金プラチナ短期相場観

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NY連銀消費者調査でも、8月のインフレ期待は下げ渋り

更新日:2023年9月12日(火)

NY連銀消費者調査・インフレ期待 2023年8月NY連銀の8月消費者調査でも、インフレ期待は下げ渋り。
1年先のインフレ期待中央値は3.63%。2年3ヵ月ぶり低水準となった7月(3.55)からは上昇し、5ヵ月ぶりの反発。ミシガン大の1年インフレ期待も8月は3.5%となり、2年3ヵ月ぶり低水準となった6月(3.3)からは続伸。
なお、コアPCEは1年9ヵ月ぶり低水準となった6月の4.09%から7月に4.24%へと反発、CPIも7月は6月から反発。
直近のインフレ動向が、そのまま短期インフレ期待にも大きく影響する流れにあり、今週のCPI結果もそのまま次月のインフレ期待の動向を左右することになりそうです。

なお、NY連銀の3年先インフレ期待は2.79%となり、小幅に3ヵ月連続の低下で5ヵ月ぶりの低水準。ミシガン大の5年インフレ期待は3.0%で3ヵ月連続横ばい推移。
中長期的にはインフレ鈍化傾向がゆるやかに続くことが予想されています、

また、賃金上昇率予想は2.91%となり、8月の2.83%からは小幅に上昇。過去最高の3.0%こそ下回るものの、1年9ヵ月ぶり低水準となった5月の2.80%を上回る水準で下げ渋り。
失業の可能性を意識する人の割合は7月の11.77%から8月は13.83%へと上昇、2年4ヵ月ぶり高水準に。
これらは雇用統計の賃金上昇率と失業率を忠実に反映する格好に。

NY金・日足チャート 2023/8/7 - 9/1111日のNY金は+4.5ドル、0.23%の続伸。週明け時間外は為替の急変動を受けてやや乱高下の展開から、一時1940ドル割れの安値をつけて切り返すとドル安地合いにサポートされて徐々に堅調推移。ロンドン序盤に1950ドル台半ばまで上昇してこの日の高値、NY市場にかけては1950ドルを挟んでの保合いも、NY午後には1940ドル台半ばへと失速。1930ドル台の節目では底堅く、下げ止まった20日移動平均線(1943.5)にもサポートされる形も、上値は引き続き1950ドル台半ばがレジスタンス状態。一目均衡表の雲の下限(1955.8)を突破するにはCPI下振れ等のきっかけが必要か。逆に下値サポートを維持できなくなれば8月安値(1913.6)から1900ドルの大台付近までを目指す流れへ。

NYプラチナ・日足チャート 2023/8/7 - 9/11NYプラチナは+7.5ドル、0.84%高となって8日ぶりの反発。時間外序盤につけた安値は890ドル半ば、先週末安値を下回らずに切り返すと徐々に堅調推移となり、ロンドン序盤にかけて900ドルの大台を回復。ただしNY市場でつけた高値も910ドルには届かず、NY午後には900ドル付近での小幅保合い推移となって大台維持をかけた攻防状態にも。引き続き890ドルの重要水準を割り込むようだと中期トレンド崩れへの警戒感が高まり、860ドル程度までが短期下値目安に。地合い回復に向けては20日移動平均線(930.5)回復がポイントに。

ドル円・日足チャート 2023/8/8 - 9/11ドル円は121銭のドル安円高、0.82%の反落。週末の新聞報道で植田日銀総裁が年内にもマイナス金利解除を含めた政策変更の可能性などに言及したことが材料視され、週明けオセアニア市場で大きく売られて東京朝は146円台後半からスタート。147円20銭台まで回復後には売り買い交錯状態を経て失速、戻り売り状態となって東京市場スタートとともに軟調局面継続、東京市場終了時点で146円割れ。145円90銭台で下げ渋ると欧州時間にかけて147円付近まで反発、NY市場では146円20銭近辺まで反落後に146円半ばで揉み合い状態に。やや過剰反応気味に円高の流れが進行し、巻き戻しの流れでも上値は限定的となり、週をまたいで開けた窓を埋め切れず。結果的に147円20銭の下値サポート割れに伴う短期下値目安146円近辺に到達したところで下値トライ一服。目先、再度146円近辺までの下値目安再トライ余地を残しながら、147円ラインが抵抗線とならなければ147円80銭を上限に高値保合いレンジ拡大の様相にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/11終値とチャート

12日の国内金価格は-13円、0.13%安で4日続落。8月29日(9886)以来2週間ぶり安値圏での一段安。ダブルトップのネックラインにも相当する9930円の節目割れに伴う短期下値目安9870円近辺を目指す軟調局面が継続。短期トレンドも高値保合い崩れからの調整局面が進行しやすい状況となり、もう少しの下げ余地。なお、CPI上ブレでNY金が軟調推移となり、ドル高円安の流れに対しては牽制発言などで円安抑制の動きとなるなどした場合、調整局面行き過ぎとなれば7月安値(9499)から最高値の38.2%戻し(9803)近辺までが行き過ぎ警戒水準にも。

プラチナ価格は+4円、0.09%高となって8日ぶりの小反発。4600円の大台割れを前にいったん下げ渋り、という状態に。底打ち確認の為には8月安値(4461)から高値(4965)の61.8%戻し(4654)辺りまでの反発も必要か。下方向へは引き続き76.4%戻し(4580)近辺までは意識されやすく、これも維持できなければ重要水準4500円の大台ラインが下値サポートに。
※参考:金プラチナ国内価格9/12とチャート

2023年9月12日(火)時点の相場
国内金9,908 円 9/12(火) ▼13(0.13%)
国内プラチナ4,607 円 9/12(火) ▲4(0.09%)
NY金1,947.2 ドル 9/11(月) ▲4.5(0.23%)
NYプラチナ902.3 ドル 9/11(月) ▲7.5(0.84%)
ドル円146.59 円 9/11(月) ▼1.21(0.82%)

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