金プラチナ短期相場観

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トランプ・ラリーでインフレ期待も急反発、金は急落

更新日:2016年11月12日(土)

ミシガン大・1年期待インフレと5年期待インフレ 2016年11月ミシガン大消費者信頼感指数の11月速報値は91.6。10月の87.2、市場予想の87.9も上回り、6月以来5カ月ぶりの水準へと大きく反発しました。10月には1年1カ月ぶりの低水準となり、消費センチメントの悪化傾向が懸念されていた状態からの反発を示唆する状況です。現況指数も3カ月ぶり、期待指数も2カ月ぶりの水準へと反発しています。

さらに、インフレ期待指数が大きく反発しています。
1年期待インフレは2.7%となり、10月の2.4%からの急反発で4カ月ぶりの水準。3カ月平均も10月には2.4で7年6カ月ぶりの低水準となっていましたが、11月速報値では2.5へと反発。5年期待インフレも2.7%となり、史上最低となっていた10月の2.4%からの急反発です。

1カ月前には、過去最低の5年期待インフレを1年期待インフレがさらに下回る可能性も懸念され、景気後退局面も連想されかねない状態だったところからの大幅反発は、タイミング的には微妙ですが、トランプ新大統領への期待も込められている可能性もありそうです。特に、5年期待インフレの大幅反発はトランプ政権での経済対策への期待がインフレ上昇を連想させた結果を示しているように見えます。

トランプ・ラリーと新政権への期待値が今後も高まるようなら、確報値や、今後のインフレ関連指標なども加速しかねない状況となりそうです。

NY金・日足チャート 2016/10/13 - 11/1111日のNY市場、ベテランズデーで米債券市場が休場となったなかでも対ユーロ、資源国、新興国通貨に対してドル高が継続。NYダウも小幅に5日続伸となって連日の史上最高値更新。トランプ政権の財政政策、保護主義、経済刺激策への思惑は続き、これを受け入れ始めた金市場でも売りが加速。フィッシャーFRB副議長の「段階的な緩和解除の論拠はかなり強い」発言やミシガン大消費者信頼感指数の上振れ、さらにSPDRゴールドシェアーズの金ETF残高も13.35トンの大幅減となって1カ月半ぶりの水準となったことなどもこれを後押しした様子。NY金相場は前日比-42.1ドル、3.32%の大幅急落。下げ幅としては10月4日の-43.0ドルに次ぐ水準、下落率では2013年12月19日(-3.35%)以来、2年11カ月ぶりの大幅下落。1260ドルの節目割れに伴う下値目安1240ドルを大きく超え、6月2日(1212.6)以来5カ月ぶりの安値水準に。短期的には若干行き過ぎの感もあり、昨年末安値から今年7月高値までの半値戻し1211ドル付近にもほぼ到達していることから、この近辺ではいったんサポートも。ただし、トランプ・ラリーへの思惑継続や利上げ見通し拡大などの不透明材料もあり、当面は上値の重い展開も予想される。この水準と1200ドルの大台ラインを下抜けるような展開となった場合、意識される下値目安としては61.8%戻しとなる1172ドル付近。
週間ベースでは-80.2ドル(6.15%)の大幅反落。2013年6月17日からの週(-95.6ドル、6.89%)以来2年5カ月ぶりの大幅下落。

NYプラチナ・日足チャート 2016/10/13 - 11/11NYプラチナ相場も3.97%の大幅安となって3日続落。下げ幅としては2013年6月20日のバーナンキ・ショック(-60.1ドル、4.22%)以降3年5カ月で最大の急落。水準としては10月24日(939.1)以来3週間ぶりの安値水準。1000ドル付近で保ち合いが続いていた底堅さに覚えた違和感が一気に解消されてしまった形となり、970ドル前後の下値目安を再度試す程度では収まらず、時に動き出したらとまらないプラチナらしい急落局面を形成。今年3月以降の安値水準に到達していることから、いったんは下げ止まりも。ただし、金と同様に下値警戒感はくすぶる状況。今年の上げ幅の61.8%戻し(959)を既に超えており、一段安となった場合には76.4%戻しの903ドル付近が目安水準に。
週間では-61.3ドル(6.1%)の大幅反落。10月3日からの週(-66.0ドル、6.42%)以来5週ぶりの大幅安。

ドル円・日足チャート 2016/10/13 - 11/11ドル円は前日終値から10銭ほどの小幅安となって6営業日ぶりの反落。ドル・インデックスは一時2月以来の高値水準99ポイント台まで上昇し、5日続伸でドル高の流れが継続。しかし、ドル円は同じく急騰が続いた日経平均とともに失速。米債券市場休場に伴い、最近のドル高円安基調の原動力となっていた日米金利差が変動しないこともあり、絶好の調整局面となって一時106円00銭台まで下落。しかし米株の底堅さやトランプ政権への楽観的な思惑、ミシガン大消費者信頼感指数の好結果なども材料に反発。ただ、上値は107円が壁となりつつあり、200日移動平均線との攻防状態も継続。この近辺をしっかり突破できれば上値目標107円台後半へと一段高も。
週間では+3.6円(3.49%)の大幅反発。ブレグジット後の反発局面となった7月11日からの週(+4.32円、4.3%)以来、4カ月ぶりの大幅高。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/11終値とチャート

2016年11月12日(土)時点の相場
国内金4,634 円 11/11(金) ▼12(0.26%)
国内プラチナ3,610 円 11/11(金) ▼30(0.82%)
NY金1,224.3 ドル 11/11(金) ▼42.1(3.32%)
NYプラチナ943.2 ドル 11/11(金) ▼39.0(3.97%)
ドル円106.66 円 11/11(金) ▼0.15(0.14%)

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