金プラチナ短期相場観

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PPIは3ヵ月続伸、原油価格も3ヵ月続伸でCPIにも上昇圧力

更新日:2023年10月12日(木)

生産者物価PPI×消費者物価CPI×NY原油価格 2023年9月米9月の生産者物価指数、PPIは市場予想を上回る伸び率となり、瞬間的にはドル高の流れに。しかし翌日に控えた消費者物価、CPIの結果を確認するまでは大きな動きにはなり得ず、値動きは限定的に。

9月のPPIは前年比+2.17%。市場予想の+1.6%を大幅に上回り、8月の+1.95%からも上昇。2年10ヵ月ぶり低水準となった6月(0.19)からは3ヵ月続伸、4月(2.26)以来5ヵ月ぶりの高水準。PPIとしては底打ち後のインフレ再加速が進行。
食品とエネルギー関連を除いたコアPPIは前年比+2.67%。市場予想の+2.3%を上回り、8月の+2.54%からも上昇、7月(2.74)以来2ヵ月ぶりの高水準。2年5ヵ月ぶり低水準となった6月(2.46)を上回る水準での推移が3ヵ月連続。コアPPIとしては6月以降は2%台半ばで下げ渋ってほぼ横ばい推移。
食品とエネルギー関連、貿易サービスを除いたコア指数(コアPPI2)は前年比+2.79%。8月(2.87)からも小幅に低下して続落、2年4ヵ月ぶり低水準となった6月(2.75)以来、3ヵ月ぶりの低水準。これも6月以降は2%台後半で下げ渋ってほぼ横ばい推移。

エネルギー関連の価格上昇がPPIの総合指数を押し上げ、反発基調継続となった状況の背景には、原油価格の上昇が大きく影響。
NY原油価格は月間平均で6月の70.32ドルから、9月の89.32ドルまで3ヵ月続伸。この影響は、PPI経由で今後のCPIにも上昇圧力として作用することになりそうです。

NY金・日足チャート 2023/9/7 - 10/1111日のNY金は+12.0ドル、0.64%高で4日続伸。9月27日(1890.9)以来、2週間ぶりの高値。1870ドル台前半を中心に小幅揉み合い推移となったアジア時間から、ロンドン序盤には米10年債利回り低下に連れて1880ドル台へと上昇。NY朝には米9月PPIの上ブレを受けて一時1880ドル割れへと小幅に急落も、ドル高の巻き戻しにも連れて反発するとNY午後には高値で1890ドルまで上昇。NY引け後も1880ドル台後半を維持し、5月の今年高値(2085.4)から10月安値(1823.5)の23.6%戻し(1885.3)を達成。ゆるやかに下降する20日移動平均線(1897.9)から1900ドルの大台回復トライに向けてはCPIの鈍化も必要か。下げ止まった9日移動平均線(1854.9)が当面の下値サポート候補。

NYプラチナ・日足チャート 2023/9/7 - 10/11NYプラチナは+2.8ドル、0.31%の小幅高で4日続伸。9月29日(915.9)以来2週間ぶり高値圏で反発基調をなんとか維持したような格好にも。アジア時間には880ドル台半ばから890ドル台半ばまで上昇、ロンドン市場では一時880ドル割れへと反落も、NY市場では890ドル台へと切り返し。9月高値(995.0)から10月安値(856.8)の23.6%戻し(889.4)を達成した前日の高値(899.3)には届かなかったものの、9日移動平均線(885.8)を維持して下ヒゲ陽線を形成、900ドルの大台回復トライに向けた勢いも維持。大台回復できれば20日移動平均線(906.8)、38.2%戻し(909.6)などが次の上値目安に。

ドル円・日足チャート 2023/9/7 - 10/11ドル円は48銭のドル高円安、0.32%の続伸。東京朝は148円60銭台から40銭台まで下押し後に反発、東京市場終了時には149円付近まで上昇、欧州時間には米10年債利回り低下にも連れて148円60銭近辺まで下落。保合い下限となる148円50銭の節目手前で下げ渋るとNY市場では反発基調へ、米10年債利回り上昇にも連れてNY午後には149円30銭台まで上昇。しかし保合い上限となる149円30銭の節目近辺では上値も重く、NY終盤には149円10銭台へと失速。CPI確認後に保合い上抜けとなれば、短期上値目標は150円台半ば辺りまで。保合い下放れへと反落となれば調整へ、7月安値(137.24)から10月高値(150.16)の23.6%戻し(147.11)近辺、147円付近までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/11終値とチャート

12日の国内金価格は横ばい推移となった前日から+119円、1.22%上昇。9月28日(9866)以来、2週間ぶりの高値。2週間ぶりに90日移動平均線(9748)も上抜け、21日移動平均線(9842)も上抜け、9月最高値(10063)から10月安値(9512)の50%戻し(9788)も通過して61.8%戻し(9853)も目前に。中期逆三角保合い半ばに位置し、CPI通過後に新たな短期トレンドが形成されるようだと最高値更新、もしくは9500円近辺の中期下値サポート割れへと荒っぽい展開への警戒感も。

プラチナ価格は+51円、1.11%の反発で10月2日(4741)以来、10日ぶりの高値。下げ止まりつつある9日移動平均線(4605)を再び上抜けて弱気パーフェクトオーダーから脱却、4630円の節目も上抜けて一段高トライへの可能性も。短期上値目標は21日移動平均線(4666)も上抜けて90日移動平均線(4691)から4700円の大台付近まで。下方向へは4580円が当面のサポート、これを割り込むようだと4500円近辺を目安に下値再トライへ。
※参考:金プラチナ国内価格10/12とチャート

2023年10月12日(木)時点の相場
国内金9,843 円 10/12(木) ▲119(1.22%)
国内プラチナ4,635 円 10/12(木) ▲51(1.11%)
NY金1,887.3 ドル 10/11(水) ▲12.0(0.64%)
NYプラチナ893.0 ドル 10/11(水) ▲2.8(0.31%)
ドル円149.19 円 10/11(水) ▲0.48(0.32%)

10/11(水)のその他主要マーケット指標

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PPIは3ヵ月続伸、原油価格も3ヵ月続伸でCPIにも上昇圧力 10/12(木)

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