金プラチナ短期相場観

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世界のプラチナ需給 2023年第2四半期

更新日:2023年9月7日(木)

世界のプラチナ需給・鉱山産出量 2023年第2四半期WPIC(World Platinum Investment Council)発表のプラチナ需給レポートによれば、2023年第2四半期のプラチナ総需要は67.5トン。前期比+3.2%、前年同期比では+31.4%となって3四半期連続増、11四半期ぶりの高水準。自動車触媒需要が高止まり、産業需要が増加し、投資需要は2四半期連続の買い越し。
総供給量は56.7トンで前期比+15.7%、前年同期比-5.0%で4四半期ぶりの高水準。需給バランスは10.8トンの供給不足。供給不足は2四半期連続。
※2023年通年見通しでは、総供給量は224.7トン。前年比-0.4%で2年連続減。総需要は256.0トン。2013年以降では最少となった2022年から+26.8%、。需給バランスは31.3トンの供給不足。供給不足は3年ぶり。
地上在庫は2022年の143.3トンから2023年には112.1トンへ、-21.8%と減少見込み。

<供給>
■鉱山産出量:46.0トン 前期比+23.1%、前年比-3.3%、4四半期ぶり高水準。うち南アフリカは32.0トン(前期比+34.7%、前年比-8.9%)で4四半期ぶり高水準。電力不足緩和も影響は継続。ロシアは5.9トン(前期比+5.6%、前年比+18.0%)。2カ国合計シェアは83.2%となり、3四半期ぶり高水準。
※2023年通年見通しでは173.4トン。2022年の171.8トンから+1.0%。
■リサイクル:10.7トン 前期比-7.8%、前年比-11.7%。※2023年通年見通しでは50.4トン、2022年の52.6トンから-4.2%となって2013年以降では最低見込み。

世界のプラチナ需給・目的別需要 2023年第2四半期<需要>
■自動車触媒:26.1トン 前期比-1.2%、前年比+19.5%、2四半期ぶり低水準。
※2023年通年見通しは102.1トン、2022年の90.3トンからは+13.1%で6年ぶり高水準。パラジウム代替需要継続と小型車と大型車の生産台数増加、中国での排ガス規制強化などが影響。
■宝飾品:14.9トン 前期比+3.9%、前年比-1.8%、3四半期ぶり高水準。
※2023年通年見通しは58.9トン、2022年の59.1トンからは-0.3%で3年ぶり低水準。
■産業用:21.7トン 前期比+12.1%、前年比+12.2%。7四半期ぶり高水準。
※2023年通年見通しは83.0トン、2022年の72.5トンからは+14.4%、過去最大。ガラス関連が23.5トン、+49.7%の大幅増で過去最大水準見込み。
■投資:+4.8トン 2四半期連続の買い越し。現物投資需要は0.81トン、6四半期ぶり高水準となった前期の3.11トンからは大幅減。
※2023年通年見通しは+12.0トン、3年ぶりの買い越し。ETF関連が3年ぶり買い越しで+1.9トン、現物投資は10.1トンで2年ぶり高水準。
★2023年通年見通しでの需要全体における自動車触媒需要の占める割合は39.9%。過去最大となった2022年の44.7%から2年ぶり低水準へと縮小。宝飾品は23.0%で2022年の29.3%から縮小、過去最低へ。産業用は32.4%で2022年の35.9%からは縮小。投資は4.7%。

プラチナ価格とプラチナ消費需要+ETF 2023年第2四半期<価格と消費需要・ETF需要>
宝飾品需要と現物投資需要を合わせたプラチナ消費需要は15.7トン。前期比-10.0%、前年比-9.8%。2015年以降で最低となった2022年第4四半期以来、2四半期ぶり低水準。
NYプラチナの第2四半期平均価格は1033.2ドル。前四半期の997.9ドルから上昇し、3四半期続伸で2年ぶり高値。2四半期連プラスとなったETFの買い越し(4.7トン)幅拡大が寄与。
※消費需要の2023年通年見通しは69.0トン。2013年以降では最低となった2022年の66.1トンからは+4.5%、2年ぶり高水準。

NY金・日足チャート 2023/8/2 - 9/66日のNY金は-8.4ドル、0.43%の続落で8月25日(1939.9)以来、10日ぶりの安値。先週末、雇用統計の日の上ヒゲ十字線が短期トレンド転換点を示唆した格好となって軟調推移が継続。時間外は1950ドルを挟んでの小幅保合い推移となって下げ渋る展開。NY朝には米8月サービス業PMIと総合PMIが小幅に下方改定され、この日の高値1950ドル台半ばまで小幅に急騰。しかし直後のISM非製造業景況指数が予想外の好結果となったことを受けて1940ドル近辺まで急反落。NY午後の自律反発で日足レベルでは20日移動平均線(1944.2)になんとかサポートされた格好も、NY引け後には1940ドル付近へと軟調推移。週末に向けて米長期金利上昇とドル高一服とともに軟調局面一服となる可能性も想定される反面、1930ドル台の節目がチラつく水準に差し掛かり、これを割り込んでしまうと一段安トライへ、8月安値(1913.6)を下抜けて1900ドルの大台付近までが下値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2023/8/2 - 9/6NYプラチナは-18.2ドル、1.95%安となって5日続落。8月21日(913.5)以来、半月ぶりの安値。5日続落は6月以来、2ヵ月半ぶりで今年4度め。時間外序盤の935.1ドルが高値となり、アジア時間に20日移動平均線(931.3)を割れると、これがレジスタンスに切り替わる格好となってロンドン市場にかけて軟調推移。NY市場では920ドル割れ、一時910ドル割れもNY午後には910ドル台半ばを回復して小康状態に。8月安値(882.6)から9月高値(995.0)の76.4%戻し(909.1)でいったんサポートされた格好も、これを下回るようだと890ドルの重要水準との攻防にも。これも割り込んでしまうと短期的には860ドル程度までが下値目安、ただし中期トレンドも崩れ始める可能性も。

ドル円・日足チャート 2023/8/3 - 9/6ドル円はわずかに4銭程のドル安円高、0.03%安となって4日ぶりの小反落。東京朝には当局からの円安牽制を受けて147円60銭台から30銭台へと小幅に急落、しかし東京市場スタートと同時に買い戻された勢いで147円80銭近辺まで上昇。前日高値をわずかに上回ったところで失速すると午後にかけては軟調推移、東京市場終了時には147円ちょうど付近まで下落。147円割れを回避して反発すると欧州時間には147円半ばへ。NY市場では米8月PMIの下方改定に147円10銭台まで軟調推移後に、ISM非製造業景況指数の上ブレを受けて147円70銭近辺へと切り返し。意外と強い米指標結果にサポートされて下ヒゲ十字線を形成し、介入警戒感も交錯するなかで短期的には上値目標149円付近まで、若干の上値トライ余地を残す状態。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/6終値とチャート

7日の国内金価格は-37円、0.37%安で4日ぶりの反落。過去最高値更新後の一段高トライには失敗、円安一服でNY金の軟調局面を反映しての巻き戻しも、最高値圏での保合い水準を維持。イベント的には次週半ばまでは閑散期となって市場も落ち着きやすいところ。しかしドル円の若干の上昇余地と介入警戒感などから上下に行き過ぎの展開も。9930円割れなら保合い崩れとなって調整へ、9870円程度までが短期下値目安に。1万円の大台超えなら保合い上放れ、10100円近辺までが短期上値目標に。

プラチナ価格は-77円、1.61%安で5日続落。8月24日(4707)以来、2週間ぶりの安値。5日続落は6月以来、3ヵ月ぶりで今年3度め。9日移動平均線(4866)割れで加速した勢いを維持して90日移動平均線(4786)も下抜け、8月安値(4461)から高値(4965)の半値戻し(4713)付近に到達、21日移動平均線(4709)にも急接近。これらも維持できなければ61.8%戻し(4654)近辺までの一段安も。
※参考:金プラチナ国内価格9/7とチャート

2023年9月7日(木)時点の相場
国内金9,954 円 9/7(木) ▼37(0.37%)
国内プラチナ4,715 円 9/7(木) ▼77(1.61%)
NY金1,944.2 ドル 9/6(水) ▼8.4(0.43%)
NYプラチナ915.3 ドル 9/6(水) ▼18.2(1.95%)
ドル円147.67 円 9/6(水) ▼0.04(0.03%)

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