金プラチナ短期相場観

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インフレ鈍化も小売売上高・NY連銀製造業景況指数は好調

更新日:2023年11月16日(木)

NY連銀製造業景況指数 2023年11月前日のCPIに続いてこの日はPPIも予想を下回り、インフレ鈍化が意識される結果に。コアPPIは前年比+2.44%となって2021年1月(1.94)以来、2年10ヵ月ぶりの低水準。総合指数の前月比では小幅上昇予想に反して-0.5%となり、2020年4月以来3年7ヵ月ぶりの急低下。インフレ圧力後退を示唆する結果に。

しかし、同時刻に発表された米消費、景況感指数はいずれも好結果。
10月の小売売上高は前月比-0.1%となり、市場予想の-0.3%を上回り、9月分も+0.7%から+0.9%へと上方修正。7ヵ月ぶりの前月比マイナスも限定的に。
自動車を除く売上高は前月比+0.1%。これも市場予想の-0.2%に反してのプラス圏維持、9月も+0.6%から+0.8%へと上方改定され、7ヵ月連続で前月比プラス。

11月のNY連銀製造業景況指数は9.1。市場予想の-3.0を大幅に上回り、10月の-4.6からも急上昇で7ヵ月ぶりの高水準。7ヵ月ぶりに過去平均7.4も上回る水準に。
6ヵ月平均では-0.82となり、16ヵ月連続マイナス圏推移ながら、1年4ヵ月ぶり高水準。5月(-15.92)に底打ちして反発基調となり、プラス圏回復も目前。
構成指数では仕入価格と販売価格指数がいずれも4ヵ月ぶり低水準へと低下してインフレ鈍化を示唆、雇用指数はマイナス圏へと落ち込んで7ヵ月ぶりの低水準に。
期待指数は1年ぶりのマイナス圏へと急低下。設備投資は4ヵ月ぶり低水準となり、テクノロジー支出指数は3年半ぶりの低水準。
現況としては回復基調が続く好結果ながら、今後の見通しは急減速。ソフト・ランディングか否か、警戒感も高まる状況にも。

NY金・日足チャート 2023/10/12 - 11/1515日のNY金は-2.2ドル、0.11%の小幅安で3日ぶりの反落。アジア時間には1970ドルの節目を上抜けて堅調推移再開、ロンドン市場で前日高値を超えるとNY市場では一時1980ドル付近まで上昇。米10月PPIが予想を下回ったことを好感したような形となって小幅に急騰も、逆に小売売上高とNY連銀製造業景況指数が予想を上回ったことを受けて米長期金利が上昇した流れにも連れて急反落。安値では一時1960ドル割れ、自律反発も限定的となってNY引け後も1960ドル台前半での推移。20日移動平均線(1981.4)付近で上値を押さえられ、上ヒゲを残す形で1970ドルの節目上抜けにも失敗。ただし下値も90-200日移動平均線(1947.3-1948.4)を上回る水準を維持して反発局面継続余地を残すような格好にも。引き続き1970ドルをしっかり超えると一段高へ、2000ドルの大台付近を目指す流れに。サポートは90-200日線の下には1930ドル台、これを割り込んでしまうと下値トライ再開、1900ドルの大台付近を目指す流れへ。

NYプラチナ・日足チャート 2023/10/12 - 11/15NYプラチナは+9.2ドル、1.03%高で3日続伸、11月6日(917.6)以来の高値水準。890ドルを挟んでの小幅揉み合い推移となったアジア時間から、ロンドン・NY市場にかけては堅調推移。米指標発表後に急落となったNY金とは逆行、900ドルの大台を回復すると高値では910ドル手前まで上昇、NY引けにかけても900ドルを維持。10月高値(951.8)から11月安値(843.1)の61.8%戻し(910.3)付近で上値を押さえられ、20日移動平均線(903.6)上抜けにも失敗した格好ながら、大台を維持できれば上値再トライのチャンスも。次に意識されるのは76.4%戻し(926.1)。

ドル円・日足チャート 2023/10/12 - 11/15ドル円は98銭のドル高円安、0.65%の反発。東京朝に150円30銭近辺から150円70銭台まで反発して一服、午後から欧州時間にかけてもこのレンジ内でやや軟調気味の展開に。NY朝には米指標結果を受けて乱高下。売り方優勢となってつけた安値は150円ちょうど付近まで、1週間ぶり安値も大台割れを回避して切り返すと151円台へ、米10年債利回り上昇にも連れてNY午後には151円40銭台まで上昇。右肩上がりの20日移動平均線(150.45)にもサポートされる格好となって保合い下限を切り上げ、150円から151円80銭までが目先の主要レンジに。米指標結果に一喜一憂する展開も予想され、上方向へと抜け出すと一段高トライへ、153円台前半までが上値目標に。下方向へ150円割れとなった場合には調整局面入り再トライ、7月安値(137.24)から11月高値(151.91)の23.6%戻し(148.45)近辺、148円半ばまでが下値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/15終値とチャート

16日の国内金価格は+33円、0.32%高で3日続伸。11月6日(10468)以来、10日ぶりの高値。下げ止まった9日移動平均線(10409)を上抜けた21日移動平均線(10412)にサポートされて板挟み状態から抜け出した格好となり、保合い上抜けトライへの兆し。まだ勢いには欠けるものの、10440円超へと抜け出すことができれば一段高へ、10500円付近までを短期上値目標に水準を切り上げる可能性。

プラチナ価格は+78円、1.67%高で3日続伸。11月7日(4769)以来、1週間ぶりの高値。4700円の大台を回復し、21日移動平均線(4708)も上抜けて11月高値(4923)から安値(4521)の半値戻し(4722)も達成。61.8%戻し(4769)も目前ながら、一方的な流れとなりやすいプラチナは、キリの良い節目で流れが反転することもしばしば。
※参考:金プラチナ国内価格11/16とチャート

2023年11月16日(木)時点の相場
国内金10,433 円 11/16(木) ▲33(0.32%)
国内プラチナ4,755 円 11/16(木) ▲78(1.67%)
NY金1,964.3 ドル 11/15(水) ▼2.2(0.11%)
NYプラチナ902.0 ドル 11/15(水) ▲9.2(1.03%)
ドル円151.37 円 11/15(水) ▲0.98(0.65%)

11/15(水)のその他主要マーケット指標

失業保険は悪化、フィリー指数は予想上回るも低調でNY金反発 11/17(金)

インフレ鈍化も小売売上高・NY連銀製造業景況指数は好調 11/16(木)

インフレ鈍化で追加利上げ観測後退、ドル安急進でNY金急騰 11/15(水)

米賃金上昇率、10月中央値は下げ渋り、ゼロ賃金は上げ渋り 11/14(火)

米金融政策転換点に向け、急騰してきた国内金にも調整圧力 11/13(月)


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