金プラチナ短期相場観
労働市場情勢指数(LMCI)はプラス維持も減速、今後の懸念材料に
更新日:2015年12月8日(火)
FRBが発表した米11月の労働市場情勢指数(LMCI)は+0.5。市場予想の+1.6を下回り、直近7カ月間での最低水準に。過去2カ月分は上方修正も年前半は小幅下方修正。なお、過去分全般に渡りプラスマイナス0.1-0.2ポイント程度、最大0.6ポイントまでの修正。
今年1月からの推移は以下のとおり。(括弧内は前回からの修正幅)
1月:3.4(-0.6)
2月:1.5(-0.3)
3月:-0.8(-0.1)
4月:-0.5(-)
5月:1.6(-0.1)
6月:1.7(-0.1)
7月:1.5(-0.1)
8月:1.7(-0.2)
9月:1.5(+0.2)
10月:2.2(+0.6)
11月:0.5
2015年の年間平均は+1.3となり、2014年の+5.3、2013年の+4.0などから大きく水準が切り下がる状況。プラス圏はなんとか維持したことで労働市場の回復基調は示した状態ながら、その度合は減速傾向が鮮明。10-11月の雇用統計が好調を示したのとは対象的。
また、前回利上げフェーズ前半、2004年平均の+7.2、2005年平均+6.9と比較しても大きく見劣りする状況です。
ISM製造業景況指数が好不況の分かれ目となる50を下回っていることに次ぐ、低水準の指標を抱えながらの利上げフェーズスタートということになりそうです。
2回めの利上げ時期をめぐる不透明感へのきっかけとなりそうな指標候補がまた一つ、増えそうな状況です。
7日のNY金相場は3営業日ぶりの反落で0.82%安。先週末の買い戻しの流れが急速に進み過ぎたことと上値目安1090ドル付近到達による調整。ドル高地合いも上値を抑制。1050ドルから1080ドル台までのレンジでどちらかと言えば買い優勢もしばらくはレンジ内推移か。あらためて1090ドルに手が届くようなら10月高値(1191.7)から12月3日安値(1045.4)までの38.2%戻しとなる1101.3ドル辺りまでの上昇も見込めそうな展開へ。
NYプラチナ相場は1.98%の大幅反落。上値メド880ドル台に到達したことで格好の戻り売り水準となったことによる大幅調整。小幅ながらもドル全面高の流れに新興国通貨安傾向も強まる状況。なかでも原油安に伴うロシアルーブル安に次ぐ弱さを示す南アランドはまたも過去最安値更新となる1ドル=14.50ランド台へと1%超の大幅安。先週末のフィッチの格下げ、S&Pの格付け見通し引き下げによりジャンク債寸前という状況も通貨安材料。結果的にプラチナの下げ幅拡大要因の一つに。流れとしては底値圏(の可能性)からの脱出の兆しもその勢いは減速、830-880ドルのレンジ推移で次の方向性模索へ。
ドル円相場は0.16%の小幅ドル高円安で続伸。雇用統計後の伸び悩みから徐々に上値トライの流れも123円台半ばの水準を超えられず。それでも縮小傾向のレンジ上抜けの兆しも見られ、やや弱まっていたドル高方向への流れが強まりそうな気配もあり、目標水準125円台前半を目指す流れがスタートし始めた可能性も。ただし123円台半ばを超えられない状態が続くようなら、再び円高リスクが高まることも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/7終値とチャート
8日の国内金価格は0.89%の大幅安。予想外の急騰による4600円付近の目標水準到達に伴う大幅反落。しばらくは4470-4600円のレンジ内推移か。上抜けトライへの余力があれば4600円台半ば辺りまで上値を伸ばす可能性も。
国内プラチナ価格は2.33%の大幅反落。上値目安3630円付近を大きくオーバーランしたことに伴う急落で目安水準付近に収束しようとする動きに。下落率は3%にこそ達しなかったものの、反発基調スタートの兆しからの乱高下状態となり、反発局面継続か、それとも乱高下状態で水準を切り下げる今年のトレンド継続かの判断がつきかねる状況に。前者なら3780円台が次の上値目安水準に、後者なら安値更新で3400円台半ばを目指す流れとなる可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格12/8とチャート
- 2015年12月8日(火)時点の相場
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国内金 : 4,554 円 12/8(火) ▼41(0.89%) 国内プラチナ : 3,650 円 12/8(火) ▼87(2.33%) NY金 : 1,075.2 ドル 12/7(月) ▼8.9(0.82%) NYプラチナ : 863.2 ドル 12/7(月) ▼17.4(1.98%) ドル円 : 123.37 円 12/7(月) ▲0.20(0.16%)
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