2023年、NY金相場は前年末終値1826.2ドルから1846.1ドルへと上昇、プラチナは1082.9ドルから1093.3ドルへと上昇スタート。ドル円は131.11円から130.61円へとドル安円高スタート。
<1月>
6日の12月雇用統計では賃金上昇率が予想以上に鈍化したことからインフレ鈍化期待が高まり、ドル円は133円台から132円台へと1円超の急落。NY金は1840ドル付近から1870ドル近辺へと30ドル程の急上昇。プラチナも1070ドル付近から1100ドル台へと30ドル超の急騰。12日には日銀の政策修正観測報道を受けて円高の流れが強まり、ドル円は132円台から129円台へと3円超の急落。13日には一時127円40銭台まで下落。
<2月>
1日のFOMCでは予想どおり0.25%利上げ、パウエルFRB議長会見では「ディスインフレ」進行中との発言からハト派傾斜と受け止められてドル売り金買いが進行、NY金は2日高値で1975.2ドルまで上昇。しかし翌3日の雇用統計では雇用者数が前月比+50万人超と想定外の大幅増となり、ドル円は128円台から131円台へと急騰、NY金は1870ドル台へ、50ドル超の急落。連れ安のプラチナも50ドル下げて980ドル台へ。14日には1月CPIが予想を上回り、24日にはPCEも予想を上回ってインフレ高止まりと利上げ継続への警戒感からNY金は1810ドル台まで下落。プラチナも900ドル台へ。ドル円は136円台まで上昇。
<3月>
パウエルFRBの議長は7日の議会証言で「利上げペース再加速」への可能性も示唆。これを受けて市場は3月FOMCでの0.5%利上げの可能性を急速に織り込み、ドル円は翌8日にかけて137円90銭台まで上昇。2月末に1810ドルの安値をつけて反発していたNY金は1850ドル台から10ドル台へと急反落。しかし10日の雇用統計では賃金上昇率が鈍化の兆しを示したことを受けて巻き戻しの流れへ、ドル円は135円近辺へと急反落、NY金は1860ドル台へと急反発。
13日からの週は米欧の金融信用不安が拡大。米国のシリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻に加え、欧州ではスイスの金融大手クレディ・スイスの経営不安もあり、米欧の銀行株を中心に株安の流れが強まりリスク回避の展開となり、週末にかけてドル円は131円台へと急落、NY金は1970ドル台まで急騰。
21-22日のFOMCでは0.25%利上げ、追加利上げと年内据え置きを示唆したものの市場はハト派的に解釈し、その後年後半の利下げを織り込んで米長期金利低下とともにドル円は週末にかけて130円台へ、NY金は1990ドル台へ。
<4月>
月初の米経済指標では低調な結果が続いて早期利上げ打ち止め観測が強まり、NY金は2000ドル台へと水準を切り上げ、ドル円は132円台から131円台へと低下。しかし7日の3月雇用統計では予想外に好調を示す結果となってドル円は132円台へ、週明け10日には133円台へと上昇。しかし12日には米3月CPIがやや下振れ、13日にはPPIも鈍化して132円台へと反落も14日にはミシガン大のインフレ期待上昇などから133円台へと再上昇。13日に2050ドル台まで上昇したNY金は14日に2010ドル台へと反落。17日からの週には製造業景況感関連の指標で好結果も目立ち、追加利上げ観測が強まって21日には2000ドルの大台割れ。月末には植田新総裁体制となって初回の日銀金融政策会合で現状維持を決定、ドル円は133円台から136円台まで円安急進。
<5月>
3日のFOMCでは市場予想どおり0.25%の利上げで今後の追加利上げについては示唆せず。利上げ終了とともに年後半の利下げ観測が強まり、ドル円は134円台へと急反落、NY金は2050ドル台へと急騰。しかし5日には4月雇用統計が予想外の好結果となってドル円は下げ渋り、NY金は2020ドル台へと急反落。それでも米債務上限問題などからNY金は2000ドル以上での推移が中旬まで継続。しかし与野党協議進展期待などから大台を割れて軟調推移、18日には追加利上げ観測台頭などもあり1950ドル台まで下落。ドル円は138円台まで上昇、25日には半年ぶりに140円台へ。月末には6月利上げ見送り観測で138円台へ、NY金は1990ドル台へと反発。
<6月>
2日の5月雇用統計では強弱混在、6月利上げ見送りでも7月利上げ予想が強まり、ドル円は139円台へと反発、NY金は1960ドル台へと反落。16日の日銀会合では大規模緩和継続、ドル円は141円台へ。月末にかけて米経済指標の好結果もあり、パウエルFRB議長の年内に複数回の追加利上げの可能性発言などからドル円は144円台迄上昇。NY金は月末に1910ドル付近まで下落。
<7月>
144円台での推移が1週間余り続いたドル円は7日、米6月雇用統計が予想を少し下回ったこともきっかけに調整、142円付近まで急落。NY金は1910ドル台から30ドル台へと反発。12日には米6月CPIが予想以上に鈍化したことを受けてドル円は138円台、NY金は1960ドル台へ。しかし翌週、日銀のYCC修正観測後退を受けて円安再開、ドル円は21日までに141円台へと反発。26日FOMCでは0.25%追加利上げ、FRBは年内さらに追加利上げの可能性も残すも市場は打ち止め観測、28日の日銀ではYCCの運用柔軟化を発表。事前報道などからドル円は乱高下、コアPCE鈍化などからNY金は1990ドル台へ。
<8月>
4日の米7月雇用統計では雇用者数の伸びがやや低調も、賃金は高止まり。月初に143円台まで上昇していたドル円は141円台まで調整。NY金は月末の2000ドル付近から1970ドル付近へ。10日のCPIは市場予想こそ下回ったものの高止まりが意識されてドル円は144円台後半へ、NY金は1940ドル台。ドル円は16日に9ヵ月ぶり高値となる146円台まで上昇、NY金は1910ドル台へ。
<9月>
1日の米8月雇用統計では失業率の上昇などから乱高下の反応、一時144円台まで急落したドル円は146円台を回復して高値保ち合いを維持、1980ドル付近まで急騰したNY金は1960ドル台へと巻き戻し。20日のFOMCでは予想通り金利は据え置き、年内追加利上げの可能性を示唆して今後の見通しもタカ派的となり、ドル円は148円台まで上昇、NY金は1940ドル台へ。その後も高金利維持長期化見通しが強まり、月末にかけてドル円は149円台へ、NY金は1900ドル割れへ。
<10月>
軟調局面が続いたNY金は5日まで9日続落となって1830ドル台まで下落。ドル円は3日に一時ほぼ1年ぶり高値となる150円台まで上昇後に147円台まで急反落、調整後の6日、雇用統計では想定外に雇用者数が大幅増となり、ドル円は149円台を回復。雇用統計後に一時1820ドル台まで下落して調整一服となったNY金は1840ドル台へと反発。12日の米9月CPIはエネルギー価格上昇の影響で総合指数が予想を上回り、ドル高となってNY金は反発一服。翌13日にはイスラエルのガザ地区侵攻懸念などからリスク回避の流れとなってドル円の上昇一服でNY金は1940ドル台へと急騰。中東情勢を巡る地政学リスクから20日までにNY金は1990ドル台まで上昇、ドル円は149円台で膠着状態、月末には日銀のYCC再調整とその事前報道などからドル円は乱高下の展開となり、31日には33年4ヵ月ぶり高値となる151円70銭台へ。
<11月>
ハト派的となったFOMC、低調となった米10月雇用統計などを経てドル円は149円台へと調整、NY金は2000ドル付近での推移。
しかし翌週から徐々に流れは反転、ドル円は10日までに151円台へと上昇、NY金は1930ドル台へと下落。
14日には米10月CPIが予想を下回ってドル円は1円超の急落で150円前半へ、その後も米指標悪化を受けて17日には149円台へ。NY金は1960ドル台から1980ドル台へと上昇。
月末にはウォラーFRB理事のハト派発言を受けてNY金は2000ドル台半ばへと急上昇、ドル円は147円台へ。
<12月>
1日にはISM製造業景況指数の予想外の下振れを受けてNY金は2080ドル台へ、過去最高値を更新。翌営業日、4日時間外には一時2150ドル台まで急騰し、NY終値では2040ドル台へと急反落。週末8日には米雇用統計の好結果を受けて2010ドル台まで下落。ドル円は月初に146円台へと下落後は147円台へと反発して保ち合い、7日には日銀のマイナス金利早期解除観測が強まって円高の流れが急進、一時141円台まで急落。8日には144円台後半へと反発。13日のFOMCでは利上げ終了の可能性と2024年に3回の利下げ見通しが示され、ドル円は142円割れへと急反落、NY金は2040ドル台へと反発。19日の日銀会合では現状維持、ドル円は143円台へと反発も、その後はFRBの早期利下げ観測が強まって142円台へ、NY金は2060ドル台へ、27日には2090ドル台へと最高値を更新。年末にドル円は141円まで下落。
2023年終値はNY金:2071.8ドル(前年比+13.4%)、プラチナ:1009.2ドル(-6.8%)、ドル円:141.02円(+7.6%)。
最終更新日:2023/12/30
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