金プラチナ短期相場観
コアPCE、ミシガン大に続いてNY連銀インフレ期待も反発
更新日:2024年12月10日(火)
11月のNY連銀消費者調査で1年先のインフレ期待は+2.97%。
4年ぶり低水準となった10月の+2.87%からは0.1%上昇。
11月末に発表された10月分のコアPCEが前年比+2.80%と半年ぶり高水準へと反発し、先週発表されたミシガン大12月速報の1年先インフレ期待が+2.9%と5ヵ月ぶり高水準へと反発したのに続いての反発。
FRBの金融政策を左右するコアPCEの動向は、消費者レベルのインフレ予想も左右する形となり、今後のインフレ下げ渋りを示唆する可能性も。
インフレ不確実性は3.32となり、4年ぶり低水準となった10月の3.16から、半年ぶり高水準へと急反発。
1年先の所得成長期待は続伸で1年8ヵ月ぶりの高水準。
向こう3カ月に債務の最低返済額を滞納すると予想する確率は4年5ヵ月ぶり高水準となった9月から続落となり、5ヵ月ぶりの低水準に。
1年後に株価が上昇するとの見方は半年ぶり高水準へと反発。
消費者調査の結果も、FRBの金融政策に影響しそうな状況となってきた可能性も。
週明け9日のNY金は+26.2ドル、0.99%の続伸で11月22日(2712.2)以来、半月ぶりの高値。乱高下の展開で時間外をスタート、2670ドル台へと急騰後に2650ドル近辺の安値をつけて切り返し。シリアのアサド政権崩壊を好感する向きと不安定化への警戒感とが交錯するような恰好にもなり、ロンドン序盤には2670ドル台へ。中国人民銀行の金購入再開報道は好感された可能性もあり、NY市場にかけても堅調推移となって2680ドル台へ、高値では2700ドルの大台にワンタッチ。NY午後には2690ドル割れへと失速も、2680ドルの節目がサポートに切り替わって下げ渋り。保ち合い上抜けの形で一段高トライへと向かいやすい状況に、2680ドルの節目突破に伴う短期上値目標は11月末高値圏2720ドル近辺まで。ただし2640ドルの節目割れへと反落の場合には2600ドル割れトライへも。
NYプラチナは+20.2ドル、2.16%高で4日ぶりの反発。12月3日(960.2)以来、1週間ぶりの高値。時間外序盤の930ドル台前半が安値となり、先週末安値を下回らずに930ドル台を中心とした保ち合いを抜け出すとロンドン市場にかけて堅調推移。950ドル台へと水準を切り上げるとNY市場では一時960ドル台半ばまで上昇。しかし、12月3日高値(964.8)付近で失速すると960ドルの節目超えを維持できず、20日移動平均線(953.4)上抜けにも実質失敗、NY引け後には950ドル割れ。960ドルの節目超え再トライに成功すると990ドル近辺までを短期目標に上値トライへ、930ドルの保ち合い下限割れの場合には900ドルの大台近辺までが短期下値目安に。
ドル円は+115銭、0.77%高で3日ぶりの反発。東京朝には日本株に連動する形で小幅に上下動、149円70銭近辺の安値をつけて150円近辺へと巻き戻して小康状態に、東京市場終盤からは堅調推移。「金融政策を適度に緩和」との中国共産党の方針を好感したリスク選考の流れから、欧州時間には150円半ばへと水準を切り上げ、NY朝には150円90銭台へ。151円トライとなってNY午後には151円30銭台まで上昇。150円70銭の節目上抜けに伴う短期上値目標、200日移動平均線(151.99)近辺、152円近辺までもう少しの堅調推移継続余地も。下方向へは150円の節目を割れると90日移動平均線(148.41)近辺、148円半ばまでが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/9終値とチャート
10日の国内金価格は+263円、1.89%の大幅高で3日ぶりの反発。11月26日(14225)以来、2週間ぶりの高値。13920円の節目割れに伴う短期下値目安13840円程度までを目指す流れは早々に巻き戻し。9日移動平均線(13985)と21日移動平均線(14141)をまとめて上抜け、14020円の節目も上抜けて底打ち反発トライへ。短期上値目標14100円台回復も達成してさらに一段高。11月末高値(14722)から12月安値(13896)の23.6%戻し(14091)も達成し、38.2%戻し(14212)近辺、14200円台回復が次の目標に。下方向へは13890円が当面の底値となる可能性、これを維持できない場合には13800円割れトライへ。
プラチナ価格は+96円、1.98%高で4日ぶりの反発。12月4日(4961)以来の高値。4910円の節目割れに伴う短期下値目安4860円程度に到達後の一服感から、自律反発で9日移動平均線(4927)を上抜けて4970円の節目付近に到達。勢いを維持して節目を突破すると90日移動平均線(4989)超え、5000円の大台を回復して5020円近辺までが短期上値目標に。逆に4850円の節目割れの場合には4780円程度までを目安に一段安トライへ。
※参考:金プラチナ国内価格12/10とチャート
- 2024年12月10日(火)時点の相場
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国内金 : 14,159 円 12/10(火) ▲263(1.89%) 国内プラチナ : 4,955 円 12/10(火) ▲96(1.98%) NY金 : 2,685.8 ドル 12/9(月) ▲26.2(0.99%) NYプラチナ : 954.0 ドル 12/9(月) ▲20.2(2.16%) ドル円 : 151.19 円 12/9(月) ▲1.15(0.77%)
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