金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

PPIも上振れて再びドル高、も今回は限定的に

更新日:2024年2月17日(土)

生産者物価指数 PPI 2024年1月2024年スタート月のインフレ指標はCPIに続いてPPIも上振れ。インフレ鈍化ペースが市場予想に届かず、再びドル高急進。
1月の生産者物価指数、PPIは前年比+0.90%。市場予想の+0.6%を大幅に上回り、12月(0.96)からは0.06%の小幅反落、3年1ヵ月では3番目の低水準。
食品とエネルギーを除いたコア指数、コアPPIは前年比+1.95%。これも市場予想の+1.6%を大幅に上回り、12月から0.23%の反発で3ヵ月ぶりの高水準。ただし3年間では3番めの低水準。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数、コアPPI2は前年比+2.58%。12月から0.03%の小幅反落、2年11ヵ月では2番めの低水準。

2019年までの過去平均と比較すると、
PPIは過去平均+1.70%を4ヵ月連続で下回る状態。コアPPIは過去平均+1.80%を12月(1.72)に一度下抜けて1月は再び上抜け。コアPPI2は過去平均+1.72%にはまだ届かず、昨年5月に3%割れも直近3ヵ月は2.5%前後で下げ渋り。

前月比でも予想を大きく上回り、CPIと同様にサービス価格の高止まりがPPIの低下阻害要因に。
CPIと同様にPPIもディスインフレ停滞の兆しとなり、早期利下げ観測後退のサポート材料に。CPI後の反応再燃となってドル買い金売りの流れが急進。
ただし、今回は限定的となって一定の反応後はドル高は巻き戻し、NY金は買い戻しの勢いが続いてPPI発表前の水準を突き抜けて上昇。ドル円では今年高値更新後の調整一服となったものの、NY金はCPI後の急落からの反発局面の巻き戻しには至らず。

NY金・日足チャート 2024/1/12 - 2/1616日のNY金は+9.2ドル、0.46%の続伸。前日上抜けた90日移動平均線(2013.9)を維持した時間外には2010ドル台半ばから後半へとわずかに上昇、NY市場では米1月PPIの上振れを受けたドル高の流れに押されて2010ドル割れへと急反落。しかし、急騰した米10年債利回りの失速とともにドル高の巻き戻しも進行した流れに連れて急反発、NY午後には2020ドル台へ、高値では2020ドル台後半まで上昇。結果的に90日線にもサポートされ、2月高値(2083.2)から安値(1996.4)の38.2%戻し(2029.6)付近まで反発し、目先の主要レンジ2000ドルから2050ドル台までの半ばに戻して3連休入り。インフレ高止まりによる利下げ先送り懸念なども背景に下押し圧力は残るものの、流れは中立方向へと回復途上で2月後半へ。月末にかけて2050ドル台の節目上抜けとなれば2月高値圏再トライへ、2000ドルの大台を割れると1980ドル程度までの下値切り下げも。
週間ベースでは-14.6ドル、0.72%の続落。

NYプラチナ・日足チャート 2024/1/12 - 2/16NYプラチナは+8.3ドル、0.92%高で3日続伸。2月1日(922.3)以来、半月ぶりの高値。アジア時間には20日移動平均線(906.6)に上値を押さえられて軟調推移、ロンドン序盤には900ドルの大台割れも890ドル台半ばでは下げ渋り。大台回復後のNY朝にもPPI後の金の急落に連れて再反落も890ドル台半ばで切り返し、NY午後には20日線も上抜けて一段高、NY引け後には910ドル台後半まで上昇。下ヒゲを残して20日線との攻防を突破した格好にもなり、900ドルの節目超えに伴う短期上値目標2月高値(933.8)近辺を目指す流れが継続。水平状態の90日移動平均線(922.3)がレジスタンスとならなければ目標到達へ。
週間ベースでは+35.3ドル、4.02%高で3週ぶりの反発。3ヵ月ぶりの大幅高。

ドル円・日足チャート 2024/1/15 - 2/16ドル円は23銭のドル高円安、0.15%高で3日ぶりの反発。東京朝の149円80銭台が安値となり、午後には150円30銭台まで上昇。植田日銀総裁の従来どおりのハト派発言も好感しての円安一服後は、150円20銭台を中心に小幅揉み合い推移で欧州・NY時間へ。NY朝には米1月PPIの上ブレを受けて150円60銭台へと40銭ほどの急騰、前日高値を超えながらも2日前の高値(150.77)と今年高値(150.88)手前では上げ渋り。その後ミシガン大消費者信頼感指数の2月速報が予想を下回ると150円10銭台へと巻き戻し、150円割れこそ回避したものの、上ヒゲを残して上値再トライには失敗。昨年高値圏再トライに向けた節目150円90銭超へと向かうためにはさらに材料、きっかけが必要か。次週FOMC議事要旨などがその候補にも。調整方向へは前日達成済の2月安値(145.89)から高値(150.88)の23.6%戻し(149.70)近辺までは下げやすく、38.2%戻し(148.97)辺りまでがもう一段の調整目安にも。
週間ベースでは+90銭、0.6%高で3週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/16終値とチャート

2024年2月17日(土)時点の相場
国内金10,577 円 2/16(金) ▲23(0.22%)
国内プラチナ4,701 円 2/16(金) ▲28(0.60%)
NY金2,024.1 ドル 2/16(金) ▲9.2(0.46%)
NYプラチナ913.5 ドル 2/16(金) ▲8.3(0.92%)
ドル円150.17 円 2/16(金) ▲0.23(0.15%)

2/16(金)のその他主要マーケット指標

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