金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

金ETFも買われ過ぎ解消でNY金相場は新たな展開へ

更新日:2016年7月14日(木)

SPDRゴールド・シェア金ETF残高 2016年7月13日世界最大手SPDRゴールド・シェアの金ETF残高は12日時点で965.22トンとなり、前日から16.04トン減少し、NY金相場は21.3ドル下落しました。13日時点では金ETF残高は変わらず、NY金相場は8.3ドル上昇しています。
12日の減少量は、2013年6月25日(前日比-16.23t)以来、3年ぶりの大幅減少となっていました。年初の640トンから7月5日のピーク982トンまで合計342トン、50%超の急増状態が一服し、買われ過ぎ状態が若干緩和されたことで、これからNY金相場も新たな展開を迎える可能性もありそうです。
金ETFのさらなる減少が進むようなら、NY金相場の調整局面も拡大することとなり、金ETFの減少もほどほどに、再び買い増しへと転換するようなら改めてNY金相場の上値トライも再開へ。

3年前のNY金相場は、急落局面終盤の時期にあたり、金ETFが16トン売却された日に金価格は1280ドル台から1270ドル台へと下落、その後1220ドル付近まで下落した後には2カ月かけて1400ドル台まで反発していました。
この間、金ETF残高は16トン減少した日の969.5トンを上回ることはなく、減少傾向へ。そして金相場も金ETF残高も2015年末まで、1040ドル台、640トンへと低下傾向が続く展開となっていました。

しばらくの間は、今年のピーク982トンを超えることがなくてもNY金相場の1400ドルトライはあり得るかもしれませんが、中長期的な上昇トレンドを維持するためには、金ETF残高も982トンの高値更新が必要となりそうです。

NY金・日足チャート 2016/6/13 - 7/1313日のNY金相場は5日ぶりの反発で0.62%上昇。時間外では一時1328ドルまで下落、1330ドルの調整目安クリアと1320ドルのサポートラインに支えられて反発。ロンドン・NY市場にかけてはドル安傾向と米国債券買いの金利低下傾向にもサポートされる形で1340ドル台へと水準を切り上げる展開。しかし流れとしては短期上昇トレンドも一旦終盤、1330ドルから1370ドルまでの高値圏の保ち合いを維持できなければ調整局面継続で目先の下値目安は1310ドル近辺まで。保ち合い維持から上値トライ再開となって上限突破なら1390ドル付近までは上値を伸ばすような展開も。保ち合いからやや前者優勢の状況か。

NYプラチナ・日足チャート 2016/6/13 - 7/13NYプラチナ相場は0.21%の小反発。調整局面でも1090ドルを一時的に割り込む程度と限定的、相変わらず今年最高値圏での小動き状態が継続。南アフリカ・プラチナ鉱山での労使交渉への警戒感なども買い材料の一つとなっている様子で、しばらくは金相場の大幅変動でもなければそれほど追随しない可能性も。目先は急反落リスクを抱えながらの高値保ち合い継続か。下方向には1050ドル程度までの急反落は想定され、急反発の場合には1130ドル付近へ。

ドル円・日足チャート 2016/6/14 - 7/13ドル円は3日ぶりの小幅反落。ここまでの日本株高・円安方向への急反発局面形成の原動力は日本の経済対策期待によるものと思われ、目先はこれが急減速・急拡大しない限り現状水準付近での保ち合い傾向が続くものと予想される。103円台から106円までの間でのレンジ形成となり、月末の結果次第で上下どちらかへのブレイクとなるような展開へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/13終値とチャート

14日の国内金価格は0.42%上昇し、4日続伸。3月23日(4824)以来、ほぼ4カ月ぶりの高値水準となり、上値目標下限4800円にもしっかり到達。NY金の調整局面が拡大しなかったことでジリ高推移の展開をサポート、短期目標上限となる4830円台辺りまで上値を伸ばす可能性も若干高まった状況か。週末にかけては英国の利下げに伴う若干の円高リスク、米インフレ、消費関連指標では好結果ならドル高円安でNY金はやや軟調、低調な結果ならその逆へ、とボラティリティが拡大する可能性も。下方向には4720円がサポートライン、上方向にはダブルボトムからの反発目安4850円台も視野に。

プラチナ価格は0.36%の小幅高となり4日続伸。5月18日(3926)以来、2カ月ぶりの高値水準を更新し、5月9日と12日につけた今年高値3950円も視野に。過熱感を示すRSIは84.3まで上昇。この水準は昨年10月23日の84.6以来、9カ月ぶりの買われ過ぎ状態。当時は10月21日に87.9へと急騰し、翌21日には88.2のピークをつけて26日の80.0まで5営業日連続の80台を記録、その後プラチナ価格は4200円付近から急落し、年末にかけて3500円付近へと大きく水準を切り下げる展開に。現在は3営業日連続の80台となり、早々の過熱感解消とともに急反落への警戒感も高まる状況。
※参考:金プラチナ国内価格7/14とチャート

2016年7月14日(木)時点の相場
国内金4,811 円 7/14(木) ▲20(0.42%)
国内プラチナ3,924 円 7/14(木) ▲14(0.36%)
NY金1,343.6 ドル 7/13(水) ▲8.3(0.62%)
NYプラチナ1,100.2 ドル 7/13(水) ▲2.3(0.21%)
ドル円104.47 円 7/13(水) ▼0.20(0.19%)

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