金プラチナ短期相場観

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ガザ危機でリスク回避の金買い、急落の国内金も急反発

更新日:2023年10月10日(火)

パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスにがイスラエルへ大規模攻撃、イスラエルも報復としてガザを空爆。中東情勢に緊張が高まった週末を経て、週明け9日には原油価格が急騰。リスク回避の流れでNY金も急騰。
NY金・日足チャート 2023/9/5 - 10/99日のNY金は+19.1ドル、1.04%高の続伸で9月29日(1866.1)以来、10日ぶりの高値。週末の1840ドル台から1860ドル台へと水準を切り上げて週明け時間外をスタートすると、ロンドン・NY市場にかけてもほぼ1860ドル台半ばを中心に小幅揉み合い推移。NY引け後には、ジェファーソンFRB副議長が米長期金利上昇への警戒感から引き締めに対して慎重姿勢を示し、ダラス連銀ローガン総裁も追加利上げの必要性低下に言及したことを受けたドル安の流れにも連れて1870ドル台へと上昇。長期化も懸念される中東情勢緊張と、FRBのタカ派姿勢軟化の兆しを受け、週末の安値1820ドル台で当面の底打ちとなった可能性も高まり、5月の今年高値(2085.4)から10月安値(1823.5)の23.6%戻し(1885.3)近辺までがもう一段の反発継続目安にも。インフレ動向次第では1900ドルの大台回復も視野に。

NYプラチナ・日足チャート 2023/9/5 - 10/9NYプラチナは+7.3ドル、0.83%の続伸で9月29日(915.9)以来、10日ぶりの高値。時間外序盤の870ドル台後半が安値となり、アジア時間には急騰のNY金に追随する形で890ドル台後半まで上昇。これが高値となってロンドン・NY朝にかけて失速、それでも880ドル付近で下げ渋るとNY午後には880ドル台後半、NY引け後には890ドル台へと反発。週末の安値850ドル台で底打ちした可能性を示唆しての反発基調継続で9日移動平均線(889.0)を上抜け。目先、900ドルの大台から20日移動平均線(908.6)がもう一段の上値目安にも。

ドル円・日足チャート 2023/9/5 - 10/9ドル円は77銭のドル安円高、0.52%の反落。週末の反発分を帳消しにして149円割れ。週末の149円30銭近辺から、中東情勢緊迫化となった週末を挟んで149円近辺へと水準を切り下げての週明け。祝日の東京時間から欧州時間にかけては概ね149円10銭を挟んでのの小幅揉み合い推移。リスク回避の円高の流れはそれほど強まらない様子となったものの、NY時間からドル安円高の流れが強まり、149円割れから148円50銭近辺まで急低下。ジェファーソンFRB副議長やダラス連銀ローガン総裁のハト派発言なども下押し圧力となった様子で、NY午後にかけても148円50銭台から40銭台へと軟調気味に推移。今朝の東京市場にかけても148円50銭の節目との攻防状態となり、このまま20日移動平均線(148.51)も下回って節目割れとなれば調整局面拡大へ、7月安値(137.24)から10月高値(150.16)の23.6%戻し(147.11)、147円近辺までが短期下値目安に。下げ渋って切り返す展開となった場合、149円30銭へと切り下げた抵抗水準を突破すると高値更新トライへ、150円台半ば辺りまでが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/9終値とチャート

国内金価格・日足一目均衡表 2023年10月10日10日の国内金価格は連休前から+212円、2.23%高となって10日ぶりの反発。上げ幅としては今年の絶対値平均46円の4.6倍、今年最大で昨年3月9日(+219円、2.71%)以来1年7ヵ月ぶりの急騰。2月安値(8605)から9月最高値(10063)の38.2%戻し(9506)付近に到達し、中期的に重要なサポート水準9500円で反発。9日移動平均線(9704)を上抜け、9月最高値から10月安値(9512)の38.2%戻し(9722)を達成して一服感も。目先、ほぼ水平状態の90日移動平均線(9744)を回復できれば短中期トレンドも中立状態回復へ。

一目均衡表では先週までの急落で三役逆転。4月以降の上昇チャネル形成から、夏場には上限ラインを上抜けて過熱気味に最高値更新。と同時に斜行三角保合いを形成して急反落警戒感を高め、9月末から急落局面に。4月安値(9341)から9月最高値(10063)の76.4%戻し(9511)ラインを下限とし、上値を切り上げ続けた上限ラインとでレンジを拡大し続ける、逆三角保合いを形成。足下ではこの下限ラインで反発し、雲の下限から上限、転換線と基準線、90日移動平均線など複数の節目が集中する抵抗帯との攻防へ。これを突破すると最高値圏再トライへと向かう可能性も、反落となれば逆三角保合い下限ライン再トライへも。予測不能な逆三角保合いに地政学リスクも加わり、急変動への警戒感も高止まり。

国内プラチナ価格・日足一目均衡表 2023年10月10日プラチナ価格は+141円、3.14%高で5日ぶりの反発。10月2日(4741)以来、1週間ぶりの高値。上げ幅としては今年の絶対値平均50円の2.8倍、5月10日(+146円、2.89%)以来5ヵ月ぶりで今年2番めの急騰。8月安値(4461)手前で切り返す形となり、7月安値(4506)と合わせて逆三尊形成の可能性を残しての反発。9日移動平均線(4619)を上抜け、弱気パーフェクトオーダーも解消。8月末高値(4965)から10月安値(4484)の38.2%戻し(4668)、21日移動平均線(4669)近辺までがもう一段の上値目安にも。

一目均衡表では転換線(4613)だけを上抜けて二役逆転で一役揉み合い状態に。90日移動平均線(4696)に基準線(4699)、雲の下限(4713)、上限(4755)などが抵抗帯を形成。これを挟んで5月以降上値を切り下げる抵抗線と、2月以降下値を切り上げるサポートラインとで中期三角保合い傾向に。なお、下値は2月安値から5月高値の76.4%戻し(4503)ラインが下限と見ることも可能となり、逆三尊の可能性も含め、やや強めの下値サポートを形成しつつある可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格10/10とチャート

2023年10月10日(火)時点の相場
国内金9,724 円 10/10(火) ▲212(2.23%)
国内プラチナ4,625 円 10/10(火) ▲141(3.14%)
NY金1,864.3 ドル 10/9(月) ▲19.1(1.04%)
NYプラチナ888.8 ドル 10/9(月) ▲7.3(0.83%)
ドル円148.52 円 10/9(月) ▼0.77(0.52%)

10/9(月)のその他主要マーケット指標

NY連銀9月インフレ期待は1年先も3年先も上昇 10/11(水)

ガザ危機でリスク回避の金買い、急落の国内金も急反発 10/10(火)

想定外の雇用大幅増、ドル高で追加利上げ観測も再燃 10/7(土)

減少続くドイツ2023年輸出入、輸出見通しはさらに悪化も 10/6(金)

民間雇用の伸びは急減、ADPは2年8ヵ月ぶり低水準 10/5(木)


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