金プラチナ短期相場観

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失業保険申請件数も急減、利上げ打ち止め観測は混沌

更新日:2023年9月8日(金)

新規失業保険申請件数+4週移動平均 2023年9月2日までの週前日、市場予想を上回る好結果となった米ISM非製造業景況指数では、雇用指数も7月の50.7から8月は54.7へと急反発、1年8ヵ月ぶり高水準となり、底打ち・回復傾向が強まる状況となっていました。
この日は新規失業保険申請件数も想定以上の好結果。
21.6万件となって市場予想の23.4万件を下回り、4週連続の減少で2月11日までの週(21.6)以来、7ヵ月ぶりの低水準。4週移動平均は22.93万件で5週ぶり低水準へと急低下、半年ほどでは2番めの低水準。
チャート形状だけを見れば、三尊天井を形成し、一段安リスクが高まりそうな状況となってきました。

FRBが期待する、利上げ効果による雇用情勢の適度な後退は進まず、雇用統計後に後退していた年内追加利上げ観測は再燃の兆しも。利上げ打ち止め優勢となっていた情勢は、やや混沌となってCPI待ちへ。

NY金・日足チャート 2023/8/3 - 9/77日のNY金は-1.7ドル、0.09%の小幅安で3日続落。8月25日(1939.9)以来、2週間ぶりの安値。20日移動平均線(1943.8)との攻防状態となり、これを下回る時間も長かったものの1940ドル割れを回避、前日安値も下回らず、しかしNY朝につけた高値も1950ドルに届かず。この日の変動値幅は7.6ドルにとどまり、今年の平均25.3ドルの30%で今年最小、2019年12月末以来、3年8ヵ月ぶりの小動き。引き続き1940ドルから1930ドル台のサポート水準維持が目先のポイントに、これを割れると8月後半の上昇値幅全戻しトライへ、8月安値(1913.6)下抜けと1900ドルの大台付近までが下値目安。上方向には20日線を超えると1950ドル台半ばがレジスタンス候補。

NYプラチナ・日足チャート 2023/8/3 - 9/7NYプラチナは-5.7ドル、0.62%安で6日続落。8月17日(895.6)以来、3週間ぶりの安値。6日続落は6月以来、3ヵ月ぶりで今年3度め。アジア時間につけた高値は920ドルに届かず、ゆっくりと戻り売りへ。ロンドン市場で910ドル割れ、NY朝につけた安値は903ドルまで。大台割れを回避して小反発となったNY午後には910ドル維持をかけた攻防状態に。終値ベースでは8月安値(882.6)から9月高値(995.0)の76.4%戻し(909.1)を維持した格好となり、引き続きここから900ドルの大台ライン近辺までがサポート帯として機能するかどうかが目先のポイントに。その下、890ドルの重要な節目を割れた場合には860ドル程度までの一段安が見込まれ、中期トレンド崩れへの警戒感も急拡大。

ドル円・日足チャート 2023/8/4 - 9/7ドル円は38銭のドル安円高、0.26%の続落。東京朝には147円50銭台から買い先行、前日まで2日連続で今年高値となった147円80銭近辺をわずかに上回り、90銭付近まで上昇。3日連続で今年高値を更新した後は戻り売りへ。午後には147円50銭近辺、欧州時間には147円30銭台、NY朝には20銭台まで下落。新規失業保険申請件数が予想外に改善したことなどを受けて一時147円60銭台まで急反発も、上値は重くNY午後には147円ちょうど付近まで下落。週初に146円30銭の節目を上抜けて一段高となった流れでは、短期上値目標149円付近に対してこの日の高値147円90銭付近までで失速、いったん上値トライは失敗となった格好。147円80銭が目先の抵抗水準となり、あらためてこれを突破できれば148円台後半へと上値再トライへ。下方向へは7月安値(137.24)から9月高値(147.87)の23.6%戻し(145.36)付近までが調整目安に。この付近でサポートされないようだと調整局面拡大へ、半値戻し(142.56)近辺までが次の下値目安となる可能性。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/7終値とチャート

8日の国内金価格は-11円、0.11%の続落。9930円以上1万円未満の高値保合いを維持しながらも、半月ぶりに9日移動平均線(9953)を割り込んで強気のパーフェクトオーダー崩れ。流れとしては短期上昇トレンド一服後の保合い傾向が続き、何もなければそろそろ調整方向へ、という状態にも。それでも次週、CPIの結果次第では上昇トレンド再加速へと向かう可能性も。下方ブレイクなら9870円程度までが短期下値目安、切り返して上方ブレイクとなれば10100円近辺までの一段高へも。
週間ベースでは+13円、0.13%の小幅高で4週続伸。4週続伸は4月以来、5ヵ月ぶりで今年3度め。

プラチナ価格は-36円、0.76%安で6日続落。8月22日(4644)以来、半月ぶりの安値。6日続落は6月以来、3ヵ月ぶりで今年2度め。上昇軌道の21日移動平均線(4718)、8月安値(4461)から高値(4965)の半値戻し(4713)もあっさり下抜け。8月後半の10日続伸に続いての6日続落の為、過熱感もなくRSIは50台の中立。目先、61.8%戻し(4654)近辺まででサポートされるかどうか。
週間ベースでは-235円、4.78%安で4週ぶりの反落。下げ幅は今年最大、昨年12月19日からの週(-262円、5.44%)以来、9ヵ月ぶりの大幅安。
※参考:金プラチナ国内価格9/8とチャート

2023年9月8日(金)時点の相場
国内金9,943 円 9/8(金) ▼11(0.11%)
国内プラチナ4,679 円 9/8(金) ▼36(0.76%)
NY金1,942.5 ドル 9/7(木) ▼1.7(0.09%)
NYプラチナ909.6 ドル 9/7(木) ▼5.7(0.62%)
ドル円147.29 円 9/7(木) ▼0.38(0.26%)

9/7(木)のその他主要マーケット指標

減少し続ける中国のプラチナ・ジュエリー需要 9/9(土)

失業保険申請件数も急減、利上げ打ち止め観測は混沌 9/8(金)

世界のプラチナ需給 2023年第2四半期 9/7(木)

独仏の減速止まらず、ユーロ圏総合PMIは2年9ヵ月ぶり低水準 9/6(水)

利上げ打ち止め優勢で8月CPI経由9月FOMCへ 9/5(火)


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