短期下値目安4550円台に到達してオーバーラン。12月安値(4552)も突き抜ける形となり、二番底をつけて反発へ、との楽観見通しもあえなく撃沈。短期的には一定の過熱感もあり巻き戻しも入りやすい状況ながら、イベント続きで波乱の展開も。さらなる行き過ぎ警戒水準としては昨年9月安値(4052)から11月高値(5076)の61.8%戻し(4443)近辺も。
※参考:金プラチナ国内価格2/2とチャート

2023年2月2日(木)時点の相場
国内金8,800 円 2/2(木) ▼4(0.05%)
国内プラチナ4,518 円 2/2(木) ▼68(1.48%)
NY金1,942.8 ドル 2/1(水) ▼2.5(0.13%)
NYプラチナ1,001.7 ドル 2/1(水) ▼19.4(1.90%)
ドル円128.93 円 2/1(水) ▼1.16(0.89%)

2/1(水)のその他主要マーケット指標

米失業保険、4週移動平均は再びコロナ前の最低水準へと急接近 2/3(金)

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米雇用コスト指数低下で0.25%利上げは確実、も依然高水準 2/1(水)

3回の値上げでもビッグマック指数のドル円は76.49円 1/31(火)

インフレ期待も鈍化継続+リセッション懸念で金価格を下支え 1/30(月)


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