金プラチナ短期相場観

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インフレ期待も鈍化継続、NY連銀消費者調査では平年並みに

更新日:2023年12月12日(火)

NY連銀消費者調査・インフレ期待 2023年11月インフレ鈍化とともに、インフレ期待も鈍化傾向が継続。
11月のNY連銀消費者調査では、1年先のインフレ期待は前年比+3.36%。10月の+3.57%から低下、+3.67%の9月からは2ヵ月連続の低下で2021年4月(3.36)以来、2年7ヵ月ぶりの低水準。
3%台前半となるのも2年7ヵ月ぶりで、2013年以降の過去平均+3.39%も下抜け、平年並みとも言える水準に。
3年先のインフレ期待は前年比+3.00%で3ヵ月連続横ばい推移。今年2月に+2.66%で底打ちし、3%で上げ渋りの状態にも。過去平均+2.98%を挟んでの揉み合い推移、既に平年並み。

なお、先週末に発表されたミシガン大の1年先インフレ期待は12月速報で前年比+3.1%。+4.5%へと急騰していた11月から急反落となって2年9ヵ月ぶりの低水準。
コアPCEインフレが10月に前年比+3.46%となり、着実に鈍化し続けて2年半ぶり低水準となったことにも同調する形で、インフレ期待の鈍化傾向も着実に進行。

11月CPIでも波乱がなければ、市場のインフレ期待と同様にFOMCメンバのインフレ予想にも下押し圧力となり、FF金利予想への下押し圧力にも。

NY金・日足チャート 2023/11/6 - 12/1111日のNY金は先週末から-20.8ドル、1.03%安で3日続落。11月22日(1992.8)以来、半月ぶりの安値。先週末NY午後につけた安値2010ドル付近からの小反発局面は週をまたいで時間外序盤の2020ドル台前半まで、これが週明けの高値となって戻り売り。アジア時間には先週末安値圏2010ドル近辺でいったん下げ渋るもロンドン・NY市場にかけては米10年債利回り上昇とドル高の流れにも連れて軟調推移。NY午後には2000ドルの大台ラインもあっさり下抜けて1990ドル台前半へ。2030ドルの節目割れに伴う短期下値目安2010ドル台に到達後、下げ止まり切れずに一段安となり、水準的には10月安値(1823.5)から12月最高値(2152.3)の半値戻し(1987.9)をほぼ達成。目先、インフレ鈍化とFOMCでのハト派見通しが示されれば調整一服から反発方向へ、意外とそうでもなければ一段安で61.8%戻し(1949.1)辺りまでが意識される可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2023/11/6 - 12/11NYプラチナは-4.1ドル、0.45%安で3日ぶりの反落。920ドル台前半を中心に小幅保ち合い推移となった時間外を経てNY朝には上値トライへ、12月4日(949.6)以来1週間ぶり高値となる930ドル台を回復も、これが高値となって戻り売り。920ドル近辺へと急反落となり、NY午後には910ドル台半ばでは下げ渋り。下げ止まりつつある90日移動平均線(914.3)にはなんとかサポートされた格好。下抜けてしまった20日移動平均線(918.2)を上抜け、これにサポートされる状態となることが地合い回復への必要条件。

ドル円・日足チャート 2023/11/7 - 12/11ドル円は120銭のドル高円安、0.83%の続伸。週末の反発局面は週明けも継続、東京朝の144円80銭台が安値となり、145円台を回復すると午後には145円60銭台まで上昇。欧州時間には「日銀はマイナス金利解除やYCC撤廃などを急ぐ必要はほとんどないとの認識」との報道を受けて145円30銭台から146円40銭台まで急騰。NY市場にかけても146円半ばでの小幅保ち合い推移、高値では146円60銭付近まで。NY午後には米10年債利回り低下にも連れ、146円10銭近辺へと失速。今朝の東京市場では146円を割れて145円60銭近辺へと一段安。水準的には先週の急落局面で今年1月安値(127.21)から11月高値(151.91)の38.2%戻し(142.47)を達成し、上昇軌道の200日移動平均線(142.40)にもサポートされて反発、23.6%戻し(146.08)近辺でいったん失速。目先、下値再トライへと向かえば38.2%ライン辺りまでが下値目安となり、反発局面持続で23.6%ラインをしっかり超えると147円40銭が次の抵抗水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/11終値とチャート

12日の国内金価格は-66円、0.64%の反落で10月18日(10138)以来、ほぼ2ヵ月ぶりの安値。NY金の一段安をドル円の円安でカバーし切れず、そのドル円は今朝には再び円高方向へと巻き戻し。イベント前から波乱の兆しを思わせるような不安定な展開にも。水準的には10月安値(9512)から12月最高値(10819)の38.2%戻し(10320)を突き抜けて半値戻し(10166)まであと少し。また、最高値から12月6日(10465)までの下落幅(354)を12月7日(10502)を起点に減算するN計算値を適用すると10148円。10150円近辺が目先のサポート候補にも。

プラチナ価格は-17円、0.36%の反落。9-21-90日移動平均線が集中する4681-4714円までの水準が抵抗水準となった格好で、これを目前に失速。中期的にはほぼ水平状態の90日移動平均線(4691)を挟んでの保ち合い推移が続いており、これを上抜けできないようだと中期トレンド崩れへと向かう可能性も高まる要注意ポイント。短期的には4670円の節目を突破できれば4730円近辺までの一段高も見込まれ、9-21-90日移動平均線の抵抗帯突破と同時に中期保ち合い中間線も上抜けへ。
※参考:金プラチナ国内価格12/12とチャート

2023年12月12日(火)時点の相場
国内金10,185 円 12/12(火) ▼66(0.64%)
国内プラチナ4,649 円 12/12(火) ▼17(0.36%)
NY金1,993.7 ドル 12/11(月) ▼20.8(1.03%)
NYプラチナ915.7 ドル 12/11(月) ▼4.1(0.45%)
ドル円146.19 円 12/11(月) ▲1.20(0.83%)

12/11(月)のその他主要マーケット指標

米11月CPIは予想通りの鈍化、コアCPIは8ヵ月連続低下 12/13(水)

インフレ期待も鈍化継続、NY連銀消費者調査では平年並みに 12/12(火)

大幅調整の国内金、12月の平均騰落率はマイナス転落の危機 12/11(月)

米11月雇用統計、賃金鈍化は続くも雇用関連は予想外に堅調 12/9(土)

米FOMC・雇用統計直前、チャレンジングな円高急進 12/8(金)


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