金プラチナ短期相場観

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米住宅市場の回復基調は加速中

更新日:2019年11月27日(水)

新築住宅販売件数 2019年10月米住宅市場の回復基調は加速傾向が強まっているようです。
10月の新築住宅販売件数は年率換算で73.3万戸。市場予想を上回りましたが9月からは小幅に減少。しかし、前年比では+31.6%となり、2013年1月(+33.13%)以来6年9カ月ぶりの急増。9月分は73.8万戸へと大幅上方修正され、2007年7月(77.8)以来、12年2カ月ぶりの高水準となっています。
トレンドを示す6カ月移動平均でも10月は69.4万戸となり、2007年11月(72.07)以来11年11カ月ぶりの高水準。
先週末発表された10月の中古住宅販売件数も546万戸となり、市場予想こそ下回りましたが、前年比では+4.6%。2017年3月(+5.2%)以来、2年7カ月ぶりの急増となっていました。

住宅ローン金利の低下が大きく影響し、それを主導したFRBの3回の利下げが正当化され、パウエルFRB議長らの「金融政策は適切」発言にもつながっているようです。
住宅市場の回復基調は住宅価格の安定にもつながり、この日発表された9月のケース・シラー住宅価格指数は前年比+2.1%となり、低下傾向が続いていた前年比上昇率は1年半ぶりに上昇。価格上昇の鈍化傾向に歯止めがかかる可能性を示す状況となってきました。
同様にFHFA住宅価格指数の9月は前月比+0.62%となって1年7カ月ぶりの高水準。前年比では4年10カ月ぶり低水準となった8月の+4.73%から+5.07%へと上昇。これも2018年前半の+7%台から続いていた鈍化傾向が底打ちする可能性も示す状況にも。

その他この日発表された米指標では、11月の消費者信頼感指数が125.5へと4カ月連続の低下となり、リッチモンド連銀製造業指数も-1.0と予想を大きく下回ってマイナス圏へと反落。若干の消費低迷への不安と製造業景況感の回復基調に不透明感も残る状況ながら、住宅市場の安定回復が好感され、米中協議動向への楽観見通しと合わせて米株高の流れをサポートしているようです。

NY金・日足チャート 2019/10/23 - 11/2626日のNY金相場は+3.4ドル、0.23%高で5日ぶりの反発。アジア時間には「米中の閣僚が電話会談」を行ったとの報道に敏感に反応、一時的にリスク選好の流れが強まって1450ドル付近まで小幅に急落、節目割れを回避して欧州時間には1450ドル台後半へと反発。しかし米株主要3指数が3日続伸で最高値更新となったNY市場、朝には株高スタートに押される形で一時1450ドル割れへと急落。ところがこの水準では底堅く、米11月の消費者信頼感指数が4カ月連続の低下で5カ月ぶり低水準となったことなどもあり、NY午後までに1460ドル台へと反発。小幅に乱高下の展開となったなかで1450ドルのサポート水準での底堅さを確認し、11月12日安値1446.2ドルとでダブルボトム形成の可能性を残す形で反発。ゆるやかに下落する20日移動平均線(1476.1)付近が目先の上値抵抗水準となり、これを超えることができればダブルボトム完成で1500ドルを目指す上値トライ局面形成へも。

NYプラチナ・日足チャート 2019/10/23 - 11/26NYプラチナは+11.3ドル、1.25%の続伸。時間外には900ドルラインをはさんでの揉み合いから、欧州時間にかけては900ドル台前半へとわずかに水準を切り上げての小幅保ち合い推移。乱高下気味となったNY金の動きとは対照的な展開から、NY朝には金の急落後の急反発を待ってこれに追随、一時920ドル手前まで15ドル程度の急騰。上値抵抗水準となる920ドルの節目にはまだ抵抗感も、20日移動平均線(908.9)超えを維持できれば再トライのチャンスも。上抜けできれば11月高値トライも意識され、940ドル台までが目標水準に。

ドル円・日足チャート 2019/10/23 - 11/26ドル円は10銭ほどのドル高円安となって4日続伸。4日間合計でも+50銭、0.46%の小幅上昇と限定的ながら11月11日(109.04)以来、半月ぶりの高値水準。東京午前には米中第1段階合意に向けての協議進展の可能性が報じられると109円20銭近辺まで急騰。これがこの日の高値となり、欧州時間にかけて108円80銭台まで調整も、NY時間にかけては株高の流れにも連れて109円10銭台まで反発。NY終盤にはトランプ大統領が「習主席と話をしている」との発言も株高円安をサポート。目先、109円40銭台が強めの抵抗水準となり、これを超えることができれば長期三角保ち合い上限トライへと向かう可能性も高まり、その上限ライン付近111円台前半までが上値目標にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/26終値とチャート

27日の国内金価格は+28円、0.5%高となって4日ぶりの反発。NY金が節目の1450ドル割れを回避して反発したことに加えて円安も同時進行するレアケースに押し上げられ、5540円前後を目指した下落基調は5570円割れで早々の切り返し。目先は5560円台から5610円までを主要レンジとして揉み合い傾向となりやすく、米中協議進展が実際に確認されるようだと下押し圧力再開にも。あらためて5560円台の下限を割れるようだと次の下値目安は5500円割れも。5610円超へと反発基調が続くようなら一段高の展開で上値目標は10月前半高値圏5670円近辺まで。

プラチナ価格は+46円、1.34%の大幅続伸。21日移動平均線(3451)を挟んでの上下動を繰り返す展開は継続。振幅幅を縮小しながら三角保ち合い頂点付近へと収束し、再び変動幅拡大へ、という展開が今回も繰り返される可能性への警戒感も。短期地合いは好転も、値動きパターンからは3500円の節目が抵抗水準となって反落、21日線下抜けへ、となる可能性も。パターンが崩れて3500円超へと抜け出せば上昇局面継続で11月高値更新トライ、4年間の長期抵抗線付近、3550円台までが上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格11/27とチャート

2019年11月27日(水)時点の相場
国内金5,597 円 11/27(水) ▲28(0.50%)
国内プラチナ3,478 円 11/27(水) ▲46(1.34%)
NY金1,460.3 ドル 11/26(火) ▲3.4(0.23%)
NYプラチナ911.7 ドル 11/26(火) ▲11.3(1.25%)
ドル円109.04 円 11/26(火) ▲0.11(0.10%)

11/26(火)のその他主要マーケット指標

米GDPは予想外の上方改定、PCEインフレは予想以上に低迷 11/28(木)

米住宅市場の回復基調は加速中 11/27(水)

ドイツIFO景況感は金融危機後最低レベルで底打ち反発へ 11/26(火)

国内金価格は節目5600円割れ、プラチナは3400円の節目を維持 11/25(月)

ドイツ製造業PMIに底打ち感も、サービス業の減速止まらず 11/23(土)


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