2018年、NY金相場は前年末終値1309.3ドルから1316.1ドルへ上昇、プラチナは934.2ドルから947.8ドルへと急騰、ドル円は112.71円から112.29円へとドル安円高スタート。
<1月>
4日にはNYダウが初の2万5千ドルに到達し、8営業日後の17日には2万6千ドル台へと昨年から続く日米欧の株高の流れが続くなか、NY金は年末から5日まで11日続伸、プラチナも8日まで10日続伸など堅調推移のスタート。ドル円は昨年秋から続くドル安基調の流れに加え、9日には日銀オペ減額をきっかけに日銀緩和の出口が意識されて円高圧力も強まり、ドル安円高の流れに。
23日から26日かけてのスイス・ダボス会議ではムニューシン米財務長官のドル安容認発言や黒田日銀総裁発言で再び緩和出口が意識されるなどしてドル安円高が加速。ドル円は26日までに108円台へ、金は25日に1360ドル台、プラチナは1030ドル台まで上昇。
月末のFOMCではインフレ上昇を見込むタカ派寄りの声明文となり、ドル円は109円台へと反発。
<2月>
2日の米雇用統計では賃金上昇率が8年ぶり高水準となり、ドル円は110円台を回復、金は1330ドル台、プラチナは1000ドル割れ。翌週にかけて金は1310ドル台、プラチナは960ドル台まで調整局面。5日と8日にはNYダウが1000ドル超の急落で世界同時株安となり、ドル円も108円台へと円高推移。第3週にかけて株価は反発もドル安円高は止まらず16日には一時105円台へ。金は1350ドル台、プラチナは1010ドル台へと反発。
27日のパウエルFRB議長初の議会証言はタカ派寄りと受け止められて金は1310ドル台へ、プラチナは980ドル台へと大幅下落、ドル円は107円台へ反発。
<3月>
トランプ米大統領が1日、鉄鋼関税導入を表明したことで市場はリスク回避の流れとなり、ドル円は1年4カ月ぶり安値となる105円台へと下落。金とプラチナは反発し、それぞれ1320ドル台と960ドル台へ。
9日には北朝鮮からの米朝首脳会談要請をトランプ大統領が受け入れることを表明し、為替は107円付近まで上昇。しかし米2月雇用統計では賃金上昇率が伸び悩み、107円台は維持できず。
月初のコーンNEC委員長辞任に続き、13日にはティラーソン国務長官が解任されるなどトランプ政権は迷走し、日本では森友問題で安倍政権の支持率急低下と日米政治リスクでドル安円高圧力が強まり、ドル円は3月半ばまで106円台での推移が継続。FOMCでの利上げペース加速を警戒する金も軟調推移で16日に1310ドル台、プラチナは950ドル台。
利上げを決めた21日の米FOMCでは年内利上げ見通しは従来どおり3回にとどまりドル売り金買い傾向へ、22日には米通商法301条発動で米中貿易摩擦への懸念が拡大、23日に為替は104円台、金は1340ドル台へ。月末には中朝首脳会談が行われて朝鮮半島リスクが後退、金は1350ドル台から1320ドル台まで反落、ドル円は106円台へと反発。
<4月>
4日には中国が米国への報復関税リストを公表、5日にはトランプ米大統領が中国への1000億ドルの追加関税検討を表明するなど貿易戦争への警戒感は高まり市場は乱高下。ドル円は107円台まで反発後に106円台へと反落、金は週末に1330ドル台、プラチナは下落基調が続き910ドル台へ。
シリアでのアサド政権による化学兵器使用疑惑に対してトランプ米大統領が11日、軍事行動への可能性を示したことで市場の警戒感が高まり、金は1360ドル台へと急騰。その後の不規則発言もあり、市場は乱高下の展開に。週末には米英仏でシリアを攻撃も局所的にとどまり、市場への影響も限定的に。17-18日には日米首脳会談、通商問題や為替の円安牽制などが懸念されるも無事通過。米朝首脳会談に向けての準備進展などもありドル円は20日までに107円台後半へ、金は1340ドル割れ、プラチナは930ドル台。
月末にかけて米10年債利回りが3%台へと拡大し、ドル円は25日に109円台へと上昇。金は26日に1310ドル台、プラチナは910ドルまで下落。
<5月>
3-4日の米中通商協議に対する警戒感もあり、月初からドル高の流れは失速。2日のFOMC声明文もタカ派寄りとはならず、4日の雇用統計でも賃金上昇率が予想を下回り、ドル円は109円台での停滞。金は1300ドル台で反発して1310ドル台へ、プラチナは890ドル台から910ドル台へ。その後はCPIの伸び悩みなどもあり、ドル円は横ばい、金は1320ドル台へ、プラチナは920ドル台へ。
中旬には米経済指標の好結果も続いて米10年債利回りが3%台へと上昇し、金は1300ドル割れへと急落、プラチナは880ドル台、ドル円は110円台へ。
24日には米朝首脳会談中止が発表され、1290ドル付近での膠着状態が続いてきた金は1300ドル台へ、プラチナも910ドル台へと急騰、ドル円は109円台前半へと下落、月末にはイタリア政局不安で108円台へ。
<6月>
1日の米雇用統計の好結果を受けてドル円は109円台を回復、金は1300ドル近辺、プラチナは900ドル付近での保ち合い推移。史上初の米朝首脳会談などイベントが集中した第3週、週末には米中貿易摩擦懸念もエスカレート。小動きが続いていた金は1270ドル台へと急落、ECBの利上げ先送り観測によるユーロ安ドル高の流れもあり、月末までに金は1250ドル台、プラチナは2年5カ月ぶり安値となる850ドル台へ。
<7月>
トランプ米政権は6日に中国製品に対する追加関税第1弾を発動し、中国も報復関税を適用。発動時期が近づくに連れて市場の警戒感は高まり、6月後半から株価も軟調推移。貴金属も軟調な流れが続き、7月2日に金は6カ月半ぶり安値となる1240ドル台、プラチナは9年7カ月ぶり安値となる810ドル台まで下落。
米国は10日に2000億ドル相当の対中国追加関税リストを公表するなど、米中貿易戦争激化懸念は続き、貴金属を含むコモディティ安に対してドル高の流れとなり、ドル円は12日に半年ぶりとなる112円台まで上昇。
20日にはトランプ米大統領のドル高牽制発言もあり、ドル円は111円台へと急反落、金は1220ドル台の安値圏から1230ドル台へ、プラチナは800ドル台から830ドル近辺まで急反発。
<8月>
8月に入っても金は1220ドル台を中心に保ち合い推移、3日発表の米7月雇用統計では雇用者数の伸びが予想を大きく下回ったものの金価格の上昇は限定的、プラチナは820ドル台から30ドル台へと反発。ドル円は111円台での推移が継続。10日にはトルコリラ暴落をきっかけにリスク回避の流れとなったもののドル円は110円台へと小幅に円高、金もプラチナも値動きは限定的に。しかし、翌週にかけて新興国通貨安が連鎖、週後半にかけてはコモディティも売られ、金は1180ドル台、プラチナは770ドルへと急落。
22日のFOMC議事要旨では9月の利上げが確実視されてドル円は111円台へ、24日のジャクソンホールでのパウエル議長講演ではインフレ見通しが強気ではなかったことなどを受けて金は1210ドル台へと反発。
<9月>
6日にはトランプ米大統領が対日貿易戦争示唆発言から110円へと円高も7日の米8月雇用統計では賃金上昇加速の兆しとなり、111円台へと反発。好調を持続する米経済指標も続き、中旬には112円台へ。金は1200ドル近辺での保ち合い推移、プラチナは780ドル台を中心に保ち合い推移。
17日には米国の対中国制裁関税第3弾として2000億ドル相当への関税賦課を24日に発動することを発表、翌日には中国も600億ドル相当の報復関税を発表するなど米中貿易戦争は激化。しかし、対象品や税率設定などでの配慮や交渉余地を残すなどで市場の警戒感も限定的に。リスク選好の流れで20日にはNYダウが8カ月ぶりに最高値を更新するなど株高円安の流れが強まり、ドル円は112円台、プラチナも830ドル台まで反発。金は1200ドル付近でも保ち合い推移。
月末のFOMCでは市場予想通り今年3回目の利上げ、2020年には利上げ打ち止めの可能性も示す見通しが示されたものの、翌日にかけて金は1180ドル台まで急落して1190ドル台へと反発、プラチナは810ドルまで下落して820ドル台へ。ドル円は月末にかけて113円台後半へ。
<10月>
米9月のISM非製造業景況指数が21年ぶり高水準となった3日には米10年債利回りが7年ぶりに3.18%台へと上昇、ドル高の流れが強まってドル円は1年7カ月ぶりに114円台へ。金は1200ドル台、プラチナは820ドル台を中心に保ち合い推移。
10日には米長期金利が3.2%台へと急騰したことをきっかけに米株が急落、NYダウは翌日までの2日で1300ドル超の急落となり、金は2カ月半ぶりとなる1220ドル台へと急騰、プラチナも3カ月ぶり高値となる840ドル台へ、ドル円は112円台へ。
24日にもダウが2.4%、ナスダックは4.4%安など米株急落で世界同時株安。金は1230ドル台、プラチナは830ドル台、ドル円は112円台と値動きは限定的。
<11月>
2日の米雇用統計では賃金上昇率が9年半ぶり高水準となってドル円は113円台へと再上昇、金は1230ドル台での小動き、プラチナは870ドル台。
6日投開票が行われた米中間選挙では上院を共和党が多数派を維持し、下院は民主党が勝利。予想どおりの結果でもあり、市場には安心感も。8日のFOMCでは12月利上げを示唆し、ドル円は114円台まで上昇。翌9日に金は1200ドル台へと急落、プラチナは850ドル台へ。中旬にかけてはアップル株急落などもあり米株の低迷に連れてドル高も巻き戻され、金は1220ドル台へ、プラチナは830ドル台から840ドル台へ、ドル円は112円台。
後半にかけては株価の反発もあり、ドル高円安の流れとなってドル円は28日に一時114円台まで上昇。しかし、パウエルFRB議長のハト派発言で失速。金は1220ドル台での推移、プラチナは月末にかけて売り圧力が強まり800ドル割れ。
<12月>
1日の米中首脳会談では休戦合意となったものの、米長期金利の低下が続き逆イールド懸念が台頭、ファーウェイ・ショックなどもあり、7日までに金は1250ドル台へと急騰。プラチナは780ドル台まで、ドル円も112円台へと軟調推移。
19日のFOMC後には米景気減速懸念や利上げ継続への不満、米政局不安なども重なりリスク回避の流れが強まり、年末に金は半年ぶり高値となる1280ドル台へと上昇、ドル円は4カ月ぶりに110円台へ。
2018年終値はNY金:1281.3ドル(前年末比-2.1%)、プラチナ:800.6ドル(-14.3%)、ドル円:109.65円(-2.7%)。
最終更新日:2019/1/1
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