金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

日銀YCC柔軟化を受けて市場は乱高下、国内金も弾力的に急反発

更新日:2023年7月31日(月)

良く言えば、政策変更前の準備段階としては絶妙な一手。悪く言えば、市場を翻弄するごまかしの言葉遊び。
YCC撤廃の前段階としては、長期金利の許容変動範囲拡大が大方の予想で、焦点としてはその変更タイミング。という状況下での、意表を突く対応。
結果的にはYCC撤廃に向けて大きく前進した可能性も。ただし受け止め方次第で、如何様にも取れる眉唾な政策調整に踏み切った日銀の対応を受け、週末の市場は乱高下。
木曜深夜、金曜早朝に日銀の政策変更の可能性報道を受けて141円10銭近辺から急落したドル円は、金曜正午過ぎの日銀政策修正対応発表を受けて乱高下、安値では138円近辺まで下げて切り返し、週末のNY市場ではインフレ鈍化の逆風下でも141円10銭台まで戻して終了。ドル円の水準だけは、何事もなかったかのうように日銀騒動前の水準に戻しての週明け。東京市場朝は一服感から140円70銭近辺まで下押し後に141円台半ばへと一段高。
週明け時間外のNY金は1990ドル台後半での小動き、NYプラチナは940ドル台半ばで小幅保ち合い推移。

国内金価格・日足一目均衡表 2023年7月31日31日の国内金価格は+167円、1.75%の大幅高となって3日ぶりの反発。上げ幅としては今年の絶対値平均46円の3.6倍、今年3番めの急騰。今年最大の急落となった週末の下げ幅200円の83%超を買い戻す形となり、右肩上がりの90日移動平均線(9524)にサポートされての反発で21日線(9654)、9日線(9689)をまとめて上抜け、強気のパーフェクトオーダーを構成。流れとしては最高値更新再トライをうかがう勢いに。中銀ウィーク通過で一服感もありながら、9740円の節目を上抜けるようなら最高値更新トライへ、短期上値目標は9800円台へ。
月間ベースでは-5円、0.05%の小幅安で5ヵ月ぶりの反落。

一目均衡表では週末の乱高下で二役逆転、一役揉み合い状態から急反発。週明けは基準線(9636)に転換線(9642)、雲の上限(9655)もまとめて上抜けて三役好転へと回帰。
急落局面では、雲の下限(9522)にサポートされたタイミングでは遅行線も雲の上限にサポートされ、価格水準としては90日移動平均線、4月末以降の下値サポートラインにも支えられた格好となり、今後も9500円台前半から後半へと水準を切り上げるこれらのラインが、強めのサポート帯を構成する可能性も。
なお、ダブルトップ完成後にはダブルトップの値幅分だけ下落して切り返し、その後はトリプルトップの可能性を残しての急落もネックライン付近で切り返す形となり、今度は逆三尊の形状を残して最高値をうかがう状況に。最高値更新となれば逆三尊完成。単純計算で逆三尊の値幅(273)分だけさらに上昇した場合には9995円。中期的には大台トライが意識される可能性も。

国内プラチナ価格・日足一目均衡表 2023年7月31日プラチナ価格は+34円、0.75%高で3日ぶりの反発。4700円の節目割れに伴う短期下値目安4600円近辺を突き抜けての急落後の反発は、4600円にも届かず限定的に。反発局面継続に向けては4600円の大台を回復してさらに水平状態の21日移動平均線(4625)回復が目安に。逆に4540円台を維持できないようだともう一段の下値トライへ、7月安値圏4500円近辺までが短期下値目安に。
月間では+23円、0.5%高で3ヵ月ぶりの反発。

一目均衡表では1週間前の一役好転状態から、転換線(4656)と基準線(4634)を下抜けて三役逆転。遅行線は26日前の価格ライン急落に伴い、上抜け楽勝と思われた状態から26日前の価格ラインに沿ってまさかの急落。今年高値となった5月高から上値を切り下げるレジスタンスラインにしっかり上値を押さえられた格好。しかし、今年安値となった2月安値からゆるやかに下値を切り上げるサポートラインに下値を支えられて下げ渋り。今年高値と安値起点の中期三角保合い先端部分に位置する状態となり、8月相場は年後半のトレンドを左右する、重要な攻防へ。
※参考:金プラチナ国内価格7/31とチャート

2023年7月31日(月)時点の相場
国内金9,696 円 7/31(月) ▲167(1.75%)
国内プラチナ4,583 円 7/31(月) ▲34(0.75%)
NY金1,999.9 ドル 7/28(金) ▲54.2(2.79%)
NYプラチナ943.7 ドル 7/28(金) ▼1.3(0.14%)
ドル円141.17 円 7/28(金) ▲1.62(1.16%)

7/28(金)のその他主要マーケット指標

ユーロ圏消費者物価は1年半ぶり低水準、国別では1-10% 8/1(火)

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