金プラチナ短期相場観

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出口戦略目前、ユーロ圏消費者信頼感指数は16年半ぶり高水準

更新日:2017年10月24日(火)

ユーロ圏消費者信頼感指数 2017年10月速報欧州委員会が発表したユーロ圏の消費者信頼感指数は10月速報値で-1.0。市場予想の-1.1を上回り、9月の-1.2からも上昇し3カ月続伸、2001年4月(-1.0)以来16年半ぶりの高水準となりました。
2014年に長期平均-12.1を超え、2016年以降は加速傾向が続きます。
なお、EU加盟国全体では-1.6となって9月から変わらず。ただしEUの-1.6も2001年4月以来の高水準。

EUとユーロ圏の推移を比較すると、今年6月にユーロ圏の数値がEUを上回り、これ以降はユーロ圏優位の状態が続いています。しかし、それ以前はユーロ圏がEUを下回る状態が続いていました。欧州債務危機、ギリシャ危機に揺れた2010年から2015年までは、ギリシャ以外にもイタリア、スペイン、ポルトガル、キプロスなど問題を抱える国がユーロ圏には多く、逆にEU加盟国全体では、英国経済が比較的堅調に推移していたことなどが影響していたものと思われます。

しかし、ユーロ圏の危機が収束し、今度は英国のEU離脱が決定した2016年にはEUとユーロ圏との消費者信頼感指数の差も急縮小し、英国のEU離脱交渉が難航する今年2017年に入って遂に逆転、という状態です。

ユーロ圏の景気好調を背景に、今週のECB理事会では、月額600億ユーロの資産購入プログラムの縮小が決定される見込みとなっています。
米FRB、カナダBOCに続き出口戦略に舵を切るとみられるECBが、市場予想どおり来年からのテーパリングを決定してその計画が示されれば、足下では調整気味のユーロの急反発も予想されます。相対的なドル安に伴い、金のサポート要因ともなりそうです。
しかし、低インフレを懸念してのスローペース過ぎるテーパリング計画となったり、ましてやいったん先送りなどとなった場合にはユーロ急落の反応が予想されることになります。

今週末にかけては、ユーロ主導による市場波乱を警戒することになります。

NY金・日足チャート 2017/9/19 - 10/2323日のNY金相場は0.03%の小反発。週明けは円安急進に伴うドル高と米長期金利も上昇したことなどから1270ドル台へと急落スタートも下げ渋る状態が続き、NY朝の1270ドル台前半まででいったん下げ止まり。米10年債利回りが節目の2.40%手前で失速して反落、米株も失速し、ドルの軟調推移にも伴い1280ドル台へと小反発。今朝の時間外では1280ドル半ばをうかがう場面も。1280ドルの節目割れも限定的となって下ヒゲ十字線を形成し、反発への可能性も示す状況に。しかし、短期的な流れとしては調整圧力も強まる状態となり、再度1280ドルを割り込むようだと1250ドル台を目安に調整進行の可能性も。反発方向には1290ドルラインが抵抗線として上値を押さえられやすい状態。突破できれば反発の流れで上値目標は1320ドル台まで。

NYプラチナ・日足チャート 2017/9/19 - 10/23NYプラチナ相場は0.04%の小幅高で3日続伸。NY朝までの軟調推移では一時10月9日(914.5)以来、2週間ぶり安値となる916ドルまで下げて反発。10月安値910ドルラインを試すことなく、920ドルラインがサポート水準となりそうな形で今朝の時間外では930ドルトライも。反発基調優勢の流れで目先は当面の上限となりうる90日移動平均線(947.3)を目指す展開へ。

ドル円・日足チャート 2017/9/19 - 10/23ドル円は0.06%のドル安円高となって小反落。週明け東京市場朝に窓を空けてスタートすると、7月11日(114.49)以来3カ月半ぶりのドル高円安水準となる114円10銭まで上昇して反落。NY市場まで113円台後半では下げ渋っていたものの、米株の調整が加速し始めたNY終盤にかけて113円20銭台まで急落。結局セオリーどおりに空けた窓を閉める形となって上値トライに向けた流れは早くも失速。ただし、日足レベルではドル高円安方向優勢へと流れが変わり始めた可能性を維持し、FRB議長人事などきっかけがあれば上値トライ再開で目標水準は3月高値圏115円付近まで。現状では下方向への節目となる112円半ばまでではサポートされる可能性は高く、もしサポートされないようなら9月末以降の保ち合いを下抜ける形となって大幅調整へと向う可能性も。その場合には最大110円付近までが意識されることにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/23終値とチャート

24日の国内金価格は0.1%の小幅高となって4日続伸。円安急進によって押し上げられた水準をNY金の小反発によってサポートされた形となり、10月16日(5024)以来の高値水準に。イベント通過後の材料出尽くしや株式市場の過熱感からの調整局面などで方向感が定まらない状態が続くなか、国内金価格単体で見れば上値トライへの流れがジワリと強まり始める様子も。目先は4970円台から5020円台までのレンジ推移継続との見方が優勢も、10月16日の水準を超えることができれば上値トライ加速で目標水準5100円付近を目指す展開も。

プラチナ価格は0.5%の続伸。一度は失速しかけた反発への流れを耐えて盛り返す状態が継続、90日までの移動平均集中ゾーン(3600-3630)をわずかに上抜けて反発基調加速への期待も高まるところ。目先は3650円台の節目との攻防へ、突破できれば一段高の展開となって目標水準は3700円台へ。
※参考:金プラチナ国内価格10/24とチャート

2017年10月24日(火)時点の相場
国内金5,013 円 10/24(火) ▲5(0.10%)
国内プラチナ3,634 円 10/24(火) ▲18(0.50%)
NY金1,280.9 ドル 10/23(月) ▲0.4(0.03%)
NYプラチナ927.2 ドル 10/23(月) ▲0.4(0.04%)
ドル円113.43 円 10/23(月) ▼0.07(0.06%)

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