金プラチナ短期相場観
コアCPIの下げ渋り続けば来年の利下げ見通しに不透明感も
更新日:2024年12月11日(水)
米11月のコアCPIは前年比+3.3%で横ばい推移が大方の予想。
10月時点では前年比+3.33%。9月から+0.02%、3ヵ月連続の小幅上昇で5ヵ月ぶりの高水準。7月の+3.17%がボトムとなり、11ヵ月連続3%台で下げ渋る状態が継続中。
なお、コアPCEは10月時点で前年比+2.80%で半年ぶりの高水準。6月の+2.63%がボトムとなり、9ヵ月連続2%台後半で下げ渋り。
コアPPIは10月時点で+3.13%となって4ヵ月ぶりの3%台。昨年12月に+1.79%まで低下したのがボトムとなり、今年1月以降は2%超、4月以降は2%台後半以上で下げ渋り、というより上昇傾向。
ISM非製造業景況指数の価格指数は11月に58.2。10月からわずかに上昇し、9月の59.4に続き7ヵ月では2番めの高水準。3月の53.4がボトムとなって8ヵ月連続50台後半でゆるやかに上昇傾向。
ISM製造業景況指数の価格指数は11月時点で50.3。10月からは急低下で9月の48.3に続き、今年2番めの低水準。ただし今年の節目50割れは9月のみで下げ渋る状態。
11月CPIが上方向へのサプライズとならない限り、12月FOMCでの追加0.25%利下げは確実と思われ、今後の主要テーマは来年の利下げ見通しへ。
現時点で来年には追加0.25%×2回の利下げ予想が市場コンセンサス。今後のインフレ動向次第では、この予想が大きくブレることも予想されそうです。
今回の11月CPIが、そのきっかけにならないとも限りません。
10日のNY金は+32.6ドル、1.21%高で3日続伸。11月5日(2749.7)以来、5週間ぶりの高値。アジア時間に2680ドルの安値から2690ドル台半ばまで一段高、前日高値付近でいったん失速すると2680ドル台半ばの押し目をはさんで上値トライ再開。ロンドン・NY朝にかけて前日高値で2700ドルの大台を突破すると2710ドル台へ、NY午後には2720ドル台の高値をつけて下げ渋り、NY引け後も2720ドル台での推移。2680ドルの節目突破に伴う短期上値目標、11月末高値圏2720ドル近辺に到達した状態でCPI待ちへ。インフレ下げ渋りでも12月利下げを織り込むような展開にもなり、CPI後に12月利下げ観測が後退するようなことがあれば巻き戻しの展開にも。20日移動平均線(2646.0)近辺が当面の下値サポート、上方向への行き過ぎ警戒水準としては11月初旬高値圏2650ドル近辺。
NYプラチナは-4.9ドル、0.51%の反落。アジア時間序盤の950ドル台前半が高値となって反落、940ドル割れの安値をつけて折り返し、ロンドン・NY市場にかけては940ドルから950ドル近辺までにレンジを縮小しての保ち合いに。NY引けにかけては940ドル台後半で下げ渋り。930ドルから960ドルまでの保ち合いレンジを維持しながらも、右肩下がりの20日移動平均線(952.4)に上値を押さえられる状態も継続。20日線から960ドルまでの抵抗帯を突破できれば990ドル近辺までを目標に上値トライへ、下限割れなら900ドルの大台近辺を目安に下値トライへ。
ドル円は+77銭、0.51%の続伸で11月26日(153.10)以来、2週間ぶりの高値。東京市場では151円台前半でのもみ合いとなり、午後に150円90銭近辺の安値をつけて折り返すと堅調推移。欧州時間には151円台後半へと水準を切り上げて151円80銭近辺までのレンジで保ち合い、NY午後には152円トライ、高値では152円10銭台まで上昇してNY終盤には152円割れ。150円70銭の節目上抜けに伴う短期上値目標、200日移動平均線(152.00)近辺、152円近辺に到達して一服状態でCPI待ちへ。インフレ高止まりを先行して織り込む形で一定の上値トライを終えた可能性から、予想通りの結果なら事実確認の売りも。11月高値(156.75)から12月安値(148.65)の38.2%戻し(151.74)を達成し、200日線がレジスタンスとならなければ半値戻し(152.70)トライも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/10終値とチャート
11日の国内金価格は+235円、1.66%の大幅続伸。11月25日(14722)以来、半月ぶりの高値。14020円の節目上抜けに伴う短期上値目標14100円台回復達成後も上げ止まらず、11月末高値(14722)から12月安値(13896)の38.2%戻し(14212)も突き抜けて半値戻し(14309)も達成、61.8%戻し(14406)も目前に。10月末最高値(15025)と11月末高値を結ぶラインの延長線付近に到達し、抵抗感は増す可能性も。突破できれば短中期的には11月末高値を目指す流れへ、下方向へは下げ止まった21日移動平均線(14152)が当面のサポート候補に。
プラチナ価格は+14円、0.28%の続伸で11月26日(5011)以来、2週間ぶりの高値。しかし4970円の節目上抜けには至らず、すぐ上にはゆるやかに下降する90日移動平均線(4987)もプレッシャーに。圧力に屈せず、この抵抗帯を突破できれば5020円近辺までが短期上値目標に。底打ち、反発局面継続に向けては下落基調の21日移動平均線(5027)突破がポイントにも。下方向へは4850円の節目を割れると4780円程度までを目安に一段安トライへ。
※参考:金プラチナ国内価格12/11とチャート
- 2024年12月11日(水)時点の相場
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国内金 : 14,394 円 12/11(水) ▲235(1.66%) 国内プラチナ : 4,969 円 12/11(水) ▲14(0.28%) NY金 : 2,718.4 ドル 12/10(火) ▲32.6(1.21%) NYプラチナ : 949.1 ドル 12/10(火) ▼4.9(0.51%) ドル円 : 151.96 円 12/10(火) ▲0.77(0.51%)
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