金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

リスク回避で進む金とプラチナ逆行現象、逆鞘状態も過去最大

更新日:2016年1月21日(木)

NY原油相場が4カ月半ぶりの大幅下落となる6.71%安で、2003年5月以来12年8カ月ぶりの安値水準となる26.55ドルまで値を下げた20日。
日経平均は今年最大の下げ幅で日銀が追加緩和を決めた2014年10月31日以来1年3か月ぶりの安値水準となり、この時に大きく開けた窓を締め、日経平均先物は一時16000円の大台割れ。NYダウも8月25日以来の安値水準、ドイツDAXは2.8%の急落で1年と1カ月ぶり安値水準、英FTSEも3.4%の急落で3年2カ月ぶりの安値水準へと大きく水準を切り下げる展開。
外為市場でもロシア・ルーブルが2014年12月につけた対ドル最安値水準を更新し、1ドル=81.8ルーブル台となるなど資源国通貨売りドル高円高のリスク回避地合いが進行。
株安円高地合いは今朝にかけて大きく巻戻す形となり、年初から続いたリスク回避の流れはここに来てセリング・クライマックスを思わせるような急落、急反発の流れとなってきました。

この流れのなか、リスク回避で買われやすい金は買い優勢の流れ、金に追随しやすい側面と景気減速に伴う工業品需要減速懸念などで売られやすい側面も持つプラチナは売り優勢の展開で、金とプラチナの逆行現象が進行しています。
中長期的な流れでは非常に相関関係が強いNY金とNYプラチナの90日間相関係数は、20日時点で0.88954と相変わらず強めの相関関係を示していますが、30日間の相関係数は-0.2317と逆相関傾向を示し始めています。相関係数の水準としては、ほぼ無関係と言える水準ではありますが、近年最大のマイナス幅となり、実際の相場の方向性も逆行傾向を示し始めています。

この結果、金とプラチナの逆鞘状態も過去最大となり、NY金相場とNYプラチナ相場の価格差は287ドルへと拡大。国内現物価格も同様で、グラム単価で金はプラチナよりも1084円も高い状態に。
この価格差がピークで、今後縮小方向へと向かうなら、今回のリスク回避局面はセリング・クライマックスを迎えていた可能性も高まります。
逆に、さらに拡大傾向へと向かうようなら、さらなるリスク回避局面が訪れる可能性が高まることにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2015/12/17 - 1/2020日のNY金相場は1.57%の大幅反発。原油相場の一段安が牽引するリスク回避のセリング・クライマックス的な流れに安全資産買いが強まる展開。しかし、高値では1110ドルの抵抗水準を超えられず、株価などの反発とともにやや値を戻し1070-1110ドルの広めのレンジ内推移。直近高値をつけた7日の時も今回も90日移動平均線に上値を押さえられた形ともなり、中期的な流れ好転へと向かうかどうかの分岐点に。超えることが出来れば、まずは1120ドル台から1130ドル付近に向けて上値を伸ばす流れへ。

NYプラチナ・日足チャート 2015/12/17 - 1/20NYプラチナ相場は1.34%の反落。金との逆行でリスク回避の売りに追随する展開となり、今年2度めの昨年来安値更新で7年1カ月ぶり安値も更新。800ドル付近を目指す流れが続き、一時810ドル台前半へ。リスク資産の急反発とともに持ち直すと、今朝にかけては820ドル台を回復。しかし、850ドルの節目水準には程遠く、再び戻り売り圧力が強まり、再度下値を試す流れが予想される。

ドル円・日足チャート 2015/12/21 - 1/20ドル円は0.58%のドル安円高で3日ぶりの反落。欧州時間には短期ダブルボトム形成への流れを断ち切る急落となって、一時昨年1月16日(115.86円)以来の安値水準となる116円の大台割れ。ここから切り返す流れとなって日経平均先物、NYダウなどと共に日足では長い下ヒゲを残し、セリング・クライマックスの可能性も示唆。しかし、117円後半が上値抵抗線となって反落、115円付近を再度試しに行く余地も十分に残された状況か。117円台後半を明確に上抜けると119円台半ば辺りまでの上値余地拡大で流れが変わり始める可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/20終値とチャート

21日の国内金価格は0.55%の反発。今朝にかけてのドル円急反発で地合いは改善方向へ、9日移動平均(4419)を超え、21日移動平均(4343)も目前に。ここをしっかり上抜けるようだとゆるやかに続いた下落トレンドからはいったん脱出した形となって新たな展開へ。しかし、現在の円安の流れが一時的な戻り局面である可能性はまだ否めず、4300円付近までの下落リスクも払拭し切れず。

国内プラチナ価格は0.24%の小反発。今年5度目の昨年来安値更新濃厚の展開を今朝の円安急進に救われた形。為替の円安基調が続くようなら安値圏での揉み合い状態を形成する流れとなり、そうでなければ下値トライ再開へ。リスク回避ムード再開なら円高プラチナ安での大幅下落の流れに警戒。安値更新で3200円台半ば、最大3100円台前半までの下値リスクも。
※参考:金プラチナ国内価格1/21とチャート

2016年1月21日(木)時点の相場
国内金4,427 円 1/21(木) ▲24(0.55%)
国内プラチナ3,343 円 1/21(木) ▼8(0.24%)
NY金1,106.2 ドル 1/20(水) ▲17.1(1.57%)
NYプラチナ819.2 ドル 1/20(水) ▼11.1(1.34%)
ドル円116.94 円 1/20(水) ▼0.68(0.58%)

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