金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

コアPCEは鈍化基調継続、ドル高一服でNY金は反発も一時的に

更新日:2023年9月30日(土)

PCE・コアPCE・トリム平均PCE・メディアンPCE 2023年8月米8月PCE価格指数は、前月比では総合指数もコア指数もわずかに市場予想を下回り、前年比では総合指数もコア指数もほぼ市場予想どおりの結果。インフレ鈍化基調継続を確認する結果となったことで米長期金利低下とドル安の反応となり、NY金は反発。しかしこの流れは一時的にとどまって巻き戻し、米長期金利上昇とドル高の調整は極めて限定的となって高止まり。反発に失敗した格好のNY金は一段安の展開に。

8月のPCEは前年比+3.48%。2年3ヵ月ぶり低水準となった6月(3.20)から続伸で3ヵ月ぶりの高水準。足下のエネルギー価格上昇が影響。
食品とエネルギー関連を除くコアPCEは前年比+3.88%。わずかに上昇した7月からは0.41%の反落で2021年5月(3.64)以来、2年3ヵ月ぶりの低水準。2021年6月(3.95)以来、2年2ヵ月ぶりの4%割れ。
セクタ別では、モノの価格が前年比+0.7%、7月の-0.2%を上回り、6月の-0.4%からは続伸で3ヵ月ぶりのプラス圏。サービス価格は前年比+4.9%、7月の+5.3から低下し、1年1ヵ月ぶりの5%割れ。

ダラス連銀発表のトリム平均PCEは前年比+3.89%。前月から0.29%低下し、4ヵ月続落で1年7ヵ月ぶりの低水準。1年5ヵ月ぶりの4%割れ。
クルーブランド連銀のメディアンPCEは前年比+4.50%。前月を0.39%下回り、40年9ヵ月ぶり高水準となった3月(6.13)から5ヵ月続落で1年5ヵ月ぶりの低水準。

9月FOMCで示された2023年末のコアPCE予想中央値3.9%も目前に迫り、年内追加利上げ観測も後退。この日、PCE発表後にNY連銀ウィリアムズ総裁も「利上げ完了の可能性」示唆発言。
それでも米長期金利とドル高の調整は、なかなか進行しません。

NY金・日足チャート 2023/8/25 - 9/2929日のNY金は-12.5ドル、0.67%安となって5日続落。3月9日(1834.6)以来、6ヵ月半ぶりの安値で下げ止まらず。5日続落は1ヵ月ぶりで今年3度め。1930ドル台の節目割れに伴う短期下値目安1880ドル台到達後の前日安値1870ドル台からの反発局面継続の様相となったこの日の時間外、1880ドル近辺からロンドン・NY朝にかけて1890ドル近辺へ。ほぼ予想どおりとなった米8月PCE結果を受けて米長期金利低下とドル安の反応に連れて1890ドル台半ばへと小幅に急騰。しかし一時的となった流れは巻き戻されて急反落、1880ドルを割れるとNY後には前日安値も下回って1860ドル台へと一段安。短期的にはやや行き過ぎのようにも見える展開となって下値警戒水準、昨年11月安値(1618.3)から今年高値(2085.4)の半値戻し(1851.9)近辺にも急接近。次週、雇用統計までの一連の指標ウィークで波乱の展開への警戒感も。
週間ベースでは-79.5ドル、4.09%の続落。2021年6月14日からの週(-110.6ドル、5.88%)以来、2年3ヵ月ぶりの急落。月間では-99.8ドル、5.08%の続落。2月(-108.6ドル、5.58%)以来7ヵ月ぶりの大幅安。

NYプラチナ・日足チャート 2023/8/25 - 9/29NYプラチナは+0.8ドル、0.09%の小幅続伸。前日からの反発基調が続き、時間外序盤に前日高値を上回って920ドル台へ。NY朝にはPCE直後のNY金の小幅急騰局面に連れる形で一時930ドル台半ばまで上昇。1週間ぶりの高値水準で上方向への節目付近で失速すると、その後の巻き戻しの流れと勢いも追随する格好となってNY午後には920ドル割れ、安値では910ドル台前半まで下落。結果的に上ヒゲ長めの十字線となって20日移動平均線(921.1)上抜けにも失敗、目先の主要レンジ890ドルから940ドルまでの上限トライに失敗してレンジ半ばへと逆戻り。次週、反発局面再開か、反発崩れからの下落局面再開かをかけた攻防にも。
週間ベースでは-18.2ドル、1.95%安で3週ぶりの反落。月間では-58.5ドル、6.0%安で3ヵ月ぶりの反落。今年5度めの下落月のなかで下げ幅は最小。

ドル円・日足チャート 2023/8/28 - 9/29ドル円は9銭のドル高円安、0.06%の小反発。149円台前半での小幅保合いとなった東京時間、午後につけた149円50銭近辺が高値となり、その後は米10年債利回り低下に連れて軟調推移。欧州時間序盤にかけては急落の展開となって148円50銭台まで下落して切り返し、米10年債利回りの下げ渋りに連れて反発した欧州・NY朝には149円20銭台を回復。米8月PCE結果には一時的に149円割れへと小幅急落も切り返し、米10年債利回りの下げ渋りに連動する形でNY午後には149円30銭台へと反発。結果的にインフレ鈍化を想定して調整の動きが先行した流れが、それほどでもない結果を受けて巻き戻されたような展開となり、9日移動平均線(148.71)にも下値を支えられて下に行って来い、下ヒゲを残しての高止まり。次週、雇用統計の週に149円70銭の節目再トライで上抜け成功なら150円台半ば辺りまでを短期目標に一段高の展開にも。引き続き下値サポートは9月序盤の保合い形成水準147円台半ば。
週間ベースでは+1.01円、0.68%高で4週続伸。4週続伸は8月に続き、今年3度め。月間では+3.84円、2.64%の続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/29終値とチャート

2023年9月30日(土)時点の相場
国内金9,804 円 9/29(金) ▼62(0.63%)
国内プラチナ4,736 円 9/29(金) ▲81(1.74%)
NY金1,866.1 ドル 9/29(金) ▼12.5(0.67%)
NYプラチナ915.9 ドル 9/29(金) ▲0.8(0.09%)
ドル円149.37 円 9/29(金) ▲0.09(0.06%)

9/29(金)のその他主要マーケット指標

シャットダウン回避でリスク選好、金価格は最高値からの調整続く 10/2(月)

コアPCEは鈍化基調継続、ドル高一服でNY金は反発も一時的に 9/30(土)

低迷続くユーロ圏、景況感指数は5ヵ月続落で2年10ヵ月ぶり低水準 9/29(金)

予想外に好調な耐久財受注、コア受注前年比では減速続く 9/28(木)

米消費センチメント悪化でサービス業も低調、見通しも悪化へ 9/27(水)


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