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「長期停滞論」

経済成長率の低迷が長期に渡ることを長期停滞と表現し、先進国経済が2008年のリーマンショックから6年経過した2014年時点でも経済回復の勢いが弱いことを危惧する、長期停滞論があちこちでささやかれ始めています。有望な投資機会が減少したことにより、企業や家計がお金を使わなくなったことが長期停滞の原因である、とした元米財務長官、ローレンス・サマーズ氏の2013年11月の講演内容を指して、長期停滞論と呼ぶケースが一般的となりつつあります。

サマーズ氏によれば、長期停滞に陥ったのはリーマンショックによる世界金融危機が発端ではなく、それ以前から既に停滞状態に陥っていたとしています。だから、いくらゼロ金利を継続し、量的緩和を行っても効果は限られており、むしろ思い切った財政政策などが必要になる、ということです。米国の労働市場にたるみが残り、完全雇用に戻らない理由もここにあるとの見方もあります。

日本では、2013年に大幅上昇した日本株が、2014年には売り越しへと転じています(10月末時点)。とりわけアベノミクスへの期待感剥落により、日本株を売った海外勢が安全資産とされる日本国債投資へと流れ、2014年の日本の長期国債利回りは大幅に低下しています。海外勢が、日本の長期停滞リスクを警戒していることが大きな要因ではないか、との見方が有力です。
日本でも、投資先が限定され、需要低迷により物価の上昇も限定的となり、デフレからの脱却すらままならない状況にあり、失われた20年とという、超長期停滞からの脱却に黄色信号が点灯しています。

最終更新:2014年10月28日

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