金プラチナ短期相場観

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実効為替レートでは2年10カ月ぶりの円高水準

更新日:2016年6月21日(火)

日米欧英の実効為替レート2016年推移 2016年6月21日ドル円相場は1年10カ月ぶりの円高ドル安水準となる103円台での攻防が続く状態となっていますが、実効為替レートで見ると、日本円は先週末時点で2013年8月以来、2年10カ月ぶりの円高水準となっています。これに対して、米ドルの実効為替レートでは5月3日に今年安値をつけ、2015年1月以来1年5カ月ぶりのドル安水準となっていました。

チャートはイングランド銀行が日々公表している実効為替レートの2015年末を100とした指数の変化率の推移を示したもので、ユーロは今年ほぼ横ばい推移、米ドルは5月初旬までドル安傾向でそれ以降は概ね横ばい状態です。ここに来て対ドル、対円為替相場が急落、急反発となっているポンドも4月初旬までポンド安が進行し、いったん反発、最近の急落では4月ほどのポンド安にはなっていないことがわかります。
主要通貨のなかで、独歩高となっているのが日本円です。米ドルと英ポンドが年初来7%程度の下落となっているのに対し、日本円はその倍、15%の円高となっています。
また、4月末の日銀現状維持後、6月3日の米雇用統計のネガティブサプライズ後、そして先週のFOMC現状維持と見通し引き下げ、日銀現状維持後、いずれもドル円は急落しましたが、いずれも米ドル安よりも円高の度合いが大きかったことがわかります。

2月のドル円急落時には、円高度合いとドル安度合いは同程度となっていましたが、4月以降は円高度合いが強まっているように見えます。円買い圧力がそれだけ強まっていることを示しているようです。

IMFは昨日、「2016年初からの実質実効為替レートの円高は、中期的なファンダメンタルズとおおむね整合的な水準に向けて動いた」との見解を示しました。言い換えれば、現状の円高水準は「中期的に見ればほぼ妥当」ということになります。(※上記チャートは、インフレ動向を加味した「実質実行為替レート」ではなく、名目実行為替レートを基準に作成)しかし、最近のように一方的な円高傾向がこれ以上続くようなら、中期的にも妥当な水準から、やや円高傾向が進み過ぎの水準へと踏み出すことにもなりそうです。
為替レート上のドル安円高水準も、そろそろピークに近づいているのかもしれません。

NY金・日足チャート 2016/5/19 - 6/2020日のNY金相場は0.21%の小幅続落。英国のEU離脱懸念後退によるリスク回避の巻戻しが急速に進行、英ポンドの大幅買い戻しや欧米株高の流れを受けて上値が重い展開。しかし安値は1280ドルまでで反発し、長めの下ヒゲを残して1290ドル台を回復する底堅さも。このままEU離脱懸念の緩和が続くなら、若干の調整フェーズ拡大もしくは保ち合い形成の動きとなり、1300ドルラインが当面の上値抵抗線に。下値サポート水準候補としては1280ドルから1270ドル辺り。離脱懸念再燃などをきっかけに1300ドル超えなら改めて1320ドル程度までの上昇余地も。

NYプラチナ・日足チャート 2016/5/19 - 6/20NYプラチナ相場は2.18%の大幅反発。欧州株の大幅高を好感する形で下値トライ優勢の状態から切り返し、980ドルの節目を超えて1週間ぶりの高値水準に。早めに流れが変わり始めた様子で、1000ドルの大台回復の可能性も高まり、当面の上値目標水準は6月高値近辺となる1010ドル台。ただし、960ドル台のサポートライン割れへと反落するようなことがあれば、再び下落基調加速で大幅安の展開も。

ドル円・日足チャート 2016/5/20 - 6/20ドル円は0.23%の小幅ドル安円高、4月以来2カ月ぶりで今年2回目の7日続落。ポンド高が牽引するリスク回避後退のい流れで米ドルの独歩安状態。ドル円は東京市場で前日高値水準104円80銭台まで上昇して反落、再び103円台、1年10カ月ぶりの円高水準まで下げるとそのまま104円台を回復できずに終了。今朝には103円50銭台の年初来安値再トライの場面も。円高圧力だけは、一向に弱まらない状態。下値目安103円近辺までもう一度しっかり下げてEU残留決定なら反発方向へと流れも変わりやすい状況へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/20終値とチャート

21日の国内金価格は0.32%の反落。短期上昇トレンドが先週末に急失速してからは方向感喪失気味。リスク回避がこのまま後退し続けたとしても、円高リスクにドル安傾向、NY金の底堅さも続きそうな状況でもあり、動き難い状態継続か。目先は4610-4640円の小さな保ち合いを形成し、上抜けなら6月高値圏となる4710円近辺へ、下抜けなら6月安値圏、4550円台辺りが上下の目安水準に。

プラチナ価格は3日ぶりの反発で1.14%の大幅高。逆行状態のRSI反発シグナルどおりの反発で下落トレンドの勢いも若干緩和された状態に。NYプラチナが大台回復へと反発基調が続くなら、その流れに牽引される可能性もまだ不安定な状態。流れとしては3460円近辺までの下値余地を残す状態。3600円付近の9日移動平均線を超えることができれば少しづつ流れも好転へ。
※参考:金プラチナ国内価格6/21とチャート

2016年6月21日(火)時点の相場
国内金4,620 円 6/21(火) ▼15(0.32%)
国内プラチナ3,549 円 6/21(火) ▲40(1.14%)
NY金1,292.1 ドル 6/20(月) ▼2.7(0.21%)
NYプラチナ987.2 ドル 6/20(月) ▲21.1(2.18%)
ドル円103.93 円 6/20(月) ▼0.24(0.23%)

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