金プラチナ短期相場観

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金の底堅さはインド並、新興国通貨と金プラチナの年間騰落率比較

更新日:2015年9月11日(金)

新興国通貨と金プラチナの年間騰落率比較 2015年9月米国の利上げもいよいよ目前か、との見方も再び強まり始めた9月、新興国通貨は安値更新が続いています。インドルピーは7日に2年ぶり安値、ブラジルレアルは10日に約13年ぶり安値、インドネシアルピアは10日に17年ぶり安値、南アランドは7日、トルコリラは9日にそれぞれ過去最安値を更新しています。

過去3年間の対ドルレートでの年間騰落率を比較してみました。2015年は9月10日時点、金とプラチナは1ドルあたりの重量に換算し、通貨は1ドルあたりの各国通貨レート。数値が大きいほど、対ドルで安くなっていること、売られたことを示します。

例外的に突出しているのは2014年のロシアルーブル。年末にかけての原油急落とウクライナ問題での経済制裁などが大きく影響してのルーブル急落。2015年のブラジルレアルも汚職絡みの政治問題、失政を繰り返すルセフ大統領への不信感の高まりと原油・商品安によるリセッション入りなどが響き、昨日にはスタンダード・アンド・プアーズがブラジル国債の格付けをジャンク級へと引き下げる状況となっています。
トルコリラについても、今年の下落には政治の不安定さとイスラム国やシリア、クルド人問題などの地政学リスクが大きく影響。

それらの個別状況を除外するなら、2013年に39.38%安となった金の下落率は突出しています。
米国の量的緩和縮小懸念が拡大した2013年には、バーナンキショックによる新興国通貨安の流れが加速する前、4月の暴落をスタートに緩和フェーズ終了を先取りするように金の下落が進行しました。
緩和縮小懸念で同じ2013年に金に続く下落率となったのはインドネシアルピア、南アランド、トルコリラ。いずれも20%超の大幅下落。
しかし、2年後の今年、ルピア安もランド安も進行してはいますが、今のところは2013年ほどの自国通貨安には至っていません。トルコリラについても、特殊事情がなければもう少し売られ方も鈍化していた可能性もありそうです。

ブレジルレアルについては、国内問題に加え、2013年にそれほど通貨安が進まなかったことが逆に今年のレアル安を加速させた要因の一つとなっている可能性もあるのかもしれません。
国内経済も比較的良好なインドルピーは2013年の下落率は相対的には小幅ですが、ルピーとしてはそれなりに売られたこともあり、今年の下落率はさらに限定的となっています。
2013年に売られ過ぎた金も、今年の下落幅は限定的となり、インド並の底堅さを見せる状況となっています。

インドルピーを除く新興国通貨は利上げ実施に伴い、もう少し売られる可能性は高そうですが、インドルピーと金については、利上げに伴う下落幅も比較的限定的となる可能性も十分に想定されそうです。

NY金・日足チャート 2015/8/11 - 9/1010日のNY金相場は6営業日ぶりの反発で0.66%高。米8月の輸入物価指数低下などのマイナス材料にドル売りが進んだ局面で水準を切り上げた形。1120ドル割れからの下落メドとしては1100ドルを割れたとしても1090ドル台後半までと予想されたこともあり、下げ基調は一服。ただし、下落トレンド中の戻り局面を形成した形となり、再び売り圧力が強まり、1100ドルをしっかりと割り込んだ場合には下値トライの勢いが加速する可能性も。その場合には少なくとも今年安値圏、1080ドル近辺までの下落確率は比較的高めか。トレンド転換の目安は1140ドル。

NYプラチナ・日足チャート 2015/8/11 - 9/10プラチナ相場は前日比変わらず。しかし、高値では1000ドルに届かず、安値では980ドルを割り込むのはいずれも8月26日以来、半月ぶり。水準を切り下げる形で再び1000ドルの大台ラインが抵抗水準となる可能性も。ゆっくりと下落トレンドが進み始める状況となり、このまま流れが大きく変わらなければ今年安値圏950ドル前後を目指す確率が徐々に高まることに。1000ドルの大台をしっかりと上抜けできれば流れも変わることに。

ドル円・日足チャート 2015/8/12 - 9/10ドル円は0.1%の小幅ドル高円安で4日続伸。日銀の追加緩和期待の高まりから10日ぶりに121円30銭台まで上昇して反落。200日移動平均などの重要ポイントが集中する120円70銭台を割り込んで引けたことで上値の重さも残るところ。それでも120円台半ばを維持し、今朝も後半へと堅調推移傾向。円高リスクはかなり後退し、当面の目標水準122円付近を目指す可能性も高まってきた様子。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/10終値とチャート

11日の国内金価格は0.87%のしっかり反発。大荒れ状態が続いた世界のマーケットも徐々に落ち着きが見られ始め、国内金価格の乱高下状態も収束方向へ。目先の大幅下落への可能性もいったん大きく後退し、4580円をサポートラインとして保ち合い形成へ。あらためてこのラインをしっかりと下抜けるようなら、4500円台前半辺りまで下落余地拡大の可能性。4650円の上限超えなら4700円台へ。
週間ベースでは-25円(0.54%)となり、3週続落。

プラチナも1.11%の反発。今年安値圏での乱高下を経て、8月後半からの下値トライの流れも収束が近づく状況。それでも4050円のサポート水準を割り込むようなら安値更新で4000円割れへと向かう可能性は高まり、流れが大きく変わる為には4190円超えが必要。
週間ベースでは-64円(-1.53%)で3週続落。
※参考:金プラチナ国内価格9/11とチャート

2015年9月11日(金)時点の相場
国内金4,628 円 9/11(金) ▲40(0.87%)
国内プラチナ4,107 円 9/11(金) ▲45(1.11%)
NY金1,109.3 ドル 9/10(木) ▲7.3(0.66%)
NYプラチナ981.2 ドル 9/10(木) +-0.0(0.00%)
ドル円120.62 円 9/10(木) ▲0.12(0.10%)

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