金プラチナ短期相場観

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ISM製造業50割れ、求人件数減少、ハト派FOMC後には為替介入?

更新日:2024年5月2日(木)

米求人件数 2024年3月雇用統計直前、関連指標はADP雇用者数こそ堅調な結果となったものの、低調な結果も。
4月のISM製造業景況指数は節目50割れ。49.2となって1年5ヵ月ぶりに節目50を回復した3月から反落。3月がたまたま、一時的な回復に過ぎなかった可能性への警戒感も。
構成指数でも、
雇用は48.6となり、7ヵ月ぶりの高水準ながら7ヵ月連続の節目50割れと低調。価格指数は急騰、60.9となって1年10ヵ月ぶりの高水準。インフレ警戒感が景況感を押し下げた可能性。

また、3月の求人件数は848.8万件。市場予想の868.0万件を下回り、2月の881.3万件からは大幅減、2021年2月(781.8)以来、3年1ヵ月ぶりの低水準。20ヵ月連続で前年割れとなり、7ヵ月連続で前年比-10%超と減少傾向が継続。
この結果、求人倍率は1.320件(失業1人当たり)となり、2021年8月(1.313)以来、2年7ヵ月ぶりの低水準。
労働需給ひっ迫の緩和が進行するなかでも、インフレ警戒感の高止まりは継続中。

6会合連続でFF金利据え置きを決めたFOMC後の会見でも、パウエルFRB議長はインフレ高止まりを懸念、利下げに時間を要することを示唆し、一部で懸念された追加利上げの可能性も否定。
ハト派的となったFOMCを通過して一服、という状態で再び為替介入と思われる急変動も。週末の雇用統計後への警戒感も高まり、長い一週間がもう少し、続きそうです。


1日のNY金は+8.1ドル、0.35%の反発。アジア時間には前日安値を下回り、4月5日安値(2286.2)以来4週間ぶり安値となる2290ドル付近まで下げて切り返し。ロンドン序盤に2300ドルの大台を回復するとNY朝には米4月ISM製造業景況指数の下振れを受けて2320ドルまで上昇、2310ドル付近まで戻してNY引け後、FOMC結果とパウエルFRB議長会見を経て一時2340ドル付近まで急騰。若干の乱高下を挟みながらも時間外は2330ドル台で推移。4月最高値(2448.8)から5月安値(2291.7)の23.6%戻し(2328.8)を達成した状態で週末イベントへ。もう一段の反発目標は38.2%戻し(2351.7)近辺、2360ドルの節目を突破すると61.8%戻し(2388.8)近辺までが次の上値目標に。下方向には2300ドルの大台を割れると2280ドル近辺まで、5月安値更新へ。

NYプラチナは+6.7ドル、0.71%の反発。アジア時間の940ドル台前半が安値となって反発へ、ロンドン序盤に950ドル台、NY市場では960ドルの節目との攻防となってこれを突破すると一時970ドル手前まで上昇。NY午後には950ドル台半ばまでの反落を挟み、NY引け後のFOMC通過で960ドル台後半へと上値再トライの兆し。このまま960ドルの節目超えを維持できれば反発局面再開へ、短期上値目標は990ドル近辺まで。下方向には940ドル台が節目となり、これを割り込むようだと反発局面も腰折れ、910ドル台辺りまでを目安に下値トライへ。

ドル円は-341銭、2.16%の大幅反落で4月17日(154.38)以来、2週間ぶりの安値。下落率としては今年の絶対値平均0.36%の6倍、今年最大で昨年12月7日(-3.18円、2.16%)以来、5ヵ月ぶりの急落。FOMC前の高値は欧州時間の157円90銭台まで、158円ラインで上値を押さえられ続けて軟調方向へ、NY朝にはISM製造業景況指数が予想外に低調となったことを受けて157円30銭台まで下落。157円半ばまで戻してFOMC、予想通り据え置きに小幅乱高下の反応後にはややハト派となったパウエルFRBの議長会見を経て157円付近まで下落。NY終盤には157円半ばまで戻したところで介入と見られる売りで153円近辺まで急落。その後は154円台へと買い戻され、今朝の東京市場では156円回復トライ。水準的には156円30銭の節目下抜けに伴う短期下値目安154円近辺に到達、1円ほどオーバーランして巻き戻し、という状態に。目先、158円ラインが上限となり、154円近辺再トライの可能性も残して雇用統計待ちへ。予想外の結果にドル安円高方向に振れた場合には3度めの介入への警戒感も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/1終値とチャート

2日の国内金価格は+37円、0.29%の反発。下値を切り上げる形で下げ渋りも、下落基調の9日移動平均線(12793)にもまだ届かず。12730円の節目を割り込むようだと一段安の展開へ、4月末安値(12668)も下回って12650円近辺までが短期下値目安に。9日線を上抜けて反発局面継続なら最高値(12996)から4月末安値の半値戻し(12832)近辺までが目先の上値目標。12860円の節目を突破できれば76.4%戻し(12919)近辺までが次の上値目標。
週間ベースでは-10円、0.08%の続落。続落は今年初、12月以来4ヵ月半ぶり。

国内プラチナ価格は+57円、1.11%の反発で4月16日(5203)以来、半月ぶりの高値。NYプラチナの堅調推移に支えられて5180円の節目を上抜け、流れも好転して上値トライ再開へ、今年高値(5233)更新が目先の上値目標に。少し勢いづけば5300円の大台回復トライへも。下方向には5140円の節目を割れると5060円近辺までの下押しも。
週間ベースでは+201円、4.02%の大幅高で3週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格5/2とチャート

2024年5月2日(木)時点の相場
国内金12,769 円 5/2(木) ▲37(0.29%)
国内プラチナ5,200 円 5/2(木) ▲57(1.11%)
NY金2,311.0 ドル 5/1(水) ▲8.1(0.35%)
NYプラチナ954.9 ドル 5/1(水) ▲6.7(0.71%)
ドル円154.40 円 5/1(水) ▼3.41(2.16%)

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