金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

好調を維持する米労働市場は金融市場の混乱を救うか

更新日:2016年1月8日(金)

週間新規失業保険申請件数 2016年1月7日米労働省が発表する週間新規失業保険申請件数は、年末時点では28.7万件となり、7月第1週以来ほぼ半年ぶりの高水準へと増加(悪化)していましたが、年初には27.7万件へと減少(改善)しました。
過去2年間での最低値は2015年7月18日までの週の25.5万件で、上下のブレ幅が少ない4週移動平均では10月24日までの週の25.93万件が底値となっています。チャート形状でも示されるように、2014年には減少傾向が加速し、2015年夏から秋にかけて改善傾向のピーク状態となり、冬場にかけては増加(悪化)傾向となっています。
改善傾向は頭打ちのようにも見えますが、昨年7月の最低値は41年8カ月ぶりの低水準、10月の4週移動平均最低値は1973年12月以来の最低水準を更新していました。つまり、昨年夏から秋にかけては過去最低水準の数値となる好調期だったことになり、多少の反発傾向は当然の流れとも言えます。
現状でも4週移動平均は28万件以下を維持する歴史的低水準にあり、今後さらに増加傾向が続き4週移動平均で30万件を超えてくるようなことがあれば黄色信号とはなりますが、そうでなければ労働市場の好調は維持されていると見ることができます。

なお、今回の雇用統計の調査対象週となる12月12日を含む週の申請件数は27.2万件。前回の11月12日を含む週の件数27.2万件と同じでいずれも好調を示す数値となっていました。雇用統計がネガティブサプライズとなった8月12日を含む週の数値は27.7万件。今回と前回対象週よりは悪い数値となっていました。
また、今週発表されたADP全米雇用リポートでも12月雇用者数は1年ぶりの高水準に上振れており、今回の雇用統計もそれなりの好結果が予想されます。

サーキットブレイカー停止など小手先の対応で連日の波乱を回避している今朝の中国市場の動向も影響し、年初から続いた金融市場の混乱はいったんは小康状態となり、売られ続けたリスク資産も買い戻される流れが見られそうです。
しかし、その流れが続くかどうかはまだまだ不透明なところで、今後は中国経済減速懸念が、好調を維持する米労働市場にどこまで影響を及ぼすのか、という点も重要なポイントとなってきそうです。

NY金・日足チャート 2015/12/7 - 1/77日のNY金相場は1.46%の大幅高で5日続伸。年初から2回めの中国株取引停止の影響で日本株が売り込まれた東京市場午前のリスク回避急進の流れを受けて1100ドルへと急騰、欧州・NY時間にかけても株安の流れにジリ高推移。前日までのリスク回避のドル高ではなく、ユーロなど円以外の先進国通貨に対してはドル売り傾向が強まったこともあり、金が買われやすい展開に。上値目標1130ドル近辺に向けた堅調推移で終値1100ドル台は11月3日以来2カ月ぶり。次の抵抗水準としては1120ドル付近。雇用統計が好結果となった場合にはこの付近までで反落の可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2015/12/7 - 1/7NYプラチナ相場は0.29%の小反発。前日の反落の流れで860ドル台前半まで下げた後に金の急騰に追随する形で持ち直し。890ドルの抵抗水準に上値を押さえられる状態が続き、金の小幅反落でも下げ幅はやや拡大し、850ドル辺りまでの下落も見込まれる状況。上限突破できれば地合いは大きく改善。

ドル円・日足チャート 2015/12/8 - 1/7ドル円は0.68%の大幅続落5日め。ユーロ買いドル売りなども強まったことでドルインデックスも99ポイント台から98ポイント台へと急反落、ドル安地合いとなったことで円が上げ幅を拡大。安値では8月24日の116円10銭台まで距離を残す状況ながら、終値では昨年2月5日の117円50銭台以来11カ月ぶりの円高水準。一方的な売られ過ぎ状態となり、きっかけ次第で急反発の可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/7終値とチャート

8日の国内金価格は0.54%上昇し4日続伸。12月22日の4492円をわずかに上抜け、12月17日の4514円以来3週間ぶりの高値水準。しかしNY金の大幅上昇を円高で相殺され、4500円のレンジ上限手前で頭打ち。節目付近で雇用統計を迎えることになり、3連休後には大きく変動している可能性も。4500円の節目を超えると上昇トレンド加速の可能性が高まり、最大4600円台半ば付近までの上昇基調となることも。不安定なマーケット動向の影響による急反落にも警戒。
週間ベースでは+53円(1.19%)の反発。

国内プラチナ価格は1.44%の大幅続落。NYプラチナの上値が重く、円高地合いを反映。昨年安値3507円をつけた12月14日以来ほぼ4週間ぶりの安値圏となり、下値目安3600円程度を超えてややオーバーラン。年末には金よりも堅調に推移してきた反動もあり、リスク回避優勢のなかでも金相場に追随できないプラチナの弱さが露呈しつつあり、再び安値トライへの警戒感も徐々に高まる可能性も。
週間ベースでは-148円(3.99%)と大幅反落。
※参考:金プラチナ国内価格1/8とチャート

2016年1月8日(金)時点の相場
国内金4,494 円 1/8(金) ▲24(0.54%)
国内プラチナ3,559 円 1/8(金) ▼52(1.44%)
NY金1,107.8 ドル 1/7(木) ▲15.9(1.46%)
NYプラチナ877.5 ドル 1/7(木) ▲2.5(0.29%)
ドル円117.67 円 1/7(木) ▼0.80(0.68%)

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