金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

失業保険申請件数も予想以上の好結果でドル高をサポート

更新日:2023年7月21日(金)

フィラデルフィア連銀製造業景況指数+期待指数 2023年7月米新規失業保険申請件数は22.8万件となり、2週連続の減少で9週ぶりの低水準。4週移動平均は3週連続減となって6週ぶりの低水準。
失業保険継続受給者数は175.4万人で4週ぶりの高水準となったものの、4週移動平均では10週連続の減少で2月以来、5ヵ月ぶりの低水準。
米労働市場は予想以上の堅調持続を示唆。これがドルの反発をサポートした格好に。

同時刻に発表されたフィラデルフィア連銀製造業景況指数は低調。7月は-13.5となり、市場予想の-10.0を下回り、6月の-13.7からはわずかに上昇。これでマイナス圏推移は11ヵ月連続となり、この半年間は-10以下での低迷。なお、マイナス圏推移11ヵ月連続は2001年以来、22年ぶり。
構成指数では新規受注が3ヵ月ぶり低水準、出荷が4ヵ月ぶり低水準と低調、雇用はプラス圏回復目前での小反落となって5ヵ月連続のマイナス圏推移と低迷。
仕入価格指数は6月の10.5から7月は9.5へと小幅低下も、4ヵ月連続10ポイント前後の推移となって下げ渋り、販売価格は0.1から23.0へと急上昇で半年ぶり高水準。インフレ鈍化基調は急ブレーキ状態。

そんななか、向こう半年の見通しを示す期待指数は29.1となって1年11ヵ月ぶりの高水準。前月比+16.4は前月の+23.0に続き、過去2年間で2番めの急騰、2ヵ月合計では2009年以来の急騰局面を形成。
景況感の低迷は続くものの、見通しは急速に楽観方向へと向かっているようです。

NY金・日足チャート 2023/6/14 - 7/2020日のNY金は-9.9ドル、0.5%の下落。アジア時間には1980ドルから10ドル程の上値トライ、2日前の高値をわずかに上回りながらも1990ドルには届かず失速。上ヒゲで1990ドル付近の高値を2度つけるダブルトップを形成しての反落局面では、ロンドン市場で1980ドル台半ばへ、NY市場では米失業保険申請件数の予想外の減少などを受けて長期金利上昇とドル高の流れにも連れて急落、安値では1970ドル割れ。NY引けにかけては1970ドル台を回復も、ダブルトップのネックラインとなる前日安値1973.3ドルを下回ってダブルトップを完成。ダブルトップの値幅20ドル弱下落した場合の下値目安1950ドル台までが目先の下値サポートにも。6月安値(1900.6)からこの日の7月高値(1989.8)までの38.2%戻し(1955.7)近辺で下げ止まらない場合には61.8%戻し(1934.7)近辺までが下値目安に。逆に1980ドル台の抵抗水準を突破することができれば大台トライへ、2000ドル近辺までが短期上値目標に。

NYプラチナ・日足チャート 2023/6/14 - 7/20NYプラチナは-20.7ドル、2.1%の大幅続落で7月12日(956.6)以来、1週間ぶりの安値。時間外序盤には1980ドル台後半へと小反発、この日の高値をつけると戻り売り。ロンドン市場では1980ドル近辺で下げ渋るも、NY市場では金の急落局面に追随、970ドル割れへと急落し、安値では960ドル付近まで下げてNY引け後には960ドル台後半へと小反発。6月安値(894.2)から7月高値(1003.7)までの38.2%戻し(961.9)を達成し、調整一服となれば1000ドルまでのレンジで保ち合い形成にも。調整局面継続の場合には、鍋底を形成した保ち合い上限にも相当する61.8%戻し(936.0)近辺までが意識される可能性。

ドル円・日足チャート 2023/6/16 - 7/20ドル円は38銭のドル高円安、0.27%高で3日続伸。7月11日(140.36)以来、10日ぶり高値水準での一段高。140円トライに2度失敗した前日の失速感を引き摺る状態となった東京朝には、139円60銭台から139円10銭近辺まで下落して下げ渋り。欧州時間にかけてゆるやかに反発し、139円台半ばでの保ち合いを経てNY市場では一段高。失業保険申請件数の好結果をきっかけに140円再トライへ、これを突破するとNY午後には高値で140円50銭近辺まで上昇。ただしこの水準では上値も重く、140円20銭近辺へと急落するとNY終盤にかけて140円10銭近辺へ。6月高値(145.07)から7月安値(137.24)までの38.2%戻し(140.23)を達成して一服状態となり、ちょうどこの水準が目先の抵抗水準にも。これをしっかり上抜けると50%戻し(141.16)から61.8%戻し(142.08)近辺を目指す流れとなる可能性も、戻り売り圧力が強まるようだと23.6%戻し(139.09)から138円の節目を目指す流れとなる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/20終値とチャート

21日の国内金価格は-15円、0.15%安で4日ぶりの反落。7月最高値(9772)から7月安値(9499)までの急落幅に対し、76.4%戻し(9708)をほぼ達成して急反発局面一服。次週後半の米欧日、金融政策会合を控えて徐々に警戒感を高めながらの様子見状態にも。そんな状況下でも目先、9710円の節目を超えると最高値更新トライへ、9780円台辺りまでが短期上値目標に。ほぼ水平状態の21日移動平均線(9648)近辺がサポート候補。
週間ベースでは+192円、2.02%高で3週ぶりの反発。2%超の上昇は2ヵ月半ぶりで今年6回め。

プラチナ価格は-69円、1.46%の続落。21日移動平均線(4616)を上抜けた9日移動平均線(4628)から4650円付近までのサポート帯候補付近に接近し、調整一服となりやすい状況にも。反発局面再開に向けては4770円の節目上抜けが必須となり、そうなれば90日移動平均線(4787)を上抜けて4800円台回復へ、5月高値(5197)から7月安値(4506)の半値戻し(4852)近辺までが短期上値目標に。
週間ベースでは+6円、0.13%の続伸。
※参考:金プラチナ国内価格7/21とチャート

2023年7月21日(金)時点の相場
国内金9,691 円 7/21(金) ▼15(0.15%)
国内プラチナ4,657 円 7/21(金) ▼69(1.46%)
NY金1,970.9 ドル 7/20(木) ▼9.9(0.50%)
NYプラチナ964.1 ドル 7/20(木) ▼20.7(2.10%)
ドル円140.08 円 7/20(木) ▲0.38(0.27%)

7/20(木)のその他主要マーケット指標

NY金と円安、ダブルサポートで国内金は最高値更新再トライ 7/22(土)

失業保険申請件数も予想以上の好結果でドル高をサポート 7/21(金)

米住宅着工件数、許可件数ともに長期平均付近で下げ渋り 7/20(木)

鉱工業生産は2ヵ月連続0.5%減、2ヵ月連続前年割れ 7/19(水)

NY連銀製造業景況指数7月は予想を上回ってプラス圏維持 7/18(火)


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