金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

調整局面続くNY金を買い支える金ETF市場

更新日:2017年9月28日(木)

SPDRゴールド・シェア金ETF残高 2017年9月27日世界全体の金ETF残高の4割弱を占めるSPDRゴールド・シェアの保有量は、9月27日時点で864.65トンとなり、6月13日(867トン)以来3カ月ぶりの高水準に達しています。
足下ではNY金の調整局面が続きますが、金ETF残高の増加傾向は続き、逆張りとなってNY金の下値を支える状態です。

四半期単位の推移で見ると、昨年第4四半期にはNY金の大幅下落に伴い、SPDRゴールド・シェアの金ETF残高も-125.78トンと大幅に減少していましたが、今年はNY金の堅調推移が続いていることから、順張り傾向が強い金ETF残高も順調に増加しています。
今年第1四半期のNY金の平均価格は1220.5ドル、第2四半期は1259.1ドル、そして第3四半期末目前の時点では1282.1ドルへと上昇。金ETFの増減量では、第1四半期の+10.15トン、第2四半期には+20.18トン、そして第3四半期も+12.15トンへと最近プラス転換したところです。

今年これまでの推移を見ると、2月以降はNY金価格の下落局面でも金ETF残高はそれほど減少しない状態が続き、NY金の反発を信じて待ちの状態が続きました。しかし、6月以降のNY金の下落局面では、少し遅れて金ETFも売りが加速。今度は7月にNY金が反発してもしばらく金ETFの売り局面は続きました。金の反発は限定的と見ていたかのようです。
そして8月に入ってまだNY金の上昇局面が続いたことでようやく金ETFも買い反転、この流れは9月末現在まで続いています。

NY金は9月上旬にピークアウトし、1300ドル割れへと調整局面が続きますが、金ETF市場ではこれを一時的な調整局面と見て買い増しが続く状況です。
この状態が続くようだと、近いうちに金ETF残高の買い増し局面は終わり、減少へと転じることになりそうですが、金の調整局面が一時的との判断が正しければ、NY金は金ETFの逆張りによる買い支えにも助けられ、いずれ反発へと向うことになります。

第4四半期を迎え、NY金と金ETF市場の動向も重要局面を迎えつつあります。

NY金・日足チャート 2017/8/23 - 9/2727日のNY金相場は1.07%の大幅続落となり、8月16日(1282.9)以来1カ月半ぶりの安値水準。公表された米共和党の税制改革案では、財源不足によりトランプ大統領の公約、法人税率15%はかなわなかったものの、35%から20%へと大幅に引き下げられることが好感され、株高ドル高に債権売り(金利上昇)と金売りの流れ。年内の法案成立が実現すれば、年末にかけて再びリスク・オン要因となりうるが、財政悪化懸念などもあり成立は難しいとの見方も。この日は米8月耐久財受注の上振れもあり、NY市場で金は節目の1290ドル割れ。目先は上昇基調を続ける90日移動平均線(1275.7)近辺までの下値余地も。

NYプラチナ・日足チャート 2017/8/23 - 9/27NYプラチナ相場は0.35%の小幅続落で7月13日(907.1)以来、2カ月半ぶりの安値水準。RSIは7.3%となり、2015年11月以来1年10カ月ぶり、異常レベルと言える売られ過ぎ水準まで低下。NY朝には一時917ドルまで下げたことで、下値目安910ドル近辺にほぼ到達した状態となり、自律反発も見込まれそうな状況だが、金の若干の下げ余地に連れる可能性も。

ドル円・日足チャート 2017/8/24 - 9/27ドル円は0.51%の続伸で7月13日以来2カ月半ぶりのドル高円安水準に。12月追加利上げ観測が78%程度へと高まる状況と米税制改革案を追い風に、8月耐久財受注が上振れた直後には米10年債利回り急騰とドル高加速で113円20銭台まで急騰。その後の調整を経て今朝の東京市場では再び113円トライをうかがう様子も。米10年債利回りが2カ月ぶりに2.3%台へと上昇し、ドルインデックスも1カ月ぶりに93.3ポイント台へと反発基調が続く状況となってドル円をサポート。200日移動平均線との揉み合い状態からも完全に上抜け、ドル高円安方向への節目となっていた112円半ばを完全に上抜けた状態となり、再度113円台前半から半ば辺りまでを試す余地はありそう。円高方向には200日移動平均線と111円台後半がサポート水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/27終値とチャート

28日の国内金価格は0.1%の小幅続落で9月12日(4988)以来、半月ぶりの水準に。高値保ち合い下限割れの兆しとなり、このまま4990円割れを試す可能性が高まり、いったん調整局面入り濃厚となる状況。当面の下値目安としては4950円近辺まで。さらには7月14日から9月高値までの38.2%戻しとなる4935円前後が次のサポート水準候補。5030円が当面の抵抗水準に。

プラチナ価格は0.11%の小反発。8月の大幅上昇分を帳消しとし、今年安値6月14日から9月4日までの上昇幅の76.4%戻し(3597)を達成後の反発も極めて限定的。反発方向には、わずかに下落の兆しとなりつつある90日移動平均線(3634)が当面の抵抗水準に。金の下値余地を考慮すれば3550円付近までが下値警戒水準にも。
※参考:金プラチナ国内価格9/28とチャート

2017年9月28日(木)時点の相場
国内金4,990 円 9/28(木) ▼5(0.10%)
国内プラチナ3,597 円 9/28(木) ▲4(0.11%)
NY金1,287.8 ドル 9/27(水) ▼13.9(1.07%)
NYプラチナ921.5 ドル 9/27(水) ▼3.2(0.35%)
ドル円112.80 円 9/27(水) ▲0.58(0.51%)

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