金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

日銀現状維持+PCE上振れ=158円、37年ぶり円安も視野に

更新日:2024年4月27日(土)

PCE・コアPCE・スーパーコアPCEサービス・トリム平均PCE・メディアンPCE 2024年3月米商務省が発表した3月の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は市場予想を上回り、インフレ鈍化ペースは想定以上に減速。利下げ先送り観測も一段と進行し、円安ペースは加速。
米3月PCEは前年比+2.71%。市場予想の+2.6%を上回り、前月も0.21%上回って続伸、10月以来5ヵ月ぶりの高水準に。
コアPCEは前年比+2.82%。市場予想の+2.7%を上回り、前月からは-0.02%、わずかに低下して14ヵ月続落。2021年3月(2.26)以来、3年ぶりの低水準。
住宅とエネルギーを除くサービス価格、スーパーコアPCEサービス(SPコアs)は前年比+3.49%。前月から+0.07%の小幅反発で2ヵ月ぶりの高水準、3年間では3番めの低水準。
セクタ別ではサービス価格が前年比+4.0%。2年半で最低となった12月と2月の3.9%からは上昇。モノの価格は+0.1%。2ヵ月続伸で3ヵ月ぶりプラス圏。
ダラス連銀発表のトリム平均PCEは前年比+3.04%。前月から-0.09%、11ヵ月続落で2年5ヵ月ぶりの低水準。
クリーブランド連銀発表のメディアンPCEは+3.49%。前月から-0.16%、12ヵ月続落で2年4ヵ月ぶりの低水準。
サービス価格の下げ渋りが続き、インフレ圧力に。

なお、ミシガン大発表の1年先のインフレ期待は4月確報値で3.2%となり、速報の3.1%から上方修正。3月の2.9%からは急上昇、昨年11月以来5ヵ月ぶりの高水準。
インフレ鈍化ペースが鈍く、市場が予想するインフレ予想も高止まり、市場が予想する利下げ開始予想も後ズレへ。
市場が予想するドル高ペースは高止まり、これに呼応するように、市場が予想する円安ペースも一段と加速?

26日のNY金は+4.7ドル、0.2%の小幅続伸。終値ベースで最高値となった4月19日(2413.8)以来、1週間ぶりの高値。アジア時間序盤に一時2340ドル割れの安値をつけて反発へ、米10年債利回り低下にも連れてロンドン序盤には前日高値を上回り、2360ドル台半ばまで上昇してこの日の高値。NY市場にかけてはドル高の流れにも押される格好となって軟調推移。米3月PCEの上振れなど、インフレ高止まり懸念が強まってドル一段高とともに一時2340ドル近辺までの一段安、それでもNY引けにかけては2350ドル近辺へと下げ渋り。3日前に下ヒゲでつけた今週安値2300ドルの大台付近が当面の底値となる可能性も残しつつ、次週は月末月初の重要指標ウィークにFOMC経由雇用統計。下押し圧力が強まれば2300ドル近辺再トライの可能性も、反発局面継続となれば最高値(2448.8)から4月安値(2304.6)の38.2%戻し(2359.7)を再度しっかり上抜けて半値戻し(2376.7)トライへも。
週間ベースでは-66.6ドル、2.76%安で5週ぶりの反落。今年最大で12月初旬以来、4ヵ月半ぶりの大幅安。

NYプラチナは+1.6ドル、0.17%の小幅続伸。前日NY市場でつけた安値(905.5)からの反発基調が続いたアジア時間には920ドル台半ばから堅調推移、前日高値を上抜けながらも930ドル台半ばで失速するとロンドン・NY市場にかけては920ドル台へと押し戻される格好に。今年高値(1020.5)から4月安値(905.5)の23.6%戻し(932.6)達成で力尽き、90日移動平均線(930.4)と200日移動平均線(926.1)上抜けにも失敗。下ヒゲ陽線の翌日に上ヒゲ陰線となって失速、目先は200-90日線との攻防が反発に向けてのポイントにも。下方向には910ドルの節目を割れると下値トライ再開、3月半ば安値圏890ドル台までが下値目安。
週間ベースでは-21.7ドル、2.3%の続落。

ドル円は+265銭、1.7%の大幅高で3日続伸。1990年5月4日(158.36)以来、34年ぶりのドル高円安。上昇率は今年の絶対値平均0.32%の5.3倍、今年最大で昨年10月31日(+263銭、1.76%)以来、半年ぶりの急騰。155円60銭近辺で小康状態となったのは東京午前まで。日銀の現状時発表後には156円台へと急騰、156円20銭台で一服後は植田日銀総裁の「物価に円安が大きな影響を与えていない」発言を受けて156円80銭台まで一段高。介入警戒感なども含めて不安定な動きも見られ、一時155円割れへの急落を挟みながらもドル高円安優勢の流れはロンドン・NY市場へと受け継がれて一段高。米3月PCE上振れにも反応は限定的となったものの、ミシガン大の1年先インフレ期待も上方修正されるなどドル高サポート材料も続き、NY午後には157円台、NY終盤には158円台へと一段高。RSIは93.9%まで上昇も過熱感無視の状態も続き、心理的節目と37年ぶり円安となる160円台も視野に。調整目安としては3月安値(146.48)から4月高値(158.44)の23.6%戻し(155.62)、38.2%戻し(153.87)など。
週間ベースでは+3.65円、2.36%の大幅高で4週続伸。年初の週(+3.61円、2.56%)以来、3ヵ月半ぶりの急騰。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/26終値とチャート

2024年4月27日(土)時点の相場
国内金12,779 円 4/26(金) ▲98(0.77%)
国内プラチナ4,999 円 4/26(金) ▲94(1.92%)
NY金2,347.2 ドル 4/26(金) ▲4.7(0.20%)
NYプラチナ922.1 ドル 4/26(金) ▲1.6(0.17%)
ドル円158.29 円 4/26(金) ▲2.65(1.70%)

4/26(金)のその他主要マーケット指標

ユーロ圏4月景況感指数、主要国で100超はスペインのみ 4/30(火)

日銀現状維持+PCE上振れ=158円、37年ぶり円安も視野に 4/27(土)

「34年ぶり円安」の次に予想される事態 4/26(金)

ドイツIFO景況感4月は全業種で回復基調継続 4/25(木)

製造業PMIは50割れ、米4月総合PMIは急失速で米欧逆転 4/24(水)


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